この記事ではApple Color Emoji(iOS/Mac用絵文字フォント)での表示を前提としています。 使用されている環境によっては絵文字が正しく表示されない場合があります。(例:Windows環境における国旗記号🇯🇵)
絵文字とは、
この記事では2を解説する。
🔎概要📋
絵文字(えもじ、英:emoji)とは、機械上にて利用可能なピクトグラムの一種である。コードポイント1つにつき一つの絵が割り当てられている特殊な環境依存文字となっている。
元々は日本の携帯用に利用されていたが、2010年にはUnicode 6.0にてemojiとしてサポートされ、海外圏ではそのまま"emoji"として浸透した。
絵文字は、ユニコードコンソーシアムが登録した絵文字図を基にして、各メーカー、サービスが絵文字を自社サービス向けに登録している。そのため、広義的な環境依存文字であり、同じ意味の絵文字でもニュアンスが異なる絵文字となることもある。
絵文字は一つの文字に一つのピクトグラムが描かれているが、例えばこの💡は「電球」だけでなく、「ひらめいた」、💊は「クスリ」と「医者」というように文章と合わせて意味を変えることもあるというのも特徴。「くすり」や「いしゃ」「かぷせる」を変換して試してるといいだろう。勿論、変換がないような発想でも使える。
例えば⚠️☔️これは雨に注意となり、☀️😥なら日差しで暑いといった風にいくつか絵文字を使って一つの簡単な文を作るといった使い方も可能。
🗾歴史🗺️
文字コードとしての絵文字の始まりは1959年、日本の新聞社による六社協定新聞社用コード(CO-59)である。このコード表には野球ボールの絵文字⚾︎(X:23,Y:36)が含まれたことが始まり。その後、電波産業会によってARIB外字が規定され、ワードプロセッサ、プリンタ、ポケベルなど徐々に絵文字が使用可能な機械が増えていった。
携帯電話における絵文字の始まりは1997年にソフトバンク用端末として発売されたパイオニア・デジタルホン DP-211SWとされている。この端末は同機種間の通信に限り90種類の絵文字を利用できたとされる。
1999年、NTTドコモがiモードを提供開始。iモード対応機種にドコモ絵文字を搭載をし、iモードの爆速的な普及とともに絵文字が普及した。それまで「(笑)」を初めとした記号や文字で行っていた感情表現や、 「(´・ω・`)」といったAA、顔文字で表現されていたものが、 手軽さとバラエティ具合から女性を中心に絵文字を使ったメールが流行りだした。
当時特有の利用方法として、iモード向けのサイトなどにおいて、文章を書かなくても絵文字にすることで端末で表現できることから パケット数を減らしつつも情報を提供するといったことが出来た。
当時のガラケー文字の標準文字サイズである12×12の小さなサイズでは商標登録をすることは難しいという理由から商標登録はなされず、au(KDDI)やj-Phone(現ソフトバンク)もドコモに続き絵文字サービスを提供を開始。しかし、当時の絵文字はShift-JISの私的使用領域を使用しており、続く2キャリアはドコモ絵文字と同じコードポイントを共有せず、2キャリア同士でも全く互換性が無いため、3キャリア間の交互互換性は皆無であった。
そのため、送受信先でキャリアが異なると、メール上で?や〓(下駄記号)に変換されたり、ましてや別の絵文字となって意思疎通が難しいといった事例も発生した。
しかし2005年11月1日、ソフトバンクモバイルはVodafone 3G向けS!メールでの絵文字変換サービスを開始。これは送信元のメールサーバー上で送信先の利用キャリア向けの絵文字セットに合わせ、コードポイントを置き換えるというものであった。翌年7月12日にドコモ、続く9月5日にはauが同様のサービスを開始した。
2008年にソフトバンクが日本で発売したiPhone3GにはAppleが作成した新たな絵文字が日本語キーボードにのみ搭載され、使おうと思えば海外でも専用アプリを使用すれば使用できるようになった。これも絵文字変換サービスを利用していた。
しかしこの方式にはいくつかの問題が生まれた。
- 新規キャリア参入時に新たな相互変換表を作成しないといけないこと。(会社の数2分の対応表が必要となる)
- 相互互換性が保証されていないこと。(例としてドコモ←au→ソフトバンクの際にドコモとソフトバンクで同じ絵文字になるとは限らない。他も同様。)
- 既存キャリアが絵文字を増やしたときに他キャリアはあわせて相互変換表を更新しないといけないこと。
- メール以外ではこの方法を採用することが出来ず、多対多のデータ交換の際には不適当であること。(例:掲示板、Webサイト)
- 将来的に他文字コードに移行する際の互換性が皆無であること
このように様々な問題あったことから、基準となる絵文字用の文字コードセットの必要性が生じることとなった。2006年になるとGoogle社のGmailチームが各キャリア絵文字の交互表示システムを考案、翌年には絵文字Unicode符号化チームが結成された。
2007年、AppleとGoogleは共同でユニコードコンソーシアムに3キャリア絵文字の収録を提案、翌年には"emoji4unicode"というオープンソースプロジェクトを開始した。このプロジェクトでの成果物は実際に"Emoji Symbols"(絵文字記号)として提案・実装がされた。
ユニコードコンソーシアムは、符号化されていた文字やキャリア間で同じ意味として被っていた絵文字は統合、企業ロゴ絵文字は私的使用領域を使用させることで対応し削除、国旗絵文字はUnicode化によるグローバル化と合わせて特殊な仕様によって対応するなど、既存キャリア絵文字に対して互換性を損なわない範囲で変更・統合・削除・追加などを行い、2010年に絵文字に対応したUnicode 6.0を制定した。
パソコン環境では長らく使用できずに文字化けしてしまったり入力できない状況が続いたが、Windows8.1から絵文字変換が標準対応するようになった。フォントや文字の描画エンジン等によって、白黒でしか表示できない場合や地域別インジケータ記号を使用した国旗絵文字の表示が出来ないなどの問題点はあるもののほとんどの絵文字を使用・表示することができる。
Twitterは2014年に環境に左右されずにカラーの絵文字が使用できるように独自の絵文字を製作した。
Unicode絵文字でも私的使用領域を利用していることがあり、有名なものだとAppleロゴ絵文字(、U+F8FF)やTwitterロゴ(、U+EA00)が存在する。
😀使用方法😀
iOS、androidは日本語キーボードから絵文字入力へ、MacPCはOS X 10.9からcommand+control+スペースキーで一覧を開くショートカットが設定されている。
Windowsなら8.1以降でそのまま変換、タッチパネル対応ならソフトキーボードに顔文字モードがあるので選択、IMEパットを開き、文字一覧→Unicode(追加他言語面)→その他記号/絵文字 の順に開き絵文字の一覧から選択する、などの方法がある。
✈️海外へ🌎
海外でもiPhone3Gで実質的に絵文字対応になってから少しずつ絵文字が認知され、今では日本以上によく使われるようになった。日本では女性や若者が使うもので「大人」が使うものではないといった風潮がそれとなくあるが、老若男女問わず:-)や:Dなどのemoticon(エモーティコン)と呼ばれる横向き顔文字が使われており、絵文字は自然と広い層に浸透することになった。
絵文字は見た目で意味がすぐわかり、言語の壁を越える文字であると言っても過言ではないと言える。
海外へ進出した絵文字だが、問題はある。
まず、絵文字が日本で生まれた故に日本でしか伝わらない絵もあるのだ。
例えば🗾, 🎌, 🍢, 🍘, 🎍, 🎋, 🎏, 🎎, 💮, 🈁, 🎴 など。
📛は日本人なら幼稚園の名札だとわかるが、外国人にとっては意味不明で"Tofu on fire"と言われていたりする(なぜ用意されてるのか日本人でも謎なものもあるが)。一部の絵は海外でも使える用に工夫されたりするがこういった日本の固有の文化はどうしようもない。
二つ目に、国旗や民族などの国際的な問題である。
国際規格になるにあたって様々な議論が交わされ、日本人にとって馴染みの薄いカアバ🕋やあらゆる国旗「🇲🇭,🇱🇨,🇦🇶」など、従来の携帯電話には収録されなかった絵文字がUnicodeには登録されている。
肌の色もデリケートな問題であり、カラーである場合絵文字の😀人の肌は真っ黄色であることが多い。また一部の絵文字についてはその後ろに肌の色を表す特殊な文字を置くことによって、同じ絵文字でも多様な肌色「👩」「👩🏻」「👩🏾」で表現することができる。
📝サンプル🍝
絵文字を使用すると以下のように文章を絵を交えて表現できる
明日会えるのが楽しみだよ😘❤️
もう帰りたい🏃💨
😄✋今日も天気は☀本日の予定は🚋➡🎥➡🎤➡🍴
おはようございます、今日も天気は晴れですね。本日の予定は電車に乗って映画後にカラオケで食事に行きましょう。
⬅↙⬇↘➡➕✊ ヨガフレイム
(このように方向などを表すのにも使われる。)
🔗関連リンク🔗
関連項目
ニコニコ大百科で単独で記事名として使われている絵文字
Unicodeでのコードと名称はunicode.org公式の「Emoji List」や「Full Emoji List, v13.0」および「Full Emoji Modifier Sequences, v13.0」に拠る。
- 🌮 Unicode「U+1F32E」、「taco」。「タコス」へのリダイレクト記事。
- 🎃 Unicode「U+1F383」、「Jack-O-Lantern」。
- 🎴 Unicode「U+1F3B4」、「flower playing cards」。「花札」へのリダイレクト記事。
- 🐏 Unicode「U+1F40F」、「ram」。「羊の絵文字」へのリダイレクト記事。
- 🐑 Unicode「U+1F411」、「ewe」。「羊の絵文字」へのリダイレクト記事。
- 👺 Unicode「U+1F47A」、「goblin」。
- 💈 Unicode「U+1F488」、「barber pole」。「サインポール」へのリダイレクト記事。
- 💢 Unicode「U+1F4A2」、「anger symbol」。「怒りマーク」へのリダイレクト記事。
- 💦 Unicode「U+1F4A6」、「splashing sweat symbol」。
- 💾 Unicode「U+1F4BE」、「Floppy Disk」。「フロッピー」へのリダイレクト記事。
- 📛 Unicode「U+1F4DB」、「name badge」。「Tofu on fire」へのリダイレクト記事。
- 🖖 Unicode「U+1F596」、「vulcan salute」。「バルカン式挨拶」へのリダイレクト記事。[1]
- 🗼 Unicode「U+1F5FC」、「Tokyo tower」。「東京タワー」へのリダイレクト記事。
- 🗾 Unicode「U+1F5FE」、「map of Japan」
- 😷 Unicode「U+1F637」、「face with medical mask」。
- 🤔 Unicode「U+1F914」、「thinking face」。
- 🥘 Unicode「U+1F958」、「shallow pan of food」。「パエリア」へのリダイレクト記事。
- 🥺 Unicode「U+1F97A」、「pleading face」。「ぴえん」へのリダイレクト記事。
国旗・地域の旗・国際連合旗の絵文字
詳しい説明は上記にて行っているが、国旗や地域の旗や国際連合旗の絵文字はやや特殊で、国旗を表すためには特殊な工程を利用する必要がある。
地域別インジケータ記号[2]🇦~🇿を2つつなげて配置するとその二文字に対応したものを絵文字として変換する。
日本の国旗🇯🇵を参考にしてみよう。絵文字アルファベットの🇯と🇵を用意する。これら🇯と🇵を2つ並べて置くと🇯 🇵となり🇯🇵が生成される。
上記の「肌色の違うバルカン式挨拶」の絵文字のように、このようなインジケータ記号や絵文字修飾子、ゼロ幅接合子を利用し合体させて、組み合わせで別の絵文字となる仕様は「絵文字シーケンス(Emoji Sequences)」と呼ばれる。
- 🇧🇩 Unicode「U+1F1E7」+「U+1F1E9」、「flag: Bangladesh」。「バングラデシュ」へのリダイレクト記事。
- 🇩🇪 Unicode「U+1F1E9」+「U+1F1EA」、「flag: Germany」。「ドイツ」へのリダイレクト記事。
- 🇯🇵 Unicode「U+1F1EF」+「U+1F1F5」、「flag: Japan」。「日の丸」へのリダイレクト記事。
- 🇳🇵 Unicode「U+1F1F3」+「U+1F1F5」、「flag: Nepal」。「ネパール」へのリダイレクト記事。
- 🇷🇴 Unicode「U+1F1F7」+「U+1F1F4」、「flag: Romania」。
- 🇺🇸 Unicode「U+1F1FA」+「U+1F1F8」、「flag: United States」。「星条旗」へのリダイレクト記事。
脚注
- *(肌色の違う「🖖🏻」「🖖🏼」「🖖🏽」「🖖🏾」「🖖🏿」の記事も存在しているが、これらは絵文字修飾子を用いて2つの絵文字を組み合わせたものであるため単独の絵文字ではない。詳細は「バルカン式挨拶」の記事を参照)
- *上記は訳したもの。正式名称はRegional Indicator Symbol Letter。
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