絶対王者とは、「絶対」的な強さを誇る(基本的には現在進行形でその地位にいる)「王者」を称える呼称である。
概要
スポーツやゲーム等の競技におけるチャンピオン決定戦での長期連続タイトル保持や、トップ選手のみが参加する公式戦で他者が真似できない程高い勝率を示し、向かうところ敵なしであろうと思われるような者が時々登場する事がある。絶対王者とはこのような説得力ある王者に対する(敬意を込めた)表現である。
主にスポーツ新聞やゴシップ誌や専門誌、及びそういう読み物を好んで読むような層が好んで用いるフレーズである。
圧倒的な強さを誇るチャンピオンの事を絶対王者と呼ぶようになったのは21世紀初め頃、当時プロレスリングNOAH所属のプロレスラー・小橋健太がGHCヘビー級のベルトを長期間防衛していた頃に、放送作家の村上卓史がその栄誉を讃え命名したとの事。但し(今の基準からすれば多少異例だが)年代を若干遡りその当時にまだ世間に記憶が残っていた20世紀末頃に活躍していた競輪の「ミスター競輪」中野浩一、相撲の「ウルフ」千代の富士、K-1の「暴君」ピーター・アーツ辺りに対してまでは絶対王者と呼ばれた事もあった。しかしこれより前、例えばアントニオ猪木などに対して後付けで絶対王者と呼ぶ事は基本的には無い(「当時の絶対王者」みたいな使い方をしたがる人はいなくはないが一般的ではない、という程度)。
日本人にとってあまり馴染みのない競技や、日本での大会に来日しないため海外でのみ知名度があるようなチャンピオンに対してはその強さが浸透していない為か、あまり用いられない傾向がある。(日本で勝ってないから絶対じゃないという事か)
ある種目に絶対王者と呼ばれる存在がいる間は、同じ種目の別階級に同じような成績を誇る者がいたとしても、その者を絶対王者と呼ぶ事はあまりない。種目が被る場合は通算勝利数や連勝数基準であったり、無差別級的な見方をして「より強いと思える方」が絶対なのである。例えば吉田沙保里が絶対王者と呼ばれていた頃の伊調馨は(結果的にはオリンピックでの優勝回数は伊調の方が上になるのだが)絶対王者と呼ばれる事はほぼ無かった。
注意
自称してはならない。実力を伴わなければ道化として映るだけであるし、実力を伴っていても驕りと見做されるだけである。
軽々しく使用してはならない。地方大会では無敵であっても全国大会では初戦敗退級かもしれない。非常に恥ずかしい結果になるだけである。
節操を守らなければならない。絶対王者という地位があるのではなく敬称であり、「歴代王者と比較しても現王者が最強かも?」と思われるような実績が伴わないとならない。仮に現王者の衰えに伴いこれを倒す新しい王者が登場したとしてもそれだけで絶対王者の交代とはならない。比較対象となるのは衰えた旧王者ではなく全盛期であった時の姿である。
絶対王者の例
以下は絶対王者と呼ばれた事がある者、もしくは現在そう呼ばれている者である。
名前 | 種目 | 業績など |
中野浩一 | 競輪 | 「ミスター競輪」世界選手権個人スプリント10連覇 |
千代の富士 | 相撲 | 「ウルフ」優勝回数記録、勝利数記録保持(当時) |
ピーター・アーツ | K-1 | 「暴君」K-1黎明期に連勝、1RKO勝利も多かった |
小橋建太 | プロレス | チャンピオンベルトを連続13回(2年間)防衛 |
吉田沙保里 | アマチュアレスリング | 「霊長類最強女子」世界大会16連覇209連勝、ギネス認定 |
羽生善治 | 将棋 | 初にして唯一の七冠王達成、永世七冠王 |
羽生結弦 | フィギュアスケート | 世界最高得点を大幅に更新、史上初の300点超えを達成 |
オジュウチョウサン | 競馬(障害競走) | 中央競馬の多くの記録を更新(障害競走5年間無敗、G1勝利連続7年間) |
関連項目
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