《絶望神サガ》とは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。
概要
絶望神サガ R 水/闇文明 (3)
クリーチャー:ゴッド/オリジン 3000
このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、自分の手札を1枚捨てる。その後、自分の墓地にクリーチャーが3体以上あれば、コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。
《絶望神サガ》 - デュエル・マスターズ Wikiより,2023/02/11閲覧
2023年2月18日発売の『DM22-EX2 「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」』で登場したクリーチャーである。ゴッド種族、オリジン種族を持つ水・闇文明3マナのクリーチャーであり、効果も両種族のサポートとして設計されている。
場に出した時の効果 (以下、cip) と、ターン開始時の効果で手札を交換することができる。これによって不要なカードを墓地に置くことで手札を良質化できるうえに、墓地を肥やすこともできる。デュエル・マスターズには一定数墓地に存在したほうが使いやすいカードもあるため、事実上のドローエンジンとしても機能する。また、墓地にクリーチャーが3体以上あるときはコスト5以下のゴッドまたはオリジンを墓地から場に出すことができるが、かわりに自壊してしまう。
これも、普通に揃えるには出しづらいゴッド全体を出しやすくすることで、ゴッドに見られるG・リンク能力 (規定のゴッドの組み合わせが出ているとき、その組み合わせをひとまとめのクリーチャーとして扱えるようにする能力) を発動しやすくする効果として使えよう。
しかしながら、この効果は有用どころか、実際には強力無比であるとんでもない効果である。新たなカードが発表されるたびにループコンボを生み出すデュエル・マスターズプレイヤーにとって、あるテキストの欠缺が騒がれたのだ。
テキストにおける同名カード制限の欠缺
《絶望神サガ》の能力をもう一度振り返ろう。《絶望神サガ》は、自身の手札交換効果を発動した後、墓地のクリーチャーが3体いるときは自壊と引き換えに場にコスト5以下のゴッドまたはオリジンを出すことができる。この「コスト5以下のゴッドまたはオリジン」という条件には、《絶望神サガ》自身も含まれる。
よって、墓地にもう一枚の《絶望神サガ》 (以下、《絶望神サガ》B) がいるとき、その《絶望神サガ》Bを場に出しても良いことになる。そして、先に出ていた《絶望神サガ》 (以下、《絶望神サガ》A) は当然墓地に送られる。《絶望神サガ》Bはそのままcipを解決するが、その効果処理時には《絶望神サガ》Aが墓地にいるため、場に出してもよいことになる。そして《絶望神サガ》Aがcipを解決するとき、墓地には《絶望神サガ》Bが存在し――こうして、同名カード2枚だけで墓地肥やしループコンボが完成してしまう。なお、同時に出しても効果処理は1体ずつ解決するため、難なくループコンボに入ることができる。
要求値こそ高くなるものの、最速3ターンで《絶望神サガ》を絡めたループコンボを行うことで、そのまま《超神星DOOM・ドラゲリオン》《黙示賢者ソルハバキ》《水上第九院 シャコガイル》《一なる部隊 イワシン》をつなげてそのターンに特殊勝利することも可能。ここでいう要求値というのは、2ターン目までに手札と墓地に《絶望神サガ》を1枚ずつ揃えるということであり、《超神星DOOM・ドラゲリオン》《黙示賢者ソルハバキ》《水上第九院 シャコガイル》《一なる部隊 イワシン》はその時点で山札に1枚ずつありさえすれば良く (これらは全て殿堂入りになっていないためデッキに4枚ずつ投入可能) 、かなり現実的な確率となる。そして《ゴッド・シグナル》の効果によって《絶望神サガ》が初手に来ていなくても1ターン目にサーチできてしまう。
他にも墓地を肥やすことで《暴走龍 5000GT》と《百万超邪 クロスファイア》につなげる往年の【墓地ソース】など、墓地にかかわるデッキはデュエル・マスターズでも枚挙に暇がないため、いくらでも悪用できてしまう。デュエル・マスターズをプレイしていなくても同名カード制限のない墓地回収による無限墓地肥やしが危険であることは容易に理解出来よう。
このため、デュエル・マスターズプレイヤーは「明らかに当初の目的である『ゴッド・オリジンサポート』の範疇から逸脱しているため、発売前にカードテキストに修正が加えられるのではないか?」と推測していた。しかし2023年2月10日 (発売8日前) に、以下のようなお知らせが公開される。
2/18(土)発売の拡張パック「DM22-EX2 デュエル・マスターズTCG ヒーローズ・ダークサイド・パック ~闇のキリフダたち~」の収録カード≪絶望神サガ≫について、お知らせさせていただきます。
こちらのカードにつきまして、カードテキスト変更の予定はございません。
今後とも「デュエル・マスターズ」をよろしくお願い致します。
≪絶望神サガ≫についてのお知らせ | デュエル・マスターズより,2023/02/11閲覧
なんと、カードテキストに修正がないことを公式が明言するという異例の事態が発生したのである。これによって、「それまであった数々のデッキが一気に落伍するのではないか」というメタゲーム予測がなされている。
発売後
2023年2月18日に実際に発売されると、早速その日にいくつかのチャンピオンシップで表彰台を独占しはじめる。無論登場前の時点で警戒されていたため、メタカードとして《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》[1]や《若き大長老 アプル》[2]などで対策されていたのだが、それらを採用したデッキは、環境にいた他のデッキに弱いためにそちらに蹴散らされてしまったのだ。つまり発売前の時点で、かなり高度なメタゲームが回っていた。
【シャコガイル】型と【墓地ソース】型のサガループが2023年2月時点での主要なデッキタイプとなる。
背景ストーリー
背景ストーリーでは4度目の登場となる「サガ」。《創造神サガ》《破壊神サガ》《ミノガミ <サガ.Star>》では「クリエイター/オリジン」であったが、今回はオリジンが広めた偽史において、五龍神を排除した後にも残るオリジンたちより過去の種族「ゴッド」の存在により正当性が失われることを恐れ、自分たちのルーツである「サガ」をゴッドと位置づけることにより、自分たちを世界創生の正統な後継者であると偽ったという背景ストーリーが明かされている。ゆえに《絶望神サガ》がゴッドとされているのは本来は真っ赤な嘘ということになるのだが、それにも関わらずゴッドサポートを受けられてしまうことになる (このため、サガと関係のある《超絶神ゼン》と《究極神アク》も元来はゴッドではない可能性もある) 。また、ルーツであるがゆえに自分の仲間である『偽りの神』と『偽りの起源』を呼び出せるということになる。つまりこの効果はヴォーソス的なトップダウンデザインであり、「ハイレベルなデュエマを約束する至高の1枚!!」「背景ストーリーの超絶効果を再現だ!!」ということになる。せめて同名カード制限があればフレーバーの良再現として非常に高く評価されたのだろうが、実際には自分ひとりだけで完結してしまっている。
関連動画
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関連リンク
関連項目
- デュエル・マスターズ
- 絶望神アンチホープ - デュエル・マスターズとならぶ日本で大人気のTCG『遊戯王OCG』における「絶望神」。使用者であるか対戦相手であるかの違いこそあれ、「属性/文明が闇」で「カードを墓地に送る」「プレイヤーに絶望を与える」存在であるという共通点がある。互いに自身の属するカードゲームのプレイヤーに与えたインパクトも非常に強い。
脚注
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