綾波レイ(あやなみ -)は『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の登場人物。 CV:林原めぐみ。
※特記しない限り、以下の記述は基本的にテレビアニメ版および旧劇場版に基づいています。
概要
名前は大日本帝国海軍神風型駆逐艦32番艦・吹雪型11番艦『綾波』に由来する。同艦名を引き継いだ海上自衛隊『あやなみ』型護衛艦には同型艦DD103『あやなみ』DD106『しきなみ』DD112『まきなみ』がある。「レイ」の部分の由来については下記「共通性のある先発キャラクター」の項の「火野レイ」を参照。
神秘性を帯びた青系(青藤色)シャギーショートヘアの無口、無表情少女キャラであり、元祖眼帯・包帯アニメ美少女キャラでもある。
朗読の様な淡々としている喋り方は抑揚が無く、感情の起伏を感じさせないものであるが、感情がない訳では無い。
最初の適格者、ファースト・チルドレン[2]。国際連合直属非公開組織 特務機関NERV擁する汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン試作型零号機パイロット。
様々な秘密や謎を抱えており、物語展開を担うキーパーソンの一人である。14歳の中学二年生とされるが、経歴は抹消され、委細不明である。
JAZZスタンダード楽曲"Fly me to the Moon"が流れるテレビ版EDでは蒼い月が照らす水中で回転するスマートな体躯のシルエットを披露する。又、"Fly me to the Moon"にはAYANAMI Ver.が幾つか存在する。[3]
サウンドドラックジャケットやイラスト・ポスター等で月を背景にして描かれる事が多い。
2007年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の公開時、日本経済新聞の社説・春秋にて『綾波レイに思いを寄せる男性は日本中に100万人はいるだろう』と言う記事が書かれた。[4]
劇中、葛城ミサトの奢りで碇シンジ、惣流・アスカ・ラングレーと一緒にラーメンを食べに行った時に、チャーシュー抜きのニンニクラーメンを注文した。[5] そのエピソードを受けて、パチンコの景品として、日清製粉製インスタントカップラーメン『にんにくラーメンチャーシューぬき』が製品化され、[6]続いて、2009年5月26日、ローソンより、東洋水産製インスタントカップラーメン『にんにくラーメンチャーシューぬき』が数量限定コラボ商品として発売された。[7]2010年4月27日、再びローソンより『エヴァンゲリオンにんにくラーメンチャーシューぬき』がパッケージと味を一新して、数量限定コラボ商品として198円で再発売された。
キャラクターデザインを担当した貞本義行は綾波レイのキャラメイクをするにあたって、筋肉少女帯の楽曲「何処へでも行ける切手」の歌詞に登場する「包帯で真っ白な少女」から発想を得て綾波をデザインしたと語っている。[8]
台詞
- 「信じられないの?お父さんの仕事が」
- 「あなたは死なないわ…。私が守るもの」
- 「さよなら」
- 「ごめんなさい。こういうときどんな顔をすればいいかわからないの」
- 「ニンニクラーメン、チャーシュー抜き」
- 「ありがとう。感謝の言葉、初めての言葉。あの人にも言った事なかったのに」
- 「碇君の匂いがする」
- 「私は人形じゃない」
- 「私が死んでも変わりはいるもの」
- 「はっ…これが…涙…?泣いているのは、私?」
- 「これは私の心…碇君と一緒になりたい…?」
- 「ぽかぽかしてほしい」
バリエーション・呼称
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以下の記述には、ネタバレが含まれます。 |
作中の設定から、および『新世紀エヴァンゲリオン』関連作品の多様さから、「綾波レイ」と呼ばれる中にも設定が異なる多数のキャラクターが存在しており、またその呼称にも様々なものがある。
公式/非公式問わず、特定の呼ばれ方がある存在・呼称を列挙する。
- 二人目:テレビアニメ第壱話「使徒、襲来」で怪我をした姿で登場してから、第弐拾参話「涙」の中盤までに主に登場していた「綾波レイ」。後述の「三人目」の一つ前ということで作品ファンから「二人目」と表現されることがある。
- 一人目:テレビアニメ第弐拾壱話「ネルフ、誕生」での過去の出来事を映すパートにて登場した、碇ゲンドウが「知人の娘」として引き取った幼女「綾波レイ」。前述の「二人目」や後述の「三人目」の存在などを踏まえてファンから「一人目」と表現されることがある。
- 三人目:テレビアニメ第弐拾参話「涙」中盤以後から登場した「綾波レイ」。登場して間もなく碇シンジに語った「いいえ、知らないの。多分私は三人目だと思うから」という台詞から、ファンから「三人目」と表現されることがある。ただし同話の中で赤木リツコが「魂の入った入れ物はレイ、一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったのよ」と語っており、以上の「一人目」から「三人目」までの魂は同一のものとも解釈できる。「三人目」が「二人目」の感情を不明瞭ながら受け継いでいると思しき描写もある。
- リナレイ:テレビアニメ最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」のうち、みんなが平和な日常生活を送っている世界を描いたパートに登場した転校生「綾波レイ」。性格や言動が通常の「綾波レイ」とかなり異なり「かなりヤバイ、って感じだよねー!」などと元気よく声をあげる。その声色が、綾波レイと同じ「林原めぐみ」が声を当てている別のアニメのキャラ「リナ=インバース」のものに似ていたためファンから俗称として「リナレイ」と呼称されることがあった。
- 巨大綾波:旧劇場版の第26話『まごころを、君に』では、ネルフ本部地下の「リリス」が「三人目」の綾波レイを取り込み、綾波レイが巨大化したような姿に変貌する。この巨大な綾波レイの姿となったリリスが「巨大綾波」などと呼ばれることがある。
- ぷかぷかレイちゃん:2001年発売のPCゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画』のプロモーションの一環として、同作発売前からガイナックス公式ウェブサイト内に登場していたマスコットキャラクター。綾波レイを2頭身にディフォルメしたような姿で、LCLの水槽の中でぷかぷか浮かんでいる。妙な人気が出たらしく、このキャラクターをメインとした単独作品も展開された。
- ぽか波:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』での「碇君と一緒にいるとぽかぽかする 私も碇君にぽかぽかしてほしい」という台詞が印象的だったため、ファンの間で新劇場版『序』や『破』での「綾波レイ」がこう呼ばれることがある。
- ゼル波:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場する「第10の使徒」は、綾波レイを捕食吸収することによって女性の形質を得て、首から下を真っ白な女性の裸体のように変化させた形態へ変形する。この「第10の使徒」はテレビアニメ版の第14使徒「ゼルエル」に相当するものであるため、この形態はファンの間で「ゼル波」と呼ばれることがある。首から上は使徒の異形のままなので、実はさほど「綾波レイ」要素は強くないが。
- アヤナミレイ(仮称):『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』および『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で登場した「黒いプラグスーツを着た綾波レイ」を指す、公式グッズ展開などにおける呼称。上記のいわゆる「ぽか波」とは、外見はほぼ同様だが別の子。
- 黒波 / 黒レイ:上記の「アヤナミレイ(仮称)」を指す、ファン内での呼称。プラグスーツが黒いためだと思われる。
- アヤナミタイプ ナンバー6:同じく上記の「アヤナミレイ(仮称)」を指すと思われる、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で一回のみ冬月コウゾウの台詞に登場した呼称。
- アドバンスド・アヤナミシリーズ:『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で一回のみ冬月コウゾウの台詞に登場した名称。同時期に画面に映った綾波レイに類似した姿の存在を指すのかもしれないが、詳細不明。
影響
BUMP OF CHICKENのアルバム"FLAME VEIN"収録曲「アルエ」は藤原基央が綾波レイのイニシャル(R.A.)を曲名にし、レイをモティーフにした少女の歌である。
銀杏BOYZのアルバム"DOOR"収録楽曲「あの娘は綾波レイが好き」はGAINAXの許諾を貰っている。[9]
LUNA SEAのシングル"IN SILENCE"のC/W楽曲"Ray"は、原曲者のSUGIZOがエヴァファンのためか、彼女のために作られた曲という噂がある。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の架空の登場人物、雪代巴は作者和月伸宏が単行本でモティーフと成った綾波レイの影響を受けた事を述べている。
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共通性のある後発キャラクター
ネタでも「綾波レイは○○のパクリ」うぜえと言う人向け精神衛生維持用参考データ。煽り合いは止めて『ぽかぽか』が吉であろう。
- 大鳥居つばめ(おおとりい -):「アキハバラ電脳組」1998年初出
- CVが綾波レイと同じ林原めぐみ。無口、無表情、毒舌。青系ツインテール少女。シゴーニュ・ラスパイユがフランスから来日した時に連れて来た謎多き少女。花子金井ひばり達アキハバラ電脳組の敵対者・ライバルで有ったが…。
- 長門有希(ながと ゆき):「涼宮ハルヒシリーズ」2003年6月初出
- SOS団団長涼宮ハルヒ曰く、「SOS団に不可欠な無口キャラ」。大日本帝国海軍戦艦「長門」と同じ姓を持つ、紫系(紅紫~鳩羽色)ショートカットヘア、無口、無表情、高度な情報処理が得意な沈着冷静読書家女子高校生。涼宮ハルヒが望む「宇宙人」であり、涼宮ハルヒの周辺で起こる異変を察知した情報統合思念体が、異変を調査する為に製造し、派遣した人型プローブ、「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」である。キョンを信頼し、キョンには従順である。眼鏡を掛けていたが、ある切っ掛けで眼鏡を掛けなくなる。胸が控え目。
- 神野ナギ(じんの -):「魔界天使ジブリール -episode3-」2008年初出
- 天界が派遣した、「第六世代アンドロイド(ヒューマンインターフェイス)」。最新型人工生命体試作機"N.A.G.I"。青系(藍白)シャギーショートカットヘアと赤目、無口・冷静・無表情の少女。胸が無い。
共通性のある同期キャラクター
同期作品のキャラクターなので、単なる類似要素を持つ「ネタ被り」である。
- ヒイロ・ユイ:『新機動戦記ガンダムW』1995年4月初出
- 「お前を殺す」の台詞でお馴染みの主人公。暗殺された非武装非暴力主義宇宙コロニー指導者「ヒイロ・ユイ」の名前を引用したコードネームを持つ、国家組織に所属しない少年非正規兵。「ユイ=唯=数字の一」の意味を込めて制作側が命名した。MS(モビルスーツ)ガンダムパイロット。機密保持・任務遂行の為には自爆も厭わない。無口、無表情だが、兵士として感情を抑え付け表わさない習慣の反映である。
- ティファ・アディール:「機動新世紀ガンダムX」1996年4月初出
- 「機動新世紀」と言う作品名が営業戦略上の『新世紀エヴァンゲリオン』からの影響を伺わせる『ガンダムX』の無口・無表情少女。監督の高松信司は神秘的無口・無表情少女桜小路蛍の登場する1992年の作品『伝説の勇者ダ・ガーン』の演出チーフであり、桜小路蛍的ポジションを継いだのがティファ・アディールと言える。
- ホシノ・ルリ:「機動戦艦ナデシコ」1996年10月初出
- 愛称「ルリルリ」。「バカばっか」の台詞でお馴染みの無口、無表情、冷静な突っ込み担当の11歳青系(勿忘草色)ツインテール少女。シニカルな物の見方とさり気なく吐く毒舌、更にボケも厭わない、着ぐるみも似合う戦艦ナデシコの知性派オペレーター。アバンタイトル(プレタイトル/プロローグシーン)の淡々としたナレーションも担当。人工知性教育プログラムに育てられた。人工知性「オモイカネ」が親友。精神的成長に伴い性格が丸くなる。三年後を描いた続編の劇場版では主役の戦艦ナデシコB艦長になる。
共通性のある先発キャラクター
- 明日香麗(あすか れい):『勇者ライディーン』1975年4月初出
- 芯の強い神秘の霊感戦士ヒロイン。もう一人のヒロイン桜野マリを加えると「アスカ」「レイ」「マリ」が偶然揃う。
- 深井零(ふかい れい):『戦闘妖精・雪風』1979年11月初出
- 片思いを抱きつつ、無口、無反応、無感動、機械の如き冷静沈着な兵士。正体不明の敵から人類を防衛する超国家軍隊組織FAF所属、制御の及ばない独立意思を持つ人工知性戦闘兵器「雪風」パイロット。 但し、男性である。
- 火野レイ(ひの -):『美少女戦士セーラームーン』1992年3月初出
- 火川神社の霊感巫女。芯の強いセーラー戦士『セーラーマーズ』に変身する。セーラームーンファンの庵野秀明監督がblog記事でレイの名前の由来として挙げた。[10]
関連項目
- GAINAX / 新世紀エヴァンゲリオン
- カラー (アニメ制作会社) / ヱヴァンゲリヲン新劇場版
- リナレイ
- LRS
- ぽかぽか動画
- 相田ケンスケ
- 青葉シゲル
- 赤木リツコ
- 碇ゲンドウ
- 碇シンジ
- 碇ユイ
- 伊吹マヤ
- 加持リョウジ
- 葛城ミサト
- キール・ローレンツ
- 北上ミドリ
- 左様の人
- 鈴原サクラ
- 鈴原トウジ
- 惣流・アスカ・ラングレー
- 時田シロウ
- 渚カヲル
- 日向マコト
- 冬月コウゾウ
- 洞木ヒカリ
- 真希波・マリ・イラストリアス
- 山岸マユミ
- 庵野秀明
- 貞本義行
- 筋肉少女帯 / 大槻ケンヂ
- セーラームーン / 火野レイ
- 綾波
- 月に囚われた男
- アルエ / 藤原基央
- 無口
- 無表情
- 包帯
- 林原めぐみ
- 新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画
- 滝本竜彦
脚注
- *赤目は青髪と併せてゲーム化時ドット絵キャラクターに成っても「綾波レイ」と簡単に判別出来る様にとのデザイン的配慮である。
- *ファースト・チャイルドに非ず。
- *サウンドトラック「NEON GENESIS EVANGELION 2」「エヴァンゲリオン THE BIRTHDAY OF Rei AYANAMI」「NEON GENESIS EVANGELION S2 WORKS」に収録されている。
- *痛いニュース(ノ∀`):【論説】「綾波レイに思いを寄せる男性は日本中に100万人はいるだろう」…日経・春秋
- *矢野顕子の1984年のアルバム『オーエスオーエス』収録曲、『ラーメンたべたい』の歌詞はラーメンの注文をチャーシュー、なると抜き、ねぎとにんにくを山盛りにする。関連性は不明。
- *綾波カップラーメン500円 「大好評につき、品切れ中です」 - アキバBlog
- *ローソン、ヱヴァンゲリヲンとのコラボで『にんにくラーメンチャーシューぬき』など発売
- *ビデオ「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0 IN THE BEGINNING」貞本義行インタビュー
- *ドラム缶ココロジー2:イェーイ!どんくんです♪って猿が昔NHK教育の歌番組にいたよね
"銀杏の敏腕マネージャーの江口くんがGAINAXって会社(かなり有名らしいよ)に電話して真面目な取り次ぎ相手に『頭がパーだから 頭がパーだから 誰とでも寝るんだ 誰とでもやるんだ 僕にまたがってくる やらしい顔して腰をふる あの娘は綾波レイが好き♪あの娘は綾波レイが好き♪』なんて卑猥な歌詞を読み上げ『使っていいですか?』許可取ったんだって。さすがは敏腕マネージャーです。"
- *複数の由来を持つ複雑なキャラクターに付いて詳細な説明が憚れる時に、端的な要素を持つキャラクターを挙げて全てそのキャラクター由来にしてしまうと言う監督の合理的解決策と推察される。[要出典]
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