編曲とは、音楽制作上必要となる「工程」を指す音楽用語である。
概要
端的に言えば、楽曲の主旋律(メロディ)を作る事が「作曲」、それ以外の音を作る事が「編曲」。
従ってこれも端的に言えば、世に出ているほとんどの楽曲は、「作曲」ののちに「編曲」が施されている。
一方で「編曲」の工程は、楽曲によって大きな違いがある。ちなみに作曲者と編曲者が同じである場合、「編曲」というクレジットは省略されることが多かった。
楽曲を完成させる工程
歌の場合、作曲者による主旋律(コード進行)に詞が乗った後の工程である。楽曲のコンセプトをもとに演奏の編成を考え、リズム・ベース・バッキング・コーラス・エフェクト等を補い、楽曲として構築してゆく。楽器の数の多いor少ない、生音or打ち込み、速度など様々な要素を吟味し選択するため、編曲者は相当な知識・理論・経験が必要になる。
逆にこうした制作過程を取る楽曲では、作曲者に音楽知識が無く鼻歌で主旋律のみを提出する形でも差支えない(チャップリンの映画音楽等)。歌手でも作曲者でも、案外楽譜が読めず書けない人は多いのだが、経験豊富な編曲者とエンジニアがちゃんとした楽曲に仕上げてくれる。
作曲者に必要な知識・理論・経験がそろっていれば、そもそも編曲者と分担する理由が無くなる。作曲者は主旋律・コード進行を考えながら同時に編成なども検討しつつ作曲(+編曲)を進める、という工程になる。
演奏形態を変更する工程
すでに完成している楽曲を、演奏条件等に応じて改める工程で、一般に「編曲」と認識される工程はこちらと推測される。コード進行の変更や移調などもそうした工程の一つである。
演奏形態によっては、音や楽器を「減らす」ことがあり、必要な主旋律の変更などをおこなうこともある。
その他
ニコ動界隈でよく見かける既存楽曲の再構築はいってみれば「再編曲」ともいえるが、言葉的には「アレンジ」「リアレンジ」「リミックス」という表現の方が馴染んでいる感がある。
編曲は作曲に比べて一定のパターンが存在することなどから、既存の曲をベースに作られることも多い。素人目にはパクリと思われることも少なくないが、雰囲気の類似を以って著作者侵害と解釈されることは通常ない。ただし、編曲された楽曲の二次使用については作曲者と同様編曲者にも著作権が認められており、編曲者に無断でさらなる編曲を行い対価を得ることは著作者侵害となる。
関連項目
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