概要
札幌市豊平区の小高い丘に位置し、札幌市街を展望することができる。すぐ近くに市街地があるので美瑛のような雄大な大自然を期待しているとがっかりするかも知れないが、とても見晴らしが良く、北海道らしい開放感を感じられる場所である。また、市街地の手前にある牧草地では、名前のとおり羊の放牧を見ることができる(時期によっては見れないこともある)。
展望台に立つ右手を上げたクラーク像は、クラーク博士の言葉“Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)”と併せてあまりにも有名。しかし、その建立の歴史は意外と新しく、1976年にクラーク博士来道100年・アメリカ合衆国建国200年に合わせて彫刻家・坂坦道氏によって制作された。右手を上げるポーズは「遥か彼方にある永遠の真理」を指しているとされる。
羊ヶ丘にクラーク像が建立される以前は北海道大学にあるクラーク胸像が有名であった。そのためかは不明だが、観光客の中にはクラークの全身像が羊ヶ丘にあることを知らず、間違って北海道大学に来てしまう人もいる。もし大学構内で「あの有名な右手を上げているクラーク像ってどこにあるんですか?」と聞かれたら、正しい場所を教えてあげよう。
沿革
現在羊ヶ丘展望台のある羊ヶ丘地区には、戦前「農商務省月寒種羊場」が研究施設として設置されていた。最盛期には2000頭以上の羊が飼育され、その頃から見学客が訪れていたという。その後次第に見学客の数が増えてくると、本来の目的である研究成果に支障を及ぼすとして、やむなく入場を一時制限することとなった。
しかし、観光産業への影響を懸念した関係自治体や観光関係団体と協議を重ねた結果、札幌観光協会が運営・管理する形で敷地の一部を解放することで決着。こうして1959年、北海道農業試験場(現北海道農業研究センター)の一角に羊ヶ丘展望台がオープンするに至ったのである。
施設
- クラーク博士像
- 羊ヶ丘レストハウス
- ジンギスカン等を提供している札幌グランドホテル直営のレストラン。
- オーストリア館
- お土産を取り扱う観光物産店と、ソフトクリームなどを販売する軽食カウンターを兼ねる。また、プリクラ発祥の店といわれる「おもしろ写真館」がある。
- さっぽろ雪まつり資料館
- さっぽろ雪まつりの歴史をパネル・雪像模型などで展示している。
- クラークチャペル
- 札幌ブランバーチ・チャペル
- 結婚式場として使われる施設。
- 羊ヶ丘ほっと足湯
- 道内各地の温泉水を利用した足湯。
- 「恋の町札幌」歌謡碑
- 「恋の町札幌」の譜面と歌詞が刻まれた碑。上には作曲家の浜口庫之助と、歌手の石原裕次郎の銅像がある。
- 北海道日本ハムファイターズ誕生記念碑
- 北海道日本ハムファイターズとしての初めての開幕戦にベンチ入りした選手・監督・コーチらの手形とサインの入ったレリーフが埋め込まれている。
- 旅立ちの鐘
- 羊小屋
- 羊が放牧されていないときは、ここで飼育されていることもある。
入場料金
一般料金 | 30人以上の団体料金 | |
---|---|---|
大人 | 500円 | 450円 |
小・中学生 | 300円 | 270円 |
未就学児童 | 無料 | 無料 |
- 障害者手帳を持っている場合は、入場時に提示すると入場料が無料になる。ただし、10人以上の多人数の場合は、事前に所定の用紙による申請が必要。
- 札幌市内の小中学生の校外活動の一環として羊ヶ丘展望台を利用する場合、所定の用紙で14日前までに申請すれば入場料が無料になる。
- 発行から一年間、購入した本人に限り展望台への出入りが自由になる「年間パスポート」も販売されている。料金は1000円。特典として「年間パスポート所持者の同行者の入場料が10%割引」「レストハウスを利用した際の飲食料金が10%割引」などがある。
営業時間
年中無休での営業だが、シーズンによって営業時間が異なるので注意。
営業時間 | 施設営業時間 | |||
---|---|---|---|---|
レストハウス | テイクアウトコーナー/売店 雪まつり資料館 |
羊ヶ丘ほっと足湯 | ||
10月~4月 | 9:00~17:00 | 11:00~15:00 | 9:00~17:00 | 10:00~16:00 |
5月~6月 | 8:30~18:00 | 11:00~17:00 | 8:30~18:00 | 9:00~17:30 |
7月~9月 | 8:30~19:00 | 11:00~19:00 | 8:30~19:00 | 9:00~18:30 |
アクセス
公共交通機関利用の場合
近くに鉄道駅がないため、公共交通機関利用の場合はバスを利用するのが便利。羊ヶ丘展望台の敷地内に直接乗り入れているバス路線は中央バスの福84・羊ヶ丘線と、同じく中央バスの89・羊ヶ丘線とがある。前者は地下鉄東豊線福住駅から毎時2~3本ペースで運行され、シーズンにより臨時で羊ヶ丘展望台に発着する便もある。後者は札幌駅から地下鉄中の島駅・平岸駅などを経由して毎時1本ペースで出ているが、4月1日~11月30日のみの運行である。
なおいずれの場合も、展望台の敷地に入る直前で係員がバスに乗り込み、バス料金とは別に入場料を徴収する。
公共交通機関を利用しない場合
敷地内に自家用車150台分の広さの駐車場があるほか、駐輪場も用意されている。自動車・自転車いずれの場合も札幌ドームやミュンヘン大橋などを目印にすると比較的わかりやすいルートになると思われる。
豊平区、特に羊ヶ丘周辺は地形の起伏に富んでいるため、自転車での訪問は体力的に少々大変かも知れない。まぁ頑張れ。
関連動画
関連静画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 北海道 / 札幌市
- 札幌ドーム(展望台からよく見える)
- ウィリアム・スミス・クラーク(全身像のモデルの人)
- 観光スポットおよび祭り・イベントの一覧
外部リンク
- さっぽろ羊ヶ丘展望台オフィシャルサイト
- 北海道中央バス
(バスでの訪問の際に参考にしていただきたい)
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