美大落ちとは、美術大学の受験を失敗すること、失敗した人のことである。
概要
世界で最初の美大は1563年にイタリア・フィレンツェで作られた絵画アカデミーとされ、日本でも1880年の京都市立芸術大学を皮切りに今では30校以上の美大・美術短大が存在する。また日本大学など、有名な芸術系学部を設置する大学も数多い。しかし、やはりいわゆる“美大”と言われるのは、音楽系など含む“芸術大学”とも区別される、純粋な美術系の四年制大学のことである。こうした美大は難易度も高めであることが多く、自分のレベルに合わせて色々な大学を選べる普通の大学受験と比べて“美大落ち”が発生しやすい所以である。
むろん現代ほど美大が多くなかった時代には今以上に美大の受験は難関であり、相当な努力をしながら受験に失敗、別の進路を選ぶ者も少なくなかった。こうした“美大落ち”の中で最も有名であるのがアドルフ・ヒトラーであろう。彼が行った数々の「悪行(?)」ゆえ、この“美大落ち”の過去はしばしば揶揄するため使われる。また彼はこうした経緯から劣等感を抱き、大ドイツの復活などに夢を託してしまったのではないかといった分析に使われることもある。またこのとき美大に合格していれば、稀代の独裁者は誕生しなかったとする声も散見される。美大に落ちた事が歴史のターニングポイントになったのは、後にも先にもヒトラーの例くらいである。面接で人物画を要求されているのに、何故か風景画を持ってきた点もよくネタにされる。
現代の美大の多くは「学科試験」と「実技試験」の両方があり、美術専門の美大予備校も全国に存在する。学科試験よりも実技試験を重視する傾向が強く、“美大落ち”は基本的に実技試験の成績が悪かった者だと考えて良いであろう。だが、学科試験の最低基準値に達しない場合は仮に実技が満点であっても不合格になることがあるようだ。
関連項目
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