聖女(せいじょ)とは、宗教や、それぞれの時代によって意味合いが若干異なるが、主に神聖な事を成し遂げた女性を指す言葉であり尊称・称号として使われる。聖人と同義。
概要
それぞれの社会に宗教的に熱心であり、神の恩寵を受けて奇跡を成し遂げたとされたり、社会弱者に対して大きく功を成した神聖で高潔な女性を指して呼ぶ言葉である。
宗教とは無関係に、「慈愛に満ちた女性」を指して形容し、賞賛したりする例も見られる。
フィクション上の聖女
上記と同義で使用されることもあるが、主に「邪悪を聖なる力で浄化・退治する能力」、あるいは「怪我や病気に苦しむ人々を聖なる力で癒やす能力」などの持ち主として描かれる。
ファンタジー作品では神々が実在し、その奇跡が身近な事が多い。職業としての僧侶やシスターは神の奇跡の力を使用しての神聖魔法に長けていることが多く、その中でも群を抜いて強い力を持つ女性が聖女と呼ばれる。
一方、現実世界と同様に、慈愛に満ちた女性を指して聖女と呼ぶ使い方もやはり多い。だが前述の回復魔法を使うシスターとは「癒し」という点で重なることが多いため、女性僧侶・シスターは特に聖女と呼ばれやすい。
悪堕ち・闇落ちする聖女
聖女は尊い存在として描かれるが、それがゆえにそれが悪堕ち・闇落ちした姿というのもまた魅力的である。
その原因は聖女に対する裏切であることが多く、神への信仰を捨て去り、かつての慈愛溢れる姿とはかけ離れ、救うべき対象を蹂躙する堕ちた聖女というのは実にギャップ萌えする存在である。
性的対象としての聖女
悪堕ち・闇落ちと同じく、聖女とは尊い存在であるがゆえにそれを穢したいという性的対象にもなってしまう。
聖職者という立場ゆえに性に対しては禁欲的であることが求められるというのは創作の中でも多く、性的知識・性的経験に乏しい聖女を好き勝手したいという創作は一定数存在する。
その一方であえて聖女に性的な格好・志向をさせる場合もあり、これもまたギャップによるミスマッチねらいである。場合によっては「性女」という不名誉な呼ばれ方もしてしまう。「このおっぱいで聖女は無理でしょ」などの記事も参照。
なろう作品での聖女
近年では小説家になろう作品において多用される。
一代限りの聖女、世襲制の聖女、修行を積んでなる聖女など様々なパターンがあり、一国または全世界において崇拝される対象となる。主に5 ~ 30歳までの女性が聖女とされていることが多い。
また、物語の世界の女性が聖女となるとは限らず、異界(異世界おもに地球の日本)から何らかの形で召喚された女性が聖女として崇拝される場合もあり、異世界転生とセットで地球から転生した主人公が聖女になる例もある。
聖女を召喚するつもりが儀式に失敗して無関係の女性が聖女と共に召喚されたりもする。この場合、無関係な女性は国外追放か死刑にされる悲惨な結末が待っていることもある。その一方、召喚者が間違えて召喚した女性に対して償いの意味で生活が出来るように計らい、召喚された世界で懸命に生きていく道を選ぶ選択肢もある。
ときに聖女は崇拝されると同時に脅威や厄介払いの道具として扱われる。その場合、聖女が脅威を取り払い、救いに対して尽力したにもかかわらず、適当な理由をつけて悪者扱いして国外追放か死刑にされる悲惨な末路が待っている。その逆に、英雄として後世にまで名を残すことができた聖女も存在する。
また聖女の肩書きを悪用して傍若無人と化す悪聖女なるものもいたり、本物の聖女を追放する口実をつくるために偽物を連れてきて本物の聖女を国外追放・強制的に僧籍(シスター など)に入れる。・死刑(公開処刑も含む。)にする物語もある。
偽物(魔族や国の乗っ取りを企む勢力)に唆されて、本物の聖女を国外追放・強制的に僧籍(シスター など)に入れる。・死刑(公開処刑も含む。)にする物語というのもある。
聖女と呼ばれる人物
※ 特に有名なものを挙げるが、キリスト教の聖女は他にも多く存在する。
- ジャンヌ・ダルク
- 15世紀(日本の時代区分では室町時代中期)のフランス王国(現・フランス共和国)の軍人でフランスの国民的女性。英仏百年戦争において活躍し、救国に尽力したが魔女裁判で火あぶりの刑の判決を受けて大衆が見守る中、公開処刑された。死後、489年後の1920年に聖女に列し、名誉を回復した。
- 詳細は「ジャンヌ・ダルク」の記事参照。
- マザー・テレサ
- 20世紀にインドで貧しい人々に施しを続けた女性。死後6年での列福、死後19年の列聖は異例の速さである。
聖女と呼ばれる創作キャラクター
- カタリナ・クラエス
- ライトノベル『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』に登場するキャラクター。
- 公爵家という高貴な生まれでありながら周囲に対して身分にとらわれず分け隔てなく接し、気付かぬうちに悩みを解消してしまう事から聖女と呼ばれているが、本人にはその自覚は無い。
- 佐倉杏子
- アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場するキャラクター。
- 現代に生きる魔法少女であるが、宗教家の父を持ち、仲間を救うために自己犠牲をいとわないなどの行動から「杏子ちゃんマジ聖女」と言われることがある。
- ジャンヌ・ダルクモチーフのキャラクター全般
- 前述のジャンヌ・ダルクをモチーフにしたキャラクターは全般的に聖女という扱いを受けることが多い。
- 該当するキャラクターは多数存在するので、ここで一人一人は取り上げない。詳細は「ジャンヌ・ダルク」の記事の【ジャンヌに由来する作品・名称】の項を参照。
- 聖女イリス
- ブラウザゲーム『千年戦争アイギス』に登場するキャラクター。
- マルタ(Fate/Grand Order)
- 新約聖書の聖女マルタ本人。竜を調伏したという逸話から調伏した竜を従えて登場するが、水着に着替えた際の戦闘方法は素手による打撃が目立つという暴力系聖女になっている。
- リシュリュー(アズールレーン)
- ブラウザゲーム『アズールレーン』に登場するキャラクター。
- KAN-SENという超常の存在でありながら祖国では聖女として扱われているという。
関連動画
関連静画
関連項目
聖女がタイトルに含まれる作品
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