聖遺物とは、宗教の開祖や聖人の肉体の一部や、彼らに強く関連した遺物でその宗教において重要視されている品々の事である。特にキリスト教におけるイエス・キリストの遺物、もしくは聖人の遺物をさしていう事が多い。しかしその他の宗教(例えばイスラム教など)でも類似のものは存在しており、同じく日本語で聖遺物と表現される事がある。
概要
簡単に言えばすごい、とされた人の遺品なのだが、なにせすごいとされた人だけあってその死後も遺品にパワーが宿るらしく奇蹟を起こすとされていることが多い。
所持していれば宗教的な箔がつくので、偽物もいっぱい有ると言われる。どれが本物なのか未だに議論される事もある。
また、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの所謂「アブラハムの宗教」では基本的に偶像崇拝を禁じているので、それらの宗教ではこれらを崇敬する事を疑問視する意見もある。さらに、そういった意見に対する反論なども神学著作などで論じられている。
そういった神学著作を読むのは面倒だ、という人のために簡単に説明すると、
A:「偶像崇拝だろ?」
B:「ちがうよ、窓だよ」
A:「わけわかめ」
B:「人間が簡単に神様見えたら神様の価値暴落するから神様が人間のために用意した明り取りみたいなもんだ」
A:「全く意味が分らん」
と言う感じなのだ。
代表的聖遺物
キリストが磔にされた際に使用された十字架。世界中に破片があるが、それを全て合わせるとキリストの身長がウルトラマンぐらいあったことが分る。さすが世界宗教を作った人といえるデカさである。
聖骸布
キリストが昇天して十字架から下ろされた際に彼を包んだ布。トリノほか多数の教会に聖骸布とされているものがある。さすがデカイだけあって布もいっぱい必要だったということであろう。また、Fate/hollow ataraxiaのヒロインカレン・オルテンシアが使用している布としても一部で有名。
聖釘
キリストを磔刑にしたときに彼の手足を打ち付けた際に使用された釘。聖書から見ると3本のはずなのだが、世界中に50本以上あるらしい。さすがデカイだけあって手もでかかった様だ。あるいはリアル千手観音。HELLSINGに登場するアレクサンド・アンデルセン神父が自分の心臓にぶっ刺したことで有名。
所謂ロンギヌスの槍。キリストの右わき腹を刺した。第一回十字軍のとき、アンティオキアの教会からそれらしきモノをみつけたと主張した人もいたが、残念な結末を迎えた(詳細は「第一回十字軍」の記事を開いて「下賎な農民」でページ内検索してみよう)。エヴァンゲリオンでも登場する。こちらではやたらデカイ。やはりデカイだけあって槍もデカイ必要性があったようだ。ということはそれを使うロンギヌスもデカかったと言うことか…。
キリストが最後の晩餐で使用したとされる杯。いろんなゲーム、映画、物語に登場する。
聖外套
ムハンマドが身につけていたといわれるマントというか羽織物。何枚かあるようだが、最も有名なものはトルコのイスタンブールにあるトプカプ宮殿に至宝として保管されている。このトプカプ宮殿には他にもムハンマドの剣、弓、歯、ヒゲなどが収められている。
聖軍旗
ムハンマドが使用していたとされる軍旗。こちらもトプカプ宮殿の至宝のひとつ。オスマン帝国の皇帝は戦場に出るときにこの軍旗を使用し、兵たちの士気を高めたと言う。
仏舎利
ブッダの骨。骨を収めた入れ物の前で祝福したものまで「仏舎利としてみなす」という事を行ったため、どれが本物なのかわからん事になっている。しかも、ブッダの死後数百年してまだそこそこ形が残っているころに、「少しでもたくさんの寺に分け与えたい」と考えた当時の王さまがほとんど粉になるまで細分して各地に配った、という記録があるらしい。よって、たとえ本物だったとしても砂粒程度の可能性が高い。
偽者、トンデモ聖遺物
仏教では上記の仏舎利と言うものがあるが、キリスト教ではキリストは復活したことになっているので骨が無い。はず。
どっかの教会で聖遺物とされているもので、なんと死後2000年以上たった今も凝固していない。振ると液体に戻るという優れもの。
(>>1氏指摘により修正)ナポリ大聖堂の聖ヤヌアリウスのものとされる血液。振ると液化するもの。科学的には水酸化鉄を使ったコロイド溶液で振動を加えると液化するものと推定されている。また、当時の技術で作成可能とのこと。記事主、猛省。
聖母マリアのおっぱいを吸っていたキリストの口からこぼれたとされる一滴の母乳が存在する。・・・冷静になって考えろよ、といいたいところだが、信じるとはそういうものなのかもしれない。
スリランカにある英語での通称「アダムスピーク」という山に足跡っぽいくぼみがある岩があり、「アダムの足跡」として崇められている。ついでにブッダの足跡としても崇められている。かと思えばシヴァ神の足跡としても崇められている。いやいや使徒トマスの足跡としても崇められている。もう何が何やら・・・。
果ては「エチオピアの女王カンダケの宦官」の足跡だと言ってる人も居るとか。新約聖書の使徒言行録8章に出てきて、洗礼を受けて喜んでた彼である。異邦人で、しかも旧約聖書で「お前はダメだよ」と言われちゃってる去勢された人でも、キリストの福音は伝えられる!という事を示す大事なエピソードではある。のだが、ぶっちゃけ影が薄いと言うか、うっかりするとキリスト教徒でも「えっと・・・誰だっけそれ」と言っちゃいそうなマイナーな人である。
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