概要
1935年11月15日生まれ。鹿児島県鹿児島市出身。本名は「肝付兼正(きもつき かねまさ)」。戦国大名肝付兼続を代表とする大隅地方の有力豪族肝付氏の末裔と云われる。
アニメ黎明期から活動している大御所・ベテランの1人。
少々しゃがれた感じの独特の声色が特徴だが、中年や老人役のみならず少年役、はたまた非人間(動物、機械の声)の役まで様々な役柄をこなせる。
素顔は冗談が大好きなひょうきん者で、アドリブをきかせるコメディリリーフ的ポジションで存在感を発揮した。「何でもないセリフでも、肝さんがしゃべると面白い。ホラーマンが『ホラ~』と言うだけでおかしい」(山寺宏一談)
1983年に劇団21世紀FOXを設立、以後同劇団の主宰を務める。
声優業を務める傍ら、東京アニメーター学院にて声優科の講師を務めたほか、「ドラえもん」で長年共演した盟友・たてかべ和也氏と共に若手・後進の育成に尽力している(後述)。
ちなみに同じ九州出身の声優である山口勝平(福岡県)の師匠でもあり、山口勝平という芸名も彼が命名した。(弟子入りした際の山口は福岡なまりが残っていたため、「いなかっぺ」をもじってつけた。字は山口自身で当てたもの)
2010年ごろから、声優の高齢化や訃報といった話題が度々上るためか、一部では市川治氏や田の中勇氏らと共に死去したというデマが流れた事もあったが、亡くなる直前まで精力的に声優として活動を続けていた。
スネ夫とジャイアン
肝付氏といえば言わずとしれた「ドラえもん」の脇役「骨川スネ夫」の人として有名であろう。テレビ朝日にて1979年の放送開始以来、2005年に番組を降板するまで26年に渡って骨川スネ夫を演じた。キャストの高齢化故に、2005年3月を以って役を降板するのだが、その後フジテレビの番組「トリビアの泉」の影ナレーションでスネ夫として出演した事がある。実はテレ朝版の前に短期間放送されていた日本テレビ版においてはジャイアン役だったりする。
非常に幅広いキャラクターを演じているが、スネ夫や、「おそ松くん」のイヤミなどから、皮肉屋・シニカルだがどこか憎めないキャラ、というイメージが強い。またドラえもん以外にも、「21エモン」「忍者ハットリくん」「怪物くん」「パーマン」「キテレツ大百科」などの作品にも出演しているため、「藤子不二雄作品には欠かせないキャスト」とも言われる。「オバケのQ太郎」のゴジラ役が藤子不二雄の2人に気に入られたのがきっかけで、以降の藤子アニメには必ずお呼びがかかるようになったという。
同番組にてスネ夫とジャイアン役でそれぞれ共演していたたてかべ和也氏とは、プライベートでは50年以上に渡って親交のある仲で、お互い協力し合いながら二人三脚の体勢で若手の育成にあたっており、70歳を超えた現在もなお多方面で精力的に活動してきた。たてかべが2015年6月に他界し、通夜の弔辞の際、スネ夫の口調で「ジャイアーン、ジャイアンのくせになぜ先に逝っちゃうんだよ」と別れを惜しんだ他、告別式の弔辞で感謝の念を述べた後、最後ははやはりスネ夫の声で「ジャイアーン!」と絶叫して締めくくったという。
スネ夫というキャラクターがニコニコ動画でも不動の人気を確立しているのは、当記事をご覧の皆様もご存知の通り。
主な出演作品
- おそ松くん(イヤミ)※第2作
- 怪物くん(ドラキュラ)
- 元祖天才バカボン(おまわりさん)
- キテレツ大百科(苅野勉三、唐倶利武者など)
- 銀河英雄伝説(ホワン・ルイ)
- 銀河鉄道999(車掌)
- 勝負師伝説 哲也(根津)
- それいけ!アンパンマン(ホラーマン)
- ドカベン(殿馬一人)
- トムとジェリー(トム)
- ドラえもん(ジャイアン)※日本テレビ版
- ドラえもん(骨川スネ夫)※テレビ朝日版初代、日本テレビ版を含めると2代目。2005年以降は関智一が3代目を務める。
- 21エモン(オナベ、ササヤマ星人)
- にこにこぷん(じゃじゃまる)
- 忍者ハットリくん(ケムマキケムゾウ)
- ハウス・オブ・マウス(ジミニー・クリケット)
- パラソルヘンべえ(トンべえ)
- ピノキオ(ジミニー・クリケット)*再公開版
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関連動画
関連項目
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