背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~とは、『週刊少年ジャンプ』で2015年24号から2017年11号まで連載されていた漫画である。
概要
作者は「オナニーマスター黒沢」や「戦闘破壊学園ダンゲロス(原作:架神恭介)」の横田卓馬。2011年46号には読み切り版である「競技ダンス部へようこそ」が掲載された。
背が小さく、少しだけ女の子が苦手な主人公「土屋雅春」(通称つっちー)が、ちょっとした下心とアクシデントにより入部した競技ダンス部で、ヒロイン「亘理英里」(通称わたりちゃん)を始めとする多くの個性的なメンバーと織りなす青春部活ストーリー。
つっちー&わたりちゃんが競技ダンスを通じて控えめながら徐々に絆を深めていくほのぼのとした青春模様を描く癒し系漫画。少人数ながら非常に個性の強い先輩たちとの部活動の様子や、クラスメイト達との文化祭の様子など、「楽しい学校生活」が魅力的に描かれている。
※余談だが、文化祭編時『楽しい文化祭の様子を描いてくれ』と言われたアシスタントが『先生そんなの知りません』と答えたところ、横田先生に『僕も知りません』と返されたとかなんとか。
現在9巻まで発売中。
1,2巻は二ヵ月連続発刊となっており、1巻は発売2日後に即重版が決まった。
高年齢層の読者の中には、本作を読んで「ウリナリ芸能人社交ダンス部」を連想した人も多いのではないだろうか?それもそのはず、そもそも本作は作者の横田が社交ダンス部を漫画にしたいという想いから描かれているものなのである。
横田の持つ「競技ダンス」「社交ダンス」のイメージはナンチャンや天野くんが踊っていた姿がそのまま反映されているため、笑いあり・涙ありで楽しく踊っている様が強調されている。
またダンス以外にも番組構成も含めて大好きで表現したかったと語っており、初心者だったつっちー&わたりちゃんが成長し本番で踊る姿を全力で応援するひらりん達の姿は、確かに社交ダンス部の本番の様子を彷彿とさせる。
ちなみにタイトルである「背すじをピン!と」は、担当から出された案の中で絶妙にダサかったやつから選んだとのこと。
あらすじ
鹿鳴館高校に入学したつっちーは、部活紹介での競技ダンス部の演技に心を奪われる。興味と下心から友人たちと競技ダンス部に体験入部に参加したつっちーだが、土井垣部長のド迫力に友人を含めた男子全員が逃げ出してしまう。
逃げ遅れたつっちーはその場に残っていたわたりと二人で競技ダンス部に体験入部。ダンスの楽しさを知った二人はそのまま共に入部した。個性豊かな先輩たちと共に、青春競技ダンスストーリーが幕を開ける。
登場人物
鹿高競技ダンス部
一年生
- 土屋 雅春(つちや まさはる)
主人公。背が小さく、なで肩体型の少年。国公立クラスの六組所属。通称つっちー。=◇=
緊張すると手汗をびっちょりかく体質で、過去に好きな女の子にその点を指摘されプチトラウマになっている。
ダンス経験は全く無し。ダンス部に入部したのもほぼなりゆきだったが、競技ダンスに触れたことでその楽しさを知り、パートナーであるわたりとともにダンスにのめり込んでゆく。
中学時代は適当に選んだ文化部で適当に過ごしていたらしく、わたりより基礎体力がないもやし。
スタンダードダンサー。まだ得意とするダンスはないが、クイックステップは見る方も楽しくなるくらい楽しそうに踊る。
どこぞの無個性主人公同様変なTシャツをよく着ている。わたりちゃんお気に入りのブサパンダTシャツは¥3,200。 - 亘理 英里(わたり えり)
ヒロイン。リーダーであるつっちーよりもさらに小さい女の子。四組所属。通称わたりちゃん。
この漫画のメイン癒し成分。
常に漫画汗を飛ばし、「えへへえへ」と笑っている子。優しく控えめな性格だが、周りに流されずに自分の意志を持って行動する芯の強さも持ち、影でしっかり練習する努力家でもある。つっちーを呼ぶときは袖をくいくいと引っ張る。
過去の出来事が原因で自分に自信がなく、ダンス部には自信をつけるため入部した。ダンス経験は無し。
実はつっちーと最寄駅が同じで、同じ公園で練習できる程度の距離に住んでいる。
どうやらパンダが好きらしく、つっちーのブサパンダTシャツを気に入ったり、文化祭の案にパンダ喫茶なるものを提案したりしている。 - 藤田 ひらり(ふじた ひらり)
文化祭でのつっちー&わたりのダンスに感化され、一足遅れて入部した女の子。
現在八巻と(一応)パートナーを組んでいるスタンダードダンサー。
実は体験入部にも参加しており、STEP3でもちらっと登場している。わたりと同じ四組に所属。
通称ひらりん。本人的には苗字で呼んでほしいようだが、そんな彼女の思いと裏腹にほぼ全員名前の方を拾っていった。(例外としてつっちーだけは『藤田さん』と苗字で呼んでいる。)感情表現の豊かな子で、15歳の女の子にありがちな妙なテンションの持ち主。
わたりほどちんまいわけでもなく、先輩方程発達しているわけでもない、まさに中肉中背といった普通の体型。
なお他メンバーの競技中は妙なノリで実況を務めたり一生懸命応援したりしている。
二年生
- 八巻 章(やまき しょう)
金髪のイケメン。基本的には苗字で呼ばれるが、パートナーである秋子には名前で呼ばれている。一組所属。
相方曰く「女の子なら見境なしな最低男」。スケベ目的で競技ダンス部に入り、かっこよさのためだけに生きるとても清々しい人。しかしそこにかける情熱は凄まじく、ダンス歴わずか1年ちょっとで大会に優勝するなど高い成績を残しており、秋子共々多くの経験者から一目置かれている。
パートナーである秋子とは常に喧嘩ばかりしているが、いざダンスとなると非常に息の合った動きを見せる喧嘩カップル。
ラテンダンサー。チャチャチャ・パソドブレは得意だが、ルンバは苦手(本人曰く100%相方のせい)。また、「オールジャパン・ジュニアダンス・スポーツカップ編」からは、ひらりんをパートナーにしてスタンダードダンサーとしても出場している。
後輩であるつっちーには厳しめの態度で接するも、なんだかんだできちんと指導したり、発破をかけたりと非常に面倒見がいい兄貴的存在。ひらりんの実況にも相方とノリノリで解説に参加している。
ちなみに金髪は染めているだけなので、一年次は普通に黒髪だった。また、秋子共々進級ギリギリで補習を受ける程度の成績らしい。 - 椿 秋子(つばき あきこ)
後ろ髪をアップで纏めたナイスバディなお姉さん。八巻と同じく一組所属。
相方曰く「脊髄反射で生きてる女」。非常にはっきりとした性格で、心無い野次に真っ向から反論する胆力を持っている。クラス準備でサボってる男子を容赦なく叱るため、クラスでも頼りにされている。
活発な性格だが涙もろい一面もあり、わたりの最初の試合、そして二回目の試合を観戦したときはどちらも涙を浮かべている。また一度凹むとたんにしおらしくなり、涙をボロボロ流すという普段からは考えられない状態になる。
空手を習得しており、八巻に非常にキレのいい蹴りを繰り出している他、ダンスにも取り入れている。
羞恥心が非常に薄く、露出度が高い衣装を好んで着るほか、着替えやパンチラを見られることにも特に何も感じないらしい(パンチラは本人曰くセルフサービス)。
三年生
- 土井垣 真澄(どいがき ますみ)
鹿高競技ダンス部部長。部の創設者でもあり、あらゆる方面でダンス部を支える大黒柱。七組所属。
茶髪アフロ・たらこ唇・ケツ顎・高身長マッチョボディ・オネエ口調と濃すぎる属性フルコースてんこ盛り状態のキャラクター。姉が5人もいる環境で育ったためオネエ口調になっているが、口調だけで実際にオネエというわけではないらしい。また少なくても14歳時点までは「ときどきオネエ口調が出る」程度だったが、いつの間にか開き直ったらしい。ついでに14歳時点ではアフロだけでガタイも唇もまだ普通の範疇だった。
その正体は土井垣スポーツウェアのお坊ちゃま。試合時等の衣装は土井垣家の店から超格安でレンタルしている。目元や口元(たらこ要素以外)は母親そっくり。
相方のリオ共々スタンダード・ラテン合わせた全10種のダンスを習得しているテンダンサー。幼少期からダンスを習っており、ダンス界でも高く注目されている実力者。咲本・金龍院といった同世代のライバルも高い実力を誇り、彼らの世代は黄金世代と呼ばれるほど。リオとは4歳のころからペアを組んでおり、パートナー愛は群を抜いている。 - 綾辻 理央(あやつじ りお)
鹿高ダンス部副部長。土井垣同様七組所属。通称リオ。
大人しめのメガネのお姉さんタイプ。しかしダンス時になるとコンタクトを漬け、普段の清楚なイメージからは考えられないような大胆な衣装とエロイ表情で華麗に舞う素晴らしいダンサー。
非常に面倒見がよく、いつも笑顔で部員たちを導く部のお母さん的存在。その性格と容姿から中学のころからモテモテだったようだ。
とても素晴らしいバストの持ち主であり、つっちーは一回事故で飛び込んで息子が暴走した。
顧問
- 巨勢 みちる(こせ みちる)
競技ダンス部顧問であり、つっちーの所属する一年六組の副担任でもある。25歳の数学教師。
ダンス部設立時、当時新任だったみちるは土井垣に何もしなくていいからと頼まれ顧問を受け持った。
ダンスに関しては素人なため、部活動に関しては土井垣たちに任せっきりであまり練習のときに顔を出していない。しかし部の性質上、校内でデモを起こすたびにその過激な衣装についてグチグチ嫌味を言われるので意外と大変とのこと。
また知識がないだけで顧問のやる気がないというわけではなく、差し入れのジュースを持ってきてくれたりもするので部員達とは普通に仲がいい。
余談だが、彼女は同作者の短期連載作品『こがねいろ』の登場人物である。高校当時の彼女の名前は「志村みちる」。幼馴染が「巨勢たつや」で、現在みちるにはだんなさんがいるらしいので…?
鹿高以外のダンサー
咲本一派
- 御木 清斗(みき きよと)
つっちー達と同じ高校一年生ダンサー。ジュニアチャンプの肩書を持つ実力者。
つっちーより少し高い程度の身長ではあるが、イケメンかつ非常に社交性の高い明るい性格でダンスも巧いという出木杉君のような人物。
スタンダードダンサー。同年代ダンサーということでつっちー達を非常に気に入っており、文化祭にもパートナーであるターニャとともに駆けつけるほど仲がいい。
ターニャの話すロシア語は9割方理解できていないが、それでもてんやわんやしながら彼女とコミュニケーションをとっている。 - タチアナ・クリロワ
御木のパートナーで、ロシア人の美少女。通称ターニャ。
日本でダンスをするために御木と半年前からパートナーを組んでいるが、中々日本に馴染めず日本語も覚えられないため彼につきっきり状態になっている。
わたりに ロシア語で声をかけてもらった辺りから彼女のことを気にかけており、文化祭のつっちー達のクイックステップを見た後は一緒にぴょんぴょんするほど気に入り、彼女とも仲良くなった。
彼女の台詞は訳なしのロシア語で表記されており、ほとんどの読者は作中人物同様彼女が何を言ってるかわからない状態となっている。しかし彼女の台詞はきちんと翻訳できるようになっており、その内容を知ると彼女の印象が大きく変わることになるかもしれない。詳しくはこちら→ターニャのロシア語翻訳一覧 - 咲本 譲治(さきもと じょうじ)
土井垣と同世代のダンサーで、学生チャンプの肩書を持つ。パートナーは永島 沙羅(ながしま さら)。
とんでもない老け顔で、土井垣同様とても高校生には見えない。ちなみに秋子はそんな彼にぞっこん。
土井垣達同様テンダンサー。土井垣ペアすら超える実力者だが、パートナーと喧嘩したりパートナーが家族旅行に行ったりといった締まらない理由で大会に出れないことが多々あるらしい。
ゴールドダンススタジオ
- 宮大工 勇太(みやだいく ゆうた)
つっちー達と同世代のダンサー。パートナーは小春。
高身長で手足が長く、まさに競技ダンス向けの体格をしている。
超堅物と言っていいほどの真面目すぎる性格で、悪意なく失礼なことをドガドガ言い放つ。競技ダンスに向いてるとは思えないつっちーがダンスをする理由を知りたがっている。スタンダードダンサー。 - 柏 小春(かしわ こはる)
宮大工のパートナー。彼のことは勇太くんと呼んでいる。
高身長でおっとりした印象の女の子。 - 畔田 満影(くろだ みちかげ)
八巻達と同世代のダンサー。パートナーはナオミ。
褐色マッチョでガラが悪いが、悪い人ではない。
土井垣世代に隠れがちだが高い実力を誇る。八巻にモブ扱いされてから彼に強い執着心を持つツンデレライバル。
八巻と同じラテンダンサー。彼同様ルンバは苦手で肌に合わないらしい。ちなみに童貞。 - 仙崎 奈緒美(せんざき なおみ)
畔田のパートナー。通称ナオミ。
黒髪ショートの、秋子に負けないくらいナイスバディの持ち主。表情がとてもエロイとの噂。
ヒートアップする畔田達男性陣ライバルと違い、基本的に女性陣はみんな仲が良い。
畔田の童貞をからかったり、八巻のほほにさらっとキスするなどかなりフランクな方。畔田と違いルンバは好き。 - 金龍院 貴正(きんりゅういん たかまさ)
土井垣と同期のダンサーで、咲本と並ぶライバル。
顔の真ん中だけイケメンな低身長ぽっちゃり。この世代の男はイロモノしかいないようだ。
いかにもおぼっちゃまといった振る舞いで、実際彼の所属するダンススタジオのスポンサーが「金龍院建設」なのでそこの御曹司だと思われる。
もともとは病弱で貧相な体つきだったようで、実力はあれどたびたびぶっ倒れてしまうのが弱点だった。しかしある時期から食事をたくさん摂るようにしたらすこぶる体の調子が良くなり、すこぶるまん丸になったという逸話がある。
ダンスの際にはその奇抜な見た目から土井垣に勝るとも劣らない注目度を誇り、体型による重心の低さを利用するハイレベルダンサー。ちなみにカロリー消費もすこぶる良いらしく、踊っているとすぐに痩せて顔がシュッとしてくる。 - 神宮寺 美乃梨(じんぐうじ みのり)
金龍院のパートナー。リオからはノリちゃんと呼ばれている。
間延びしたような喋り方が特徴。八巻曰くおっとり美人の魅力的な女性。
その他の人物
- 環 ちかね(たまき ちかね)
一年生。わたりの子供のころからの友人で、彼女と同じ四組所属。彼女からはちかちゃんと呼ばれている。
金髪三白眼にジャージという格好で、つっちーは未だに怖がっている。こちらも金髪は染めているだけのようで、幼少期は黒髪だった。
その容姿から怖そうな印象を受けるが不愛想というわけでもなく、特に友人であるわたりのことになると結構感情を表す。小学生時彼女の心を傷つけた相手をフルボッコにしたり、ダンス部に入って楽しそうにしてることに対しつっちーにお礼を言うなど、わたりのことを非常に大切に思っているようだ。 - 本城(ほんじょう)&藤本(ふじもと)
一年生。つっちーのクラスメイトで、中学時代からの付き合い。
ラッキースケベは逃せねえ!という理由でつっちーがダンス部に行くきっかけを作った愛すべき馬鹿ども。クラス活動時はよく3人で行動している。わたりちゃんが癒し成分。 - 塚橋 威一郎(つかはし いいちろう)
二度目の二年生。軽音部に命(タマ)かけすぎて留年(ダブ)った人。八巻達のクラスメイトで、色んな意味で濃い。
文化祭では八巻の頼みで競技ダンス部とコラボした。
「命(タマ)をかける」が口癖だが、軽音部メンバーは来るもの拒まずのごっちゃ煮状態であり、つっちー&わたりも一目見ただけで気に入るというかなり基準がガバガバな様子。ちなみに軽音部は彼を含めて3人ダブっている。 - 玄人おじさん(くろうとおじさん)
本名その他細かい素性は不明。テロップが本体。
その名の通りダンスに詳しいおじさんで、よくある試合中に勝手に解説してくれる一般人キャラ。
実は最初の試合のときにも彼っぽい人は登場しており、しっかりと解説してくれていた。
関連動画
劇中使用曲
STEP20にて、つっちー&わたりちゃんペアが踊った際の曲。この時のわたりちゃんに非常にぴったりの歌詞であり、ぶっちゃけほぼ告白してるような選曲である。
スタンダードダンス
競技ダンスをよく知らない人のために、各々のダンスがどのようなものなのか紹介する。つっちー達はこんな感じで踊ってるんだとイメージしやすくなれば幸いである。
ラテンダンス
順にチャチャチャ・パソドブレ・ルンバ・ジャイブ・サンバ。ちなみに踊っているのは統一全日本ダンス選手権史上初の6連覇を成し遂げた、日本が誇るトップダンサーである。
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関連リンク
- 少年ジャンプ公式サイトの作品ページ
- http://www.shako-dance.com/yokota
社交ダンス・競技ダンスのニュース&動画サイト「ダンスマガジン AUDREY」にて、本作連載開始時の作者インタビューが書かれている。 - https://www.youtube.com/watch?v=I2EVcx5zRX4
- https://www.youtube.com/watch?v=DQzsHh4oxOo
- https://www.youtube.com/watch?v=7WRQqBH5R64
YOUTUBEにて放送中の「ダンスのチカラ」にて行われた本作の特集。
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