胎児の夢(たいじのゆめ)とは、以下のような意味がある。
曖昧さ回避
- 胎児の夢(たいじのゆめ) – 夢野久作著『ドグラ・マグラ』の作中に登場する架空の論文のタイトル。 本項で記述。
- 「胎児の夢」(たいじのゆめ) – 東方Projectの登場キャラクター、古明地こいしのスペルカード。該当記事で記述。
お そ ろ し い の か |
母 親 の 心 が わ か っ て |
な ぜ 踊 る |
胎 児 よ |
胎 児 よ |
巻 頭 歌 |
胎児の夢とは、夢野久作著『ドグラ・マグラ』の作中に登場する架空の論文のタイトルである。
概要
『ドグラ・マグラ』という作品の重要なカギを握る人物、正木敬之は、「胎児の夢」という論文によって九州帝国大学の学士の学位を得ている。
その内容は胎児は母の胎内で生物の進化という遠大なストーリーの夢を見ている、というもの。
正木氏いわく、人間が胎内で「人間の形」になるまでに様々な「生物の形」になるのは夢で生物の進化を辿っているからであり、人間は「人間の皮」を剥がせばそういった進化してきた生物の状態になるという。文化人の表皮を剥がせば野蛮人の姿が現れ、まだ文化人の表皮を被っていない赤ん坊が暗闇を恐れ、大小便を垂れ流すのはこのためである。野蛮人の表皮を剥がせば畜生が現れる。「この野郎」とか、「こん畜生」とか言うのはそのためである。畜生の皮を剥がせば虫が現れる。誰も見ていないところで色々しちゃったり、他人を蹴落としてでも上に行こうとする、「この虫ヤロウ」と言って相手の胸倉掴んだりするのはこのためである。虫の皮を剥がせば原始生物が現れる。大衆の中で安心するのはこのためである。
そして論文は、そんな一皮むけば野蛮人の人間が「霊長様」だなんだ言っていることにイチャモンをつけ、夢の本質を見ようとしない唯物科学にイチャモンをつけ、唯物科学の根幹である人間の認識にイチャモンをつける形で進み、最終的に胎児の見る夢はそのほとんどが悪夢である、という話へと進んでいく。
憶測に基づいている、とも言えなくもない内容の論文であるが、実際これが批判しかねるものであることも事実である。正木氏によれば、これは自分の遠大な計画の中間点であるとか、ないとか。わかると思うが、かなりダウナーな内容の論文である。また、巻頭歌の意味に近づくために重要な部分だったりする。
東方Projectにおいて
「ダブルスポイラー ~ 東方文花帖」のLEVEL9に、『胎児の夢』がモチーフであると思われる同名のスペルカードが登場する。生物の進化を表すかのように撮影するごとに弾幕が大きく変化する特徴的なスペル。テーマ曲の「無間の鐘」と相まって神秘的な雰囲気を持っており、ダブルスポイラー屈指の人気を持つスペルである。
関連動画
関連商品
「胎児の夢」は、上巻に収録されています。
関連項目
- 13
- 0pt