能力主義とは、労働者に賃金を与える方法に関する思想の1つである。
類似した思想として成果主義がある。多くの面で反対の性質を持つ思想として年功主義や年齢主義がある。
概要
定義
能力主義とは、労働者の能力を客観的に計測して数量化し、そうして得られた数量に応じて労働者へ賃金を与えようとする思想である。
試験の成績で能力を客観的に計測する
労働者の能力を客観的に計測して数量化するにはいくつかの方法があるが、最も一般的なものは試験である。
筆記試験に合格して学歴や資格を得た者に対して高額の賃金を与えることは学歴主義とか資格主義と言うが、どちらも能力主義の典型例である。
戦前の海軍兵学校では、入学試験などの試験の成績順に並んで寝ており、その序列をハンモックナンバーと呼んでいた。卒業時点でのハンモックナンバーは生涯ついて回り、海軍に参加した後の出世に影響した。
現在の日本の警察において、都道府県警に採用された人が巡査部長・警部補・警部といった階級に早期に昇進するためには、昇任試験に合格しなければならない。
職務中の行動で能力を客観的に計測する
労働者の能力を客観的に計測して数量化するにはいくつかの方法があるが、そのうちの1つは、職務中の行動をじっくり観察して能力を計測するものである。そしてその方法は、成果主義の「過程観察型成果主義」と非常によく似ているものである。
長所と短所は成果主義と共通する
能力主義の長所・短所は、成果主義の長所・短所と全く同じである。
関連項目
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