脱獄とは、エス・エヌ・ケイ(旧SNK)が1988年に発売したベルトスクロールアクションゲームである。
海外版タイトルはP.O.W.(Prisoners of War)。タイトル画面やエンドロールでも併記されている。
概要
SNK初のベルトスクロールアクションゲーム。基本操作は『ダブルドラゴン』の影響が強いが、戦争映画をモチーフにしたゲームに定評があったSNKらしいミリタリー色の強さが特色となっている。
特殊部隊に所属するバートとスネークを操作し、秘密組織「GOD」の野望を阻止するため敢えて彼らの捕虜となって収容所を脱獄、ナイフや銃などの武器を奪いながら本部を破壊し脱出を目指す。ライフゲージ+残機制であり、ライフが無くなると無敵状態になって復活するが、銃や手榴弾など食らうと即死する攻撃も多く気は抜けない。これらは敵にも当たるため、銃や手榴弾を持った敵に挟み撃ちにされる場面では同士討ちが発生する。
ミリタリー要素と並ぶアクションの特徴として、敵に打撃でトドメを刺すと爽快な効果音と共に吹っ飛んでいく。通常攻撃のパンチやキックはあと一発で倒せる相手に対しては専用のモーションに変化する。後年のSNKの格闘ゲームにも通ずる打撃の爽快感を重視した演出である。
もっとも、一番の特徴は「ジャンプをすると敵が動きを止める」こと。止まらないタイミングもあるためただ跳んでいれば安全というわけではないが攻撃にも離脱にも有効であり、ジャンプで相手を止めてジャンプキックを当てたら軸をずらして回避、必要ならジャンプで間合いを取って再びジャンプで牽制…というバッタ戦法が主体になる。
ステージの最後には一応ボス戦があるがザコ戦の延長程度であり、ゲームとしては単調さもある。
ファミコン版
1989年にケイ・アミューズメントリースから発売。
アーケードからボタンが一つ減っているため、AB同時押しがジャンプキック(空ジャンプではなく必ず蹴る)になっている。2人同時プレイはオミットされ、トドメ攻撃のモーションの変化も無くなっているが最後の一撃の爽快感は健在であり、ジャンプで敵の動きが止まる現象もなくなったのでより打撃の間合いを重視した戦略が必要になる。
各ステージに明確なボス戦が追加され、キックやジャンプが使えない水上エリアが追加されるなどアーケード版よりステージにバリエーションがある。建物の中に入ると強化アイテムが入手でき、残機も得点で増えていくが、復活時の無敵時間がどこかに行っているため手榴弾が飛び交う場面では連続して死ぬ恐れもある。
陰影の強いドット絵や音楽の再現度も高く、総じて出来は悪くない。
復刻版
- PlayStation Portableで発売された『SNK Arcade Classics vol.0』にアーケード版が収録されている。
- PlayStation 4/Nintendo Switch/Steamで発売された『SNK 40th Anniversary Collection』にアーケード版とファミコン版の国内・海外版が収録されている。
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関連項目
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