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腸重積症とは、非常に危険な消化器(消化管)の病気である。
概要
小腸の終わりの部分が大腸に潜り込んでしまい、腸が詰まってしまう病気。
腸への血液の流れが完全に止まってしまうため、大至急治療しないと腸が腐ってしまい大変危険である。緊急を要する消化器の病気としては虫垂炎と並び有名なものである。
何故か3歳未満の乳幼児に多い病気だが、稀に大人でも発症することがある。
原因
原因が分からないことが多いが、ロタウイルスやアデノウイルスなどの感染性胃腸炎が原因となって発症することもある。ごく稀にロタウイルスワクチンの副作用として発症することがある。
また、大腸癌などが原因となることもある。
症状
非常に激しい腹痛を繰り返すのが特徴である。乳幼児の場合、突然激しく泣いて一旦泣き止むが、またすぐに泣き出すという特徴がある。
腸が詰まって胃の圧力が高まるため、激しい嘔吐もみられる。進行すると胆汁が混ざった緑色のものを吐くこともある。
腸重積症では酷い下血を伴うことが多いと言われている。イチゴゼリーやトマトケチャップのような粘液混じりの血便が大量に出るのが典型的な症例とされているが、下血を伴わない症例もある。
腸重積症では腸の機能が著しく低下し水分や栄養分を吸収できなくなるため、重度の脱水症状に陥る。
発症から24時間以内に治療しなければ、長時間の血流の遮断によって腸が壊死して穴があき、急性腹膜炎や敗血症などの重大な合併症を起こし死亡する可能性が非常に高い。
治療方法
一刻を争う病気なので乳幼児に激しい腹痛や下血の症状がみられた場合、腸重積を疑い救急車を呼んででも病院に連れて行くこと。
発症から24時間以内であれば肛門から空気を入れることで手術せずに治せる場合もある。しかし再発の可能性もあるため、しばらく入院する必要がある。
時間が経った腸重積の場合は、壊死した腸を手術で取り除かなければならない。
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関連項目
- ニコニコ大百科:医学記事一覧
- 腸閉塞症(イレウス)
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