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膵炎とは、膵臓(すい臓)が炎症を起こす病気のことである。
概要
何らかの原因で膵臓が消化液で自分自身を溶かしてしまう病気。
原因
主な原因としては以下のものがある。
- アルコール(お酒)の飲み過ぎ
- 食べ過ぎ(特に脂質の摂り過ぎ)
- 脂質異常症(特に中性脂肪が高い場合)の合併症
- 胆石の合併症
- 腹部の打撲・怪我
- 医薬品の副作用
- 感染症…おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、A型肝炎、E型肝炎、マイコプラズマ肺炎などの合併症として急性膵炎を起こすことがある。
など。
また、きわめて稀な病気として自己免疫性膵炎というのもある。これは免疫システムが何らかの原因で自分自身の膵臓を攻撃してしまうことで起こる難病である。
症状
経過の違いによって急性膵炎と慢性膵炎がある。
急性膵炎
突然の非常に激しい腹痛が最も特徴的な症状である。その痛みは腹部だけでなく背中にも及ぶ。
吐き気や嘔吐、発熱もみられる。
特に重症急性膵炎と呼ばれる劇症型の膵炎では膵臓だけでなく複数の臓器(心臓、腎臓など)にも炎症を起こしたり、膵臓が壊死することにより腹膜炎を併発し、敗血症や播種性血管内凝固症候群(DIC)などを起こして死亡することもある。
慢性膵炎
急性膵炎と異なり激しい症状が出ることは少ない。ただし稀に急激に悪化して激しい腹痛に襲われることもある。
また、膵臓の機能が低下するため慢性膵炎から糖尿病になることも少なくない。膵臓の炎症が長期化すると胆道が狭くなって胆汁が流れにくくなるため、黄疸になる人もいる。
ちなみに自己免疫性膵炎も慢性膵炎として発症することが多い。
治療方法
急性膵炎の場合は入院・絶食・点滴が基本である。軽症の場合はこれだけで改善することも多いが、重症の場合は集中治療が必要になることもある。また、原因や重症度によっては手術が必要になることもある。
慢性膵炎の場合は食事療法が基本となる。
関連項目
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