自宅ラックとは、ロマンである。
概要
世の中には1UサーバとかL2スイッチとか音源モジュールなどという物が出回っている。これらには19インチラックマウントキット等という物が付属していたり販売されていたりするが普通は見向きもしない。しかし機器が増えてきてそれら共通の特徴を持った機器を眺めながら思うのである。
「こいつらラックにマウントした方が格好良くね?」
自宅ラック勢の誕生である。狭義には自宅にネットワーク機器やサーバをマウントした19インチラックを置いて実験や勉強をしている者を指すが、ここでは「自宅に19インチラックを置いている者」と定義する。
自宅ラックへの道
自宅ラック勢は概ね「シンセサイザーを趣味にしている」か「ネットワーク/サーバなどのインフラを趣味としている」かのどちらかである。特に両方を趣味としている者にとってはどちらの設備も集約できるために非常に魅力的に映る。
どちらの場合においても普通は自宅に持たないような機器を置いているという共通点はあるが、これらの機器は中古で意外と安く買えるためそれほどハードルは高くなく、実際にラックを導入しないでそれらの機器を扱っている者は多い。
以下に自宅ラック導入の利点・欠点を挙げる。
自宅ラックでうれしい事
- 機器がうごかない
機器の配線を変更しようとした際に機械がずれてしまい、片手で押さえながらケーブルを抜き差しした経験は誰でもあるだろう。ラックを導入すれば機械はがっちり固定されているので片手で楽々抜き差し、地震がきても崩れたりしないので安心だ。 - 配線がラック内で完結する
配線の始点も終点もラックにマウントされているので長いケーブルを這わさなくても良い。パッチパネルを使えば機器の背面で配線を触らなくても良くなるし、ラックにコンセントバーを付ければ電源も集約できる。 - バラックPCの運用
作ったはいいが運用に困るバラックPCだが、棚板に貼り付けてマウントしてしまえばかなり安定感が出る。「はてな」等で実績のある手法である。 - 見た目が美しい
やはり共通の規格に沿って作られた者が並んでいる様は見ていて気持ちが良い。配線ルートに拘ればさらに魅力アップだ。
自宅ラックの罠
- 意外と場所をとる
ネットワーク機器やシンセサイザーの場合は機器の奥行きが意外と短い。逆にラックマウントサーバなどはかなり奥行きがあり、これらを同時にマウントしたい場合はかなりのデッドスペースが生まれる事になる。19インチラックは幅とネジ穴の間隔については規格があるが奥行きについては規格化されていないためである。 - さらに場所をとる
ラックを置くスペースのみに注目しがちだが、実際にはさらに余裕を持って設置する必要がある。たとえばサーバーは機器背面に端子類が並んでいる事が多く、こうした機器をマウントした場合には結線変更のためにラックの背面に回る必要がある。 - 重い
デッドスペースが生まれるとはいえ、これらの機器をラックにマウントしていくと100kgは簡単に超えてしまう。しかもラックの底に加重が集中するため冗談抜きに床が抜けたという話もある。あまり加重が重くなってしまう場合は鉄板やコンパネを敷いて荷重を分散する、床下を補強するなどの対策が必要になる。 - うるさい
1U機器は約4cmの厚さに全体を納めているため大きなファンが搭載できない。そのため小径のファンをぶん回すことになり、ドライヤーよりもうるさい等という事も珍しくない。 データセンターやサーバールームで動かす事を想定している機械なので静音化の実績も無い事が多く、手探りの努力が要求される。
それでも自宅にラックを置きたい
以上を読んでもラックを置きたいならば止めはしない。我々はあなたを歓迎する。自宅にラックを置くにあたって幾つかのアドバイスをしよう。
- 1階に住む
搬入出が楽になる。業者によっては機器をマウントしたままの搬出も可能かもしれない - オーディオ用ラックを使う
マウントする機器をネットワーク機器、オーディオ機器に限れば奥行きの無いオーディオ用ラックでも問題ない。バラックPCやハーフサイズの1Uサーバであればマウント可能である - フルサイズのラックであれば横向きに置く
先述の通りメンテナンスのためには機器の背面にアクセスする必要があるためフルサイズのラックの背面を壁に向けると色々と苦労する。またオーディオ機器やL2スイッチ、小規模ルータ等は前後からマウント可能である。 - ラックのU数はほどほどに
どうせ機械は増えるのでラックの搭載可能U数は余裕を持って見積もりたいがあまり背の高いラックを置くと床が心配である。無茶せずに荷重を分散させよう。20Uかそこらのラックであれば天板を物置にできる。
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