自己責任(じこせきにん)とは、自分の責任の事。またそこから発展した「自分が起こした行動の責任は自分で取る」という考え方。
「責任」とは、己の意思で決めた行動から来る結果に応答・対処する義務と定義されるが、わざわざそれに「自己」を付け強調する、いい意味でも悪い意味でも(大半は後者だが)日本人らしい言葉。
概要
抑も自己責任は、自己、自分自身の行動により発生する影響は、自分がとらなければならないという考え方であり、他人はその内容に関し一切関わらないという主張を指す。
また、契約書などにおける「免責事項」など、類義語や類似した表現もいくつかある(次の例の下線部参照)。
(例1:危険な行為のため自己責任でお願いします)
(例2:駐車場内での盗難・事故につきましては責任を負いかねます)
(例3:当施設職員の制止に従わないで生じた怪我などの損害に対しては、その責を負いません)
(例4:利用者が「ニコニコ大百科」を利用する場合、運営会社は「ニコニコ大百科」に掲載される全ての情報について、その正確性、合法性、道徳性、最新性、適法性などについて保証することができません。 - 「『ニコニコ大百科』利用規約 第9条.免責事項」より抜粋)
免罪符としての「自己責任」
一個人や企業など一組織、場合によっては政府など誰(何)に対してもいえることだが、負える責任には限界がある。
これを認めないと、たとえば「途上国の人たちが苦労してるのはひろゆきが儲けてるからだ、ひろゆきは責任を取れ」といった無茶苦茶な責任転嫁を許してしまう。そのために、上記の「免責事項」等はどの契約書にもみられるものである。
しかし、語感だけで捉えて深く考えず使いまわされた為、現在では以下のように使用・・・もとい誤用されてしまっている。
- 他者に影響しない行動であることをアピールし自分への影響を拒否するとき
- 連帯責任者が決まっていない連帯責任行動をおこなう事を、形式上注意しておくとき
- 親、友達、学校、会社、景気、障害、病気といった外的要因や先天的なものを全否定し、社会的弱者に的外れな説教をするとき
特に3つ目。落ちぶれたり、追い込まれて挫折する原因は、多かれ少なかれ本人にもある。周囲の人も、支えるための体力・経済力・精神力がいつまで続くか分からない。ゆえに現状を自分で解決する(解決しようと試みる)義務が無いわけではない。
しかし残念なことに、この自己責任という言葉は、その自分で解決する義務に漬け込んで 「他人のせいにするな、自己責任だろ 」 などと、中身のない説教(というより誹謗中傷)で他人を攻撃する免罪符として悪用されてしまっている。
時事ニュース的には、イラクへのボランティア活動について、自己責任で行うよう国から注意されたのが有名。海外渡航は法で禁止出来ないため、渡航禁止令の代わりに、自粛を要請することになっている(それ以上は出来ない)。
この時、あっさり現地の武装組織につかまった人々は連帯責任者がおらず、日本国が連帯責任者として責任を取った。
そのうち一人が朝日新聞の入館証を持っていたのだが、そのとき朝日新聞は 「契約カメラマンなので、危険地帯に侵入するのは自己責任」と発言。 この事が、彼らに対して自己責任を求める声が高まった理由である。
なお、何故かネット右翼が言い出したことになっているが、実際は左翼的立場の人が言い出したことでもあるので注意が必要です。
怪談としての自己責任
2chオカルト板の「死ぬ程洒落にならない話をあつめてみない?(通称:洒落怖)」に投稿された怪談の一つ。
五人の中学生が廃屋に侵入した際に恐ろしい怪奇現象に遭遇した……という体験談だが、
最後に、読んだ者は幽霊に憑依され、発狂した挙句に死に至る事が明かされる。
怪談を無差別に拡散する事で自身が憑依される確率を減らせるという救済措置もあるが、
検索、閲覧及び拡散は各人の自己責任で行っていただきたい。
なお、同様の『読んだら呪われる』類の怪談を、自己責任系と呼称する事もある。
関連動画
参考リンク
- 安田純平氏の新画像公開でまた「自己責任論」が…欧米メディアが一斉に指摘する日本の“お上”意識の異常性|LITERA/リテラ
- 2015年IS日本人人質事件における自己責任言説の分析まとめ | Discourse Guides
関連項目
- 責任
- 自由
- 小泉純一郎
- 平和ボケ
- 行動する保守
- 責任転嫁
- クレーマー
- 被害者ビジネス
- 自業自得 / DQNの川流れ
- 風評被害 / 日本語の誤用
- ネットイナゴ / ネット弁慶
- 無知 / 情報弱者
- 洒落怖
- 不幸の手紙 / チェーンメール
- 学歴差別
- 超学歴社会
- 公正世界仮説
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