法律上は改称前の生活の党と山本太郎となかまたち、生活の党および日本未来の党と同一の団体。ただし日本未来の党は現在と構成メンバーが大きく異なるため、当大百科では別記事で扱っている。
生活の党と山本太郎となかまたち・生活の党時代の略称は、公式サイトでの表記によると「生活」。
概要
自由党 | |
じゆうとう - Liberal Party | |
---|---|
基本情報 | |
公用語名称 | 自由党 |
国・地域 | 日本 |
本部所在地 | 東京都千代田区 |
成立年月日 | 2012年12月27日 |
解散年月日 | 2019年4月26日 |
機関紙 | 生活 |
国際組織 | -- |
シンボル | -- |
公式サイト | seikatsu1 |
政党・政治団体テンプレートボックス |
消費税増税反対と脱原発を掲げて民主党を離党した親小沢一郎グループが2012年7月に結成した「国民の生活が第一」を源流とする政党。
同年11月に他の反増税・脱原発勢力を糾合して日本未来の党を結成するも、翌月の総選挙で惨敗を喫し、内部抗争を経て党は分裂。この時に小沢と行動を共にしたメンバーが日本未来の党を改称して結成したのが生活の党である。当初は森ゆうこが代表を務めていたが、2013年1月からは小沢が代表となった。
当初は第三極の一角に位置付けられていたものの、政治思想・経済政策のいずれかで強い右派性を見せる他の第三極政党と異なり、両分野で中道~中道左派的なスタンスを採るため民主党との差異が見出し難く、小沢の求心力低下もあって党勢は低迷。選挙の度に議席を減らし、2014年12月の総選挙後には国会議員5人・得票率2%いずれの条件も満たせなくなり、一時的に政党要件を喪失した。
直後に左派系無所属の山本太郎参議院議員を加えて政党要件を回復すると、同時に党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」に改称。2015年1月27日からは小沢と山本の共同代表制に移行した。2016年7月の参院選では無所属の野党共闘候補として当選させた者も含め3議席を獲得して初めて議席を増やし、また議員数要件による政党要件の維持に成功した。
とは言え得票率要件による政党要件の確保には失敗しており、また選挙や院内活動で民主党および後進の民進党への協力姿勢を見せていることから、将来的な民進党への再合流も囁かれている。
生活の党への改称時には衆参合計15人の国会議員が所属していたが、2016年12月31日時点では6人(衆議院議員2人・参議院議員4人)にまで減少している。
現在は生活の党からの移籍者(小宮山泰子・鈴木克昌・牧義夫・太田和美・木内孝胤など)や旧小沢系議員を通じて民進党との連携を図りつつ、共産党・社民党も含めた中道~左派ブロック結集の呼びかけ役を務めることで存在感の回復を図っている。
2016年10月12日、自由党に改称。引き続き共同代表を務める山本は、自由党に党籍を置きつつ、政治団体「山本太郎となかまたち」を設立し、次期衆院選に別途候補者を立てるという方針を示していた。
2017年10月22日に投開票が行われる第48回衆議院議員総選挙では、野党共闘のため希望の党への合流を含めた連携を模索していた。結果、自由党からの立候補予定者3人は希望の党公認で出馬し、自由党からは公認候補を擁立しないと発表した。現職の小沢代表・玉城幹事長は無所属で立候補し、当選した。
2018年9月13日に玉城幹事長が沖縄県知事選挙に立候補を届け出たため、衆議院議員を退職した。これにより衆議院会派「自由党」が消失したものの、10月18日に立憲民主党の日吉雄太議員が自由党に入党したため、衆議院会派「自由党」が再び結成された。玉城氏の退職に伴う沖縄3区補欠選挙では、自由党所属の屋良朝博氏が無所属で立候補し当選した。
2019年4月26日、国民民主党に合流するため自由党は解散した。同日合併手続きを行い、山本太郎共同代表を除く6名が国民民主党に入党した。
生活の党と山本太郎となかまたちという党名に関して
かつて使用していたこの党名は議員の個人名(「山本太郎」)が含まれている上に非常に長い(文字にして15文字、発話だと21文字)ため、様々な場面で物議を醸した。
- 新聞の記事中では略称として「生活の党」を使用することが多かった(例:読売・朝日・毎日・産経・日経)。一方、当記事の掲示板では「テレビでは『なかまたち』の略称を用いている」との指摘がある(掲示板>>86参照)。
- 衆院選・参院選の比例区に候補者を立てようとする政党は、党名・略称・所在地・代表者氏名等を記載した書類を中央選管に届け出る必要があり、その際に「当該名称及び略称は、その代表者若しくは…名簿登載者としようとする者の氏名が表示され、又はそれらの者の氏名が類推されるような名称及び略称であつてはならない」とされる(公職選挙法86条の6、7)。そのため「共同代表」である山本太郎の氏名が表示されている「生活の党と山本太郎となかまたち」は比例区に候補者を出せないのでは?という疑問が呈されている。
- この点については、政治資金規正法・政党助成法上は小沢一郎のみを代表者として届け出て受理されていることから[1][2]、同様に届出上は小沢一郎のみを代表者とすることで解決できるとの指摘がある。政治資金規正法・政党助成法は届出内容を「代表者…一人の氏名」としているのに対し、公選法は代表者の届出人数を明文化していないことから、山本を代表者として届け出ないことは許されないとの指摘もあったが、最終的に中央選管は2016年の参院選で名簿届出を受理しており、公選法上も問題ない(山本は上記公選法で言うところの「代表者」にはあたらない)ことが明確になった。
- ちなみに2010年の参院選では、新党改革が「ますぞえ新党」の名称で比例区に名簿を出そうとして失敗している。この時の同党は舛添要一が単独で代表を務めていた。
- なお代表者名を党名にすることに関する公選法上の問題は比例区に候補者を立てる時にのみ発生するものであり、平時や選挙区への候補者擁立に際して単独代表者を党名に出していても法的問題は生じない。
- 山本は2014年の総選挙前に「自分以外を代表者にした『山本太郎となかまたち(略称:山本太郎)』という政治団体を比例東京ブロックに出す(山本自身は出馬しない)のはアリか」ということを総務省に確認してOKを貰っている(実行はしなかった)[3]。総選挙後には同名の政治団体を立ち上げており、生活の党の党名変更はこの時の案をそのまま採用したものと思われる。
- 衆議院・参議院の会派でも党名をそのまま用いていたため、衆議院議院運営委員会で自民党などから会派名に個人名を用いることへの批判が上がったこともある。
政策
党の規模は様変わりしたものの、現在も国民の生活が第一・日本未来の党時代から基本政策に大きな変化は無い。
- 国民生活の立て直し - 増税凍結・デフレ脱却・内需拡大・完全雇用の実現
- 原発ゼロ - 2022年までの原発完全停止・火力発電の活用・新エネルギーの研究開発
- 安心・安全を実感できる社会作り - 国民皆保険の堅持・年金制度の一元化・非正規労働者の増大阻止
- 全員参加型社会 - ワークシェアリングの推進・教育環境の整備
などが主な政策となっている。
また、安倍政権が積極的な姿勢を見せている改憲については、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義・国際協調」の4原則を変える必要はなく、改憲へのハードルを下げることについてもまた同様であるという姿勢で、自民党の改憲草案をはじめとする改憲案には反対している。
集団的自衛権の行使容認については、2013年の時点では「独立・平和・国民の安全のためやむを得ない必要最小限度のもの」であれば現行憲法の解釈により容認されるべきと主張していた[4]。
しかし2014年7月に安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した際には、「立憲主義と憲法の精神を根底から否定する」としてこれに反対し[5]、同年の総選挙でも「改憲なき行使容認には断固反対する」と公約に明記するなど[6]、当初の主張をいつの間にか撤回している。
役員・所属国会議員
2016年12月31日時点での党所属国会議員および役職は以下の通り。
氏名 | 所属議院 当選回数 |
選出選挙区 | 党役職 |
---|---|---|---|
小沢一郎 | 衆16 | 岩手4区 | 共同代表、選挙対策委員長 |
玉城デニー | 衆3 | 沖縄3区 | 幹事長、国会対策委員長、代議士会長 |
山本太郎 | 参1 | 東京都(2019年改選) | 共同代表、政策審議会長 |
森ゆうこ | 参3 | 新潟県(2022年改選) | 参議院会長 |
青木愛 | 参2(衆3) | 参院比例(2022年改選) | 副代表 |
木戸口英司 | 参1 | 岩手県(2022年改選) | 両院議員総会長 |
生活の党に所属する元国会議員のうちニコニコ大百科に記事があるのは、松崎哲久・三宅雪子・山岡賢次・谷亮子の4人である。
2015年の統一地方選挙で公認候補が全滅するなど地方選挙では脆弱だが、例外的に小沢の地元である岩手県議会では7議席を有しており、自民党に次ぐ第2党となっている。
ネット世論調査
公式ニコ割アンケート(2014年10月まで)およびニコニコアンケート(2014年11月以降)で毎月行われているネット世論調査における、党支持率の推移は以下の通りである。なお参考として前身にあたる国民の生活が第一(2012年7月~10月)と日本未来の党(2012年11月~12月)時代の支持率も掲載している。
一貫して低支持率で推移しており、1ポイントを割り込むことも珍しくない。年齢別に見ると、50代以上の高齢世代と20代以下の若年世代で相対的にやや支持率が高く、中間世代の30~40代が底となる傾向が見られる。
年 | 2016 | ||||||||||||
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月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
総合 | 1.2 | 1.2 | 1.1 | 0.9 | 0.9 | 1.2 | 1.3 | 1.1 | 1.1 | 0.6 | 0.7 | 0.9 | |
年齢別 | 50代以上 | 1.3 | 1.5 | 1.4 | 1.4 | 1.5 | 0.8 | 1.3 | 1.4 | 0.7 | 0.8 | 0.6 | 1.1 |
40代 | 1.4 | 1.0 | 0.9 | 0.7 | 0.9 | 1.2 | 1.5 | 1.0 | 0.8 | 0.4 | 0.5 | 0.7 | |
30代 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 0.7 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 0.8 | 1.0 | 0.5 | 0.5 | 0.7 | |
20代 | 1.3 | 1.6 | 1.5 | 1.4 | 1.1 | 1.5 | 1.5 | 1.3 | 1.3 | 0.8 | 1.0 | 1.4 | |
10代以下 | 1.7 | 1.6 | 1.8 | 1.6 | 1.2 | 1.9 | 1.6 | 1.1 | 1.3 | 0.8 | 0.9 | 1.2 | |
性別 | 男性 | 1.2 | 1.2 | 1.3 | 1.2 | 1.1 | 1.3 | 1.1 | 1.1 | 1.2 | 0.7 | 0.9 | 1.0 |
女性 | 1.3 | 1.1 | 0.8 | 0.5 | 0.7 | 1.2 | 1.5 | 1.0 | 0.9 | 0.5 | 0.3 | 0.8 | |
年 | 2015 | ||||||||||||
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
総合 | 0.8 | 0.7 | 0.6 | 0.6 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | |
年齢別 | 50代以上 | 1.3 | 0.8 | 0.3 | 0.4 | 0.6 | 1.2 | 0.5 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 1.3 | 1.5 |
40代 | 0.9 | 0.9 | 0.7 | 0.7 | 0.6 | 0.5 | 0.7 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | |
30代 | 0.9 | 0.8 | 0.6 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.7 | 1.0 | 0.9 | 0.9 | |
20代 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.5 | 0.4 | 0.5 | 0.4 | 0.5 | 0.4 | 1.4 | 1.2 | 1.2 | |
10代以下 | 0.6 | 0.6 | 0.3 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.7 | 2.1 | 1.8 | 1.6 | |
性別 | 男性 | 0.9 | 0.8 | 0.7 | 0.7 | 0.7 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.8 | 1.5 | 1.2 | 1.4 |
女性 | 0.7 | 0.7 | 0.6 | 0.4 | 0.3 | 0.3 | 0.4 | 0.5 | 0.7 | 0.7 | 0.9 | 0.7 | |
年 | 2014 | ||||||||||||
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
総合 | 1.4 | 1.4 | 1.1 | 1.1 | 1.3 | 1.2 | 0.6 | 0.6 | 1.3 | 1.0 | 0.3 | N/A | |
年齢別 | 50代以上 | 1.9 | 2.2 | 1.1 | 1.5 | 1.9 | 2.0 | 1.0 | 1.4 | 1.6 | 1.7 | 1.1 | |
40代 | 1.4 | 1.2 | 0.9 | 0.8 | 1.3 | 1.2 | 0.6 | 0.6 | 1.1 | 0.9 | 0.5 | ||
30代 | 1.2 | 1.2 | 0.9 | 1.0 | 0.9 | 0.9 | 0.5 | 0.5 | 1.1 | 0.8 | 0.3 | ||
20代 | 1.7 | 1.9 | 1.6 | 1.7 | 1.7 | 1.6 | 0.7 | 0.8 | 2.0 | 1.3 | 0.3 | ||
10代以下 | 2.4 | 2.8 | 2.2 | 2.4 | 2.4 | 2.0 | 0.9 | 0.9 | 2.6 | 1.6 | 0.4 | ||
性別 | 男性 | 1.7 | 1.6 | 1.3 | 1.5 | 1.6 | 1.5 | 0.7 | 0.8 | 1.6 | 1.1 | 0.3 | |
女性 | 1.2 | 1.1 | 0.9 | 0.7 | 1.0 | 1.0 | 0.4 | 0.5 | 1.1 | 0.8 | 0.4 | ||
年 | 2013 | ||||||||||||
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
総合 | 1.6 | 2.9 | 2.1 | 0.7 | 0.8 | 0.8 | 0.3 | 0.6 | 0.6 | 0.5 | 0.4 | 1.3 | |
年齢別 | 50代以上 | 2.0 | 3.2 | 2.6 | 0.9 | 0.8 | 1.3 | 1.0 | 1.1 | 1.2 | 1.1 | 0.3 | 1.2 |
40代 | 2.1 | 2.7 | 1.9 | 0.9 | 1.0 | 0.9 | 0.4 | 0.7 | 0.6 | 0.6 | 0.5 | 1.3 | |
30代 | 1.0 | 2.2 | 1.6 | 0.6 | 0.6 | 0.7 | 0.3 | 0.6 | 0.6 | 0.4 | 0.4 | 1.1 | |
20代 | 1.8 | 4.2 | 2.8 | 0.6 | 0.7 | 0.9 | 0.3 | 0.6 | 0.5 | 0.5 | 0.2 | 1.5 | |
10代以下 | 2.9 | 6.6 | 4.6 | 1.0 | 0.8 | 1.3 | 0.4 | 0.8 | 0.7 | 0.6 | 0.3 | 2.3 | |
性別 | 男性 | 1.6 | 2.8 | 2.3 | 0.9 | 0.9 | 1.0 | 0.4 | 0.7 | 0.6 | 0.5 | 0.6 | 1.5 |
女性 | 1.7 | 3.1 | 1.8 | 0.5 | 0.7 | 0.7 | 0.2 | 0.5 | 0.6 | 0.4 | 0.2 | 1.1 | |
年 | 2012 | ||||||||||||
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
総合 | (結成前) | 2.8 | 2.0 | 1.4 | 1.5 | 1.3 | 2.4 | ||||||
年齢別 | 50代以上 | 3.0 | 3.3 | 1.3 | 2.2 | 3.6 | 2.7 | ||||||
40代 | 3.5 | 2.6 | 2.0 | 1.8 | 1.8 | 2.4 | |||||||
30代 | 2.3 | 1.7 | 1.2 | 1.4 | 1.1 | 2.1 | |||||||
20代 | 2.4 | 1.8 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 2.8 | |||||||
10代以下 | 3.6 | 2.5 | 1.6 | 1.8 | 1.6 | 3.9 | |||||||
性別 | 男性 | 3.3 | 2.5 | 1.6 | 1.7 | 1.5 | 2.4 | ||||||
女性 | 2.2 | 1.6 | 1.3 | 1.2 | 1.1 | 2.4 |
雑記
- 2013年の参院選では比例区で得票率1.77%、2014年の総選挙では比例区で得票率1.93%、2016年の参院選では比例区で得票率1.91%と、どの選挙でもわずかに得票率2%に届かず、議員数にかかわらず政党要件を維持するための条件を達成できなかった。なお2014年の総選挙では得票率2%にあとわずか37,968票まで迫っていたため、名簿を提出しなかった北海道・中国・四国ブロックのうち少なくとも2つに候補を立てていれば2%条項をクリアできていた可能性が高かった。
関連動画
関連静画
関連商品
関連チャンネル
関連項目
外部リンク
脚注
- *政治資金規正法上の政党・政治資金団体一覧(PDF)
- *政党助成法に基づく政党の届出(平成27年1月1日現在)の概要(PDF)
- *告白|山本太郎オフィシャルブログ「山本 太郎の小中高生に読んでもらいたいコト」Powered by Ameba
- *憲法についての考え方 Q&A | 生活の党
- *集団的自衛権行使を容認する閣議決定を受けて | 生活の党
- *生活の党 重点政策(PDF) 4頁。
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