自転車とは、人力を用いて車輪を駆動する乗り物である。チャリンコもしくはチャリと呼ばれることもある。主に足の力によってペダルを回し、動力を伝達する。
曖昧さ回避
- 自転車 - アイドルマスターの楽曲の一つ。詳しくは→自転車(アイドルマスター)
概要
現在の自転車の原型となったものは1879年、イギリスにて発明された。
自転車は、移動距離当たりのエネルギー消費量を自動車やその他の乗り物と比べたらもちろん、徒歩と比べてすら1/6のエネルギーで済む超エコ性能。しかも単位時間当たりのエネルギー消費量で比べると徒歩と同じかそれ以上のため肥満予防にもなり速度も速い。
英語ではBicycleやBikeだが、後者は口語的で、エンジン付きの二輪車が含まれるなど広義になる。
- 子供から大人まで、お出かけ、通学・通勤・スポーツ競技・競輪まで幅広く用いられる。
- 原付や自動二輪と比較して運転免許や免許更新も不要。
- 特別なモデルでなければ、新車でも自動車やオートバイ・原付よりも安価なものがほとんど。
- 車幅が細いため、路地や公園などを通り抜けやすい。路地裏にも停めやすい。
- カゴやリアキャリアがあるものは、鞄など一定の荷物の積載能力はある。
- 自動車のように死角が少なく、取り回しや転回も容易。
- 駐車場が有料でも、駐輪場がタダの場合もあるため金銭的にも気楽。駐輪スペースも小さくて済む。
- 特に軽量な自転車においては折り畳んで公共交通機関を利用したり、担いで段差や障害物を超えやすい。
- 騒音が少なく徒歩より速力があるため、軍隊においては部隊が編制された事例もある。
自転車の特徴
自転車の特徴は、ハンドルと呼ばれる人間が手で持ちバランスと保ったり、方向を変える部分が付いていて、ペダルと呼ばれる車輪部分に動力を伝える部品を足を使って回すことにより、移動することができるという内容である。
近代においては3~5段階程度の変速機がついているモデルも多く、速度や坂道といった状況に応じて自在に変更可能。良いものでは前輪・後輪別々に変速機能がついている場合もある。
動力は人力で原動機(エンジン)はついてないが、電動アシスト自転車など動力を効率的に補佐するため長距離や上り坂における負担や疲労を減らすことができる。
欠点
平地においてはあらゆる自転車が安定して速力を発揮できるものの、徒歩にはない欠点も多い。
- 特段の機能がなければ登坂に弱く、坂道の多い地域では使いづらい。
- 電動アシスト自転車であっても、充電切れや充電忘れによって重り付きの自転車と化す。
- 車輪であるため凹凸や段差にも弱く、軽量なもの以外は持ち上げて移動するのは重労働。
- チェーンが外れる、空気圧不足や異物でパンクのリスクもあり、点検や手入れは必要。
- 高価で軽量な自転車はイタズラや盗難のリスクもある。ライトだけ盗まれることも。
- 原付ほどでないものの徒歩の倍以上の速度が出る為、自身や対人事故の際の被害が増える。
- 違法駐輪に悩む自治体や駅前も多く、駐輪場などの費用がかかる場合もある。
- 悪天候に弱い。
- 二輪で自立性のないものは、補助輪なしに乗るために一定の練習やコツが必要。
- 折り畳み機能がなければ公共交通機関などに持ち込めない。
- 折り畳み機能があってもカバーをかけなければ公共交通機関などに持ち込めない。
- 徒歩であれば通り抜けられる1階の駅構内や施設など、進入禁止とされている場合も多い。
- 競技用やマウンテンバイクなど、種類によっては前カゴすらなく積載能力が大きく劣る。
- 自動車から見ると邪魔だったり、脇道や路側帯から変則的に飛び出してくるなど脅威。
- 安価で細い路地にも強いことから、ひったくりや逃走手段など犯罪道具にも用いられやすい。
- 細い骨格やタイヤ・チェーンで構成されているため、事故などで大きく変形すると走行不能になる。
法律上の定義など
日本で自転車を乗る際には、下記のように法律で定められているため安全運転しなければいけない。
自転車は、道路交通法では「軽車両」の一種であり、自動車同様に車両の一部として規定されている。
そのため、本来通常は歩道ではなく車道を走らなければいけない(標識などで自転車の通行ができる歩道は通行帯も走行可能)
ただし自転車から降りて押しながら通行する場合は歩行者と見なされる。
- 法定速度は規定されてないが、標識による規制速度を超過をした場合は違法となる。
(原付は法定速度30km/h) - 一方通行でない限り、車道の左に寄って走行する。路側帯も通行してよいが、歩行者の通行を著しく妨げないこと。
- 車道の標示、標識に従って通行すること。
- 交差点で右折する場合、自転車横断帯がないときは必ず二段階右折する。
- 右左折、進路変更、徐行や停止を行う場合、手で指示を出さないといけない。
- 通行などは必ず歩行者が優先される。
- 車道を逆走するのは道交法違反です。
- 前後にブレーキがない自転車で公道を走るのも道交法違反です。
- 無灯火ももちろん道交法違反です。
- 邪魔な歩行者などにベルを無闇に鳴らすのも道交法違反です。
- 酒を飲んで運転する事も道交法違反です。
- 携帯電話を操作しながら運転する事も道交法違反です。
- 傘差し運転も道交法違反です。
- 東京都・神奈川県・千葉県・大阪府等30都府県では自転車損害賠償保険の加入が義務です。
- 二人乗りも道交法違反です。ただし以下の場合は例外(いずれも16歳以上の者が幼児1~2人を同乗させる場合)。
免許制度や講習無しでも利用できるものの、上記のように法律で定められているため、違反すると逮捕され、罰金、懲役刑になる恐れがある。
自転車事故
近年では自転車による単独事故、歩行者との接触事故が深刻になっている。
自転車だからダメージが軽いと思ったら大間違い(そう思ってるものも多く、当たっても逃げる者も多くいる。勿論轢き逃げに当たる)で、ある程度のスピード(30km/h以上) からの衝撃により、歩行者が死亡または後遺症を負ったり、運転者がそのまま投げ出されて死亡することもある。バイクほどのスピードではないとはいえ、生身を晒しているのだからその衝撃は推して知るべしである。その上自動車のようなシートベルトもバイクのヘルメットやライダースーツもないため、人体にかかるダメージは余計に大きくなる。
事故になった場合、道交法違反による処罰の他、相手に対して多額の損害賠償(慰謝料、医療費を含む)を払わなければいけないなど、多大な負担と苦痛を負うことになる。
そのため、交通法規の知識を習得し、安全運転と周囲への配慮に努めながら運転しないといけない。
夜間においては高い反射機能を持ったベスト・タスキ・バンド・反射テープなどを身体または鞄・自転車等に装着し、視認性を上げるのも非常に有効である。(小型のものは100円ショップでも購入できる)
それでも避けられない事故に備え、国土交通省は自転車損害賠償保険への加入を強く勧めている。
自転車損害賠償保険の加入義務化も進んでおり、令和6年現在では東京都、千葉県、神奈川県など、
全国30都府県で加入義務となっている。
自転車環境の現状
上記のような規則や問題が取り上げられるにつれて次第に自転車のマナーやルールの周知徹底が強く求められるようになっているが、同時に道路環境・運用及び認識の面でも整備・改善の必要が迫られている。
日本国外では古くからの文化や平地な地形、競技の伝統など自転車と日常の結びつきが強く、道路の整備・運用方針や自転車マナー、自転車の権利認識などの普及が進んでいる。
しかし、日本では決して広いとは言えない国土事情や、経済成長による自動車の普及などに伴い交通事故が増加していた背景もあり、自動車側にとっては邪魔・自転車側にとっては危険という空気によって1970年の法改正によって自転車が歩道通行が可能になって以降、なし崩し的に「自転車は歩道・自動車が車道」という本来ならば間違っている状態が「正しい」こととしてその後40年以上定着し続けてしまったため、それに合わせて自動車を最優先として道路の建設や運用がされてしまっており、自転車道・レーンの未整備はもちろん、自転車をまともに通す気のある十分なスペースや信号配置の道路すら少ない状況である。
その上長年上記の認識が定着し続けていたことにより、未だ多くのドライバーにとって自転車は同じ道路を走る配慮すべき車両ではなく自動車の流れを妨げる目障りな障害物扱いである。違反を承知の上で現実を見て警官などに歩道を走るように指導されてしまう例すらある始末である。
近年では自転車を車道に戻そうという機運が徐々に沸いてきたことから、少しずつ自転車レーンなどの整備を進める動きも出ていなくはないが、自動車の領域を削ることは難しく未だ不十分と言わざるを得ないのが現状であり、道路に対する割合は1%にも満たない。荷下ろしなどのいわば路上駐車スペースに使えなくなるなどの苦情が起こってしまうこともあるくらいである。
互いに影響し合うあらゆる乗り物共通の事項として、健全な運転マナー意識の定着と共に、特定の層に押しつける形ではない意識の改革や、それを実践できる環境作りもまた安全な交通のために同時に進めなければならない大切な要素と言える。
主な種類
- シティサイクル
いわゆるママチャリ。細分すると様々な種類がある。安い物だと一万円前後と非常に安価で普及しており、最低限の変速機や泥よけ、買い物かごなど日常生活用のパーツも基本的に装着済みで快適。ただし、速度効率や安定性などは下記の特化車種に及ばない。 - 折り畳み自転車
持ち運びのしやすさや狭いところへ保管が可能なように車体を小さくまとめられる機構を持った車種。工具を使って分解するものや、工具なしで文字通り折りたたむようにできるものがある。
- ミニベロ
タイヤのサイズが20インチ以下の小型車のこと。日本語では小径車という。折り畳み自転車に主に用いられるが折り畳み機能がないミニベロも存在する。 - スポーツ車
ロードバイクやクロスバイク、MTBといった実用よりも趣味性が強い車両を一まとめにした言い方。 - 競技車
プロが自転車競技に使う車両のこと。主にロードレース用とトライアスロン用、そしてトラック競技に特化したピストバイクに分かれる。 - マウンテンバイク(MTB)
舗装されていない道や山丘地帯を走行する事に特化した自転車。当然ながら耐久性が求められる。 - ロードバイク
舗装された道路を高速で走るために特化した自転車。非常に軽量のため、軽い段差でも乗り越えるのは危険なので注意。 - クロスバイク
マウンテンバイクをベースに、舗装路にもある程度対応できるよう開発された自転車。丁度マウンテンバイクとロードバイクの中間的な性能で、自転車を趣味として始める初心者にはオススメである。 - シクロクロス
オフロード競技のシクロクロス用に調整されたロードバイク。軽い悪路踏破ができるロードバイク寄りのクロスバイクと思うとよい。
- BMX
短距離レースやスタントを行うために開発された小型の自転車。快適性は無視されている。 - ピストバイク
競輪などのトラック競技に特化した自転車のこと。ロードバイクに似ているが極限までに簡略化されており、変速機はおろかブレーキすらついていない。一般の自転車と異なりフリーホイール(足を止めても進み続ける)ではなくスプロケットとハブの動きが固定されている。減速するには足の動きを力ずくで止めるしか無い。これは競技において下手にブレーキをかけると大事故になるからである。このため公道仕様のピストには前後ブレーキが標準装備されている。 - ハンドサイクル
下肢が不自由だったり切断された人のための自転車。三輪構造であり、その名の通りペダルを手で漕いで運転する。日常用や車いすに前輪を取り付けるタイプ、パラ自転車競技のロードレースなどで用いられる前輪と後輪が一体となったレースタイプなどがある。 - フラッシャー自転車
昭和1970年代に少年たちに大流行した子供向け自転車のこと。これでもかと言わんばかりにライトをつけ、特に後部はド派手なフラッシャー(後部識別灯とウィンカーが合体して巨大になったもの)を取り付けていて、スーパーカーを意識したようなデザインになっている。これがスーパーカー自転車になり、その系譜はデコチャリへと続いていくことになる。 - ランドナー
フランス発祥の荷物を積みながら舗装路を長距離走るのに向いたツーリング特化の自転車(クロスバイクと被り気味)。ロードバイクと同様のドロップハンドルで、耐久性が求められる為基本的にはクロモリフレームを用いる。 - ルック車
見た目はマウンテンバイクやロードバイクといったスポーツ系の自転車に酷似しているが、価格が安い代わりにシティサイクル並の性能しかもたない自転車。まかり間違ってもフランスの高級ロードバイクメーカー「ルック」製の自転車のことをルック車と呼んではいけない。 - リカンベント
座席が寝そべられるように傾斜を浅くし、車高をある程度低くした自転車。空気低空が低く上半身への疲労が少ないため平地での長距離巡航に向いている。三輪仕様のリカンベント・トライクも存在する。 - 三輪自転車
前後輪が1:2または2:1で配置されている自転車。走行安定や積載力に優れる。トライク、トライシクルとも呼ばれる。 - 電動アシスト自転車
ペダリングにより駆動する電動補助機を内蔵した自転車。
ぺダリングを24km/hまで段階的に最大1:2まで補助する駆動補助機を搭載する自転車を指す。
- 電動自転車(電動モペッド)
電動モーターを搭載しぺダリングもできるがぺダリング無しでも自走可能な自転車を指す。
原動機付自転車と同類なので公道を走行するためには法律上届出が必要であり、原付免許など搭載するモーター出力に応じた運転免許が必要となる。 - e-bike
海外における電動アシスト自転車を意味するが、e-bikeの中にはぺダリング無しでも自走可能なモデルも多く、それらは日本国内では原動機付自転車として扱われる。
国内で乗る場合は正規輸入され国家公安委員会の型式認定を受けたモデルの購入をお勧めする。 - 二輪駆動自転車
一つの動力で前後輪を動かす自転車。複数の呼び名あり。自動車の4WD同様にトルク的に安定する。
自転車動画
ニコニコ動画における自転車動画として代表的なものは、自転車を用いた旅行の動画や画像スライドショーである。すなわちサイクリング、自転車ツーリングを題材としていると言える。使用される自転車は本格的なロードバイクやMTBから、ママチャリによる日本一周まで多岐に渡る。
またBMXやMTBトライアル、ツール・ド・フランスなどのロードレースの動画も少なからずアップロードされているほか、自転車のメンテナンスの実演動画もみられる。
2009年7月5日、「出場するだけでも難しい」とされていたツール・ド・フランスにおいて、新城幸也がステージ5位を獲得。続く第3ステージにおいても、別府史之がステージ8位を獲得するなど、今後も期待させられる内容である。
その新城、2010年最初のグランツールとなるジロ・デ・イタリアでステージ3位を記録。日本人初優勝も夢じゃ無くなってきた感が。
その他
交通安全講習においてはスタントマンの方が自動車との事故を演じ、ド派手に吹っ飛ばされることも。
上にハンドルをひん曲げた自転車もあり、カマハン・鬼ハンとも呼ばれる。
中学生・高校生などに多い。本人いわく「カッコイイから」。要するに黒歴史である。
関連動画
関連立体
ニコニコにおける主な自転車乗り
関連コミュニティ
自転車というタグが存在するが、自転車にカメラを取り付けて車載動画のようにする動画(自転車載動画)も存在する。その系統の動画は上記のような車載専門のポータルコミュニティに動画追加されることが多い。なお、その系統の動画は、車載動画のタグが付くことが多い。
関連項目
- サイクリング
- 自転車旅行
- 自転車の旅
- 自転車で日本一周
- ちょっと自転車で日本一周してくる
- 痛自転車
- 輪行
- サドル
- サイクルコンピューター
- 懐中電灯
- 車載動画
- レンタサイクル
- 一輪車
- 原動機付自転車
- モペッド
- スポーツ
- 乗り物
ニコニコ大百科内にある自転車メーカー・自転車部品メーカー・自転車用品メーカー
※自転車メーカーは、自転車メーカーの一覧の記事を参照されたし。
ニコニコ大百科内にある自転車専門店
ニコニコ大百科内にある自転車レース・イベント
ニコニコ大百科内にある自転車競技選手・元選手
- 浅井康太
- 岩崎周吾
- 神山雄一郎
- 小嶋敬二
- 武田豊樹
- ダミアーノ・クネゴ
- 田村風起
- デニス・メンショフ
- 長塚智広
- 新田祐大
- ファビアン・カンチェラーラ
- フィリップ・ジルベール
- 深谷知広
- 伏見俊昭
- マーク・カヴェンディッシュ
- 村上義弘
- ランス・アームストロング
- ルイ・ガノー
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