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致死率とは、ある病気に罹った時に死亡する可能性のことである。
概要
致死率が高いほど亡くなる確率が高いということなので、一般論で言えば「致死率が高い病気ほど危険である」とも言える。
ただし、致死率が低い病気(インフルエンザ、脂肪肝など)であっても罹る人が多い病気であれば、死亡者数は多くなる傾向があるので致死率が低い病気であっても決して侮らないように注意する必要がある。
ちなみに死亡率と混同されることも多いが、正確に言えば死亡率は「特定の集団(国家、地域など)における亡くなった人の割合」のことであるため注意が必要である。
致死率が非常に高い病気の例
ほぼ100%
- 狂犬病…ただし、狂犬病ウイルスに感染しても発症前にワクチンを打つことで予防できる。
- 牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)
- 肺ペスト…治療しなかった場合
- 肺炭疽症…治療しなかった場合
- フォーラーネグレリア感染症(原発性アメーバ性髄膜脳炎)
- エキノコックス症…全く治療を受けなかった場合
- 芽殖孤虫症
- 膵臓癌(膵臓がん)…5年生存率が非常に低い(予後が悪い)癌として知られる。
50%以上
- エボラウイルス病(エボラ出血熱)
- マールブルグ病
- 鳥インフルエンザ
- ニパウイルス感染症
- ヘンドラウイルス感染症
- Bウイルス病
- 腺ペスト、敗血症ペスト(黒死病)…ただし、早期に抗生物質で治療すれば10%程度まで下げることができる。
- 腸炭疽症
- 破傷風
- くも膜下出血
- 上腸間膜動脈閉塞症
- 劇症肝炎
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)
30%以上
- 天然痘(痘瘡)
- クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)
- 南米出血熱
- 黄熱病
- 日本脳炎…ただし、日本脳炎ウイルスに感染しても発症する確率はきわめて低い。
- 中東呼吸器症候群(MERS)
- インフルエンザ脳症
- 劇症型溶連菌感染症(人食いバクテリア)
- 髄膜炎菌性髄膜炎(流行性髄膜炎)
- 急性心筋梗塞
致死率が高い病気の例
10%前後
- ラッサ熱
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- ハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱)
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)
- 後天性免疫不全症候群(エイズ)…かつては致死率ほぼ100%の難病だったが、治療薬の進歩によって致死率が大幅に下がった。しかし、今でも完治はほぼ不可能なので要注意。
- 肺結核…ただし「多剤耐性結核菌による肺結核」や「結核性髄膜炎を併発した場合」はもっと高い。
- ジフテリア
- レジオネラ肺炎
- ボツリヌス症
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
- 皮膚炭疽症
- 野兎病
- マラリア
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
- 重症急性膵炎
- スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)
数%程度
- 急性灰白髄炎(ポリオ)
- ロタウイルス胃腸炎
- ウイルス性肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎など)
- 麻疹
- 新型インフルエンザ…スペイン風邪と同等程度を想定した場合。
- 流行初期の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
- デング熱
- チクングニア熱
- ウエストナイル熱
- サル痘(エムポックス)
- 百日咳
- 腸管出血性大腸菌感染症(O157、O111など)
- 細菌性赤痢
- 腸チフス、パラチフス
- コレラ
- 梅毒
- アメーバ赤痢
- 日本住血吸虫症
- クローン病
致死率が低い病気の例
- 季節性インフルエンザ…ただし高齢者はもっと高い。
- RSウイルス感染症…ただし乳幼児はもっと高い。
- 風疹
- おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)
- 水疱瘡(水痘)、帯状疱疹
- ノロウイルス胃腸炎
- アデノウイルス感染症
- マイコプラズマ肺炎
- 溶連菌感染症…劇症型を除く。
- 細菌性食中毒…O157や赤痢菌など一部の強力な毒素を作る細菌を除く。
- クリプトスポリジウム症
- 脂肪肝
- 潰瘍性大腸炎
関連項目
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