航空救難団とは航空自衛隊に所属する、捜索救難を主任務としている部隊。英語ではJASDF ARW(Air Rescue Wing)。
概要
部隊信念は
「That others may live」
(他の人を生かすためになさん、かけがえのない命を救うため、他を生かすために生きる)
航空総隊に隷属する組織であり、入間基地を本拠地としており更に隷下として全国の各基地に固定翼捜索機と回転翼救難機で構成される【救難隊】、大型ヘリコプターによる高い輸送能力を持つ【空輸隊】がある。
主任務は各自衛隊で発生した航空事故の際に乗員を捜索・救難する事であり、自隊の担当区域を自衛隊機が飛行中は必ず1チームが即時出動できる態勢を取る(航空自衛隊に属するが、陸上・海上自衛隊の事故でも出動する)。また日本に航空機事故を想定した専門の救助隊が航空救難団以外に無い為、民間機の事故でも要請が入れば出動する他、航空事故以外でも必要ならば出動する(詳細は後述)。
自衛隊機の飛行区域というのは安全上の問題や騒音対策から、海上や山岳地帯などに設定されている事が多い為、事故発生時にの捜索・救難任務は非常に高い技能を要する。
また先で常に1チームが待機と書いたが、基本的に構成が「先行捜索用の固定翼機1機+救難任務用の回転翼機1機」のみである為、搭乗員は陸海空如何なる状況にも対応出来る万能性を求められる。
特に高い技量を求められるのが回転翼機に乗り込み、現場で実際の救助に当たる「メディック」と呼ばれる救難員。
全国の自衛官の中でも選りすぐりの身体的・精神的資質を持つものが選ばれるが、救難員の教育課程では
の全てを高度なレベルでクリアする事が【最低条件】となる。
更に本来の主任務には交戦地帯で被弾・撃墜された友軍機乗員の遭難・救助も含まれるため、レンジャー資格保有者に匹敵するサバイバル技能も併せ持っている。
これらの高い技能故に、他の組織(消防・警察など)が対応不可能と判断した案件が、「最後の頼みの綱」として彼らに託される事も多い。これが先に記した航空機事故以外での出動事例であり、陸上・海上を問わず多数の救助実績を持つ事から、救難団の所属者には自分達がレスキューの「最後の砦」であるとして如何なる状況にも立ち向かう非常に高い意識が求められている。
また、最後に余談ではあるが、救難隊の凄さを語る伝説を幾つか述べる。
- 隊員1名で高山病を発症した女性2人を抱えて下山。
しかも登山慣れした人間が4時間掛かるルートを約1時間で走破。 - 剣岳で遭難者を発見するも、急激に天候が悪化しヘリコプターが先に帰還。
その後も天候は回復せず、ヘリコプターは再出動出来ず。
しかし残された隊員がヘリも飛べない猛吹雪の中で、遭難者を背負い2日間掛けて下山し無事生還した。
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