航空自衛隊(略称:空自、英名:JASDF / Japan Air Self-Defense Force)とは、日本の領空の国防を主任務とする日本政府防衛省直属の航空軍事組織である。
概要
その活動は領空警備・国内外の災害救援・人命救助、米軍・同盟国との軍事共同活動、国際平和協力活動、アクロバット飛行(展示飛行)等多岐に渡る。
旧陸海軍の航空隊出身者を元にアメリカ空軍からの影響を色濃く受けている。
憲法上、基本的に航空自衛隊は領空侵犯など防空面に対する能力が特化した形となっている。ただし、1980年代までその防空能力はあまり褒められたものではなく、函館のミグ25亡命事件などではレーダーサイトの穴を着かれる一方、当時の主力戦闘機F-4にルックダウン能力が乏しかったため、発見できないままミグ25の上陸を許すという失態を演じてしまった。
アメリカ空軍の影響を色濃くうけているのか、どうも気風が闊達すぎる面があるのか、他の自衛隊から「勇猛果敢、支離滅裂」と言われている。まぁ、ここ最近の問題を見ているとまぁ分からないでもないような…。
自衛隊+航空機=航空自衛隊というイメージもあるかもしれないが
飛行機は海上自衛隊も陸上自衛隊も持っている。(後者は連絡偵察機など少数だが持ってる)
小銃の射撃訓練は海上自衛隊と同様にあまりやらない。
(陸海空問わず、まず前線で戦わないであろう職種でも年に最低1回はやるが)
血の気の多い周辺国が頻繁に領空侵犯ピンポンダッシュしてくるため、合法的に日本をぶん殴れる口実を与えないよう丁寧なおもてなし(スクランブル)が求められる。
職種
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空を飛ぶ仕事ばかりではなく、航空機の運用には数多くの後方支援(兵站)が必要であるのが分かる。
有事においては高価値目標となるレーダーや、離陸前に破壊されては元も子もないデリケートな航空機を擁しているため、上空だけでなく地上の警備、整備や管理にも気が抜けない。
輸送機は陸上自衛隊のイカれた第一空挺団や物資を上空からパラシュート降下させるのにも使用する。
陸自の特殊作戦群や海自の特殊警備隊のようなガチ戦闘型の特殊部隊はないが、地獄のような選抜訓練を経た者だけがなれる航空救難団(項目参照)はエリート。雪山から海難・潜水までどこでも行くがガチ潜水系は海上自衛隊の救難が行う。
対領空侵犯措置(アラート待機)[1]
ADIZ(防空識別圏)から日本領空に接近してくる国籍不明機を補足、監視し、警告を行なう。もし領空侵犯を行なった場合は着陸、退去させる。
各航空団では常時4機の戦闘機と4機分のパイロットが待機しており、このうち2機は3分待機(発進命令後3分以内で離陸できる状態)で、他の2機は3時間待機になる。3分待機の2機が離陸した後は3時間待機の機体が3分待機に繰り上がる。
基地警備教導隊
珍しい部隊としては、航空自衛隊設備(基地、レーダーサイトなど)を警備するための陸上部隊、基地警備教導隊と呼ばれる対テロ・ゲリラ対策部隊が現在編成中であるとされている。軽装甲機動車をもち、戦闘要員170名弱の部隊として現在編制準備が行われる模様。
この基地警備教導隊、もともとは基地警備隊がすでにあり各航空基地及びレーダーサイトなどの施設には各小隊規模レベルで編成されている。とはいえ正面装備で手一杯な航空自衛隊では数年前まで警棒すら行き渡らなくてトイレのモップだったとか、それどこの小学校以下の装備よと頭を抱えるほどの始末だったとのこと。さすがに2001年のテロ事件以降に装備の強化やCQB訓練が進んだものの、時折行われる陸上自衛隊との共同訓練ではあの手この手の侵入方法にしてやられる場面も多々あったとか。
たとえば、訓練開始前から近くにタコツボ掘って潜んでいた、あるいは夜間に隣接した湖を泳いでわたってきたという、わりと常識的?な侵入方法から、基地の外から下水マンホールをあけて下水道を通って侵入した。基地に出入りする宅急便のトラックに運転手も気付かないあいだに潜んで侵入した(あれ、それって犯罪じゃね?)、定期連絡のC-1輸送機に潜んで侵入した(…となると、どこかの空自基地から侵入したということですか。っていうか可能なの?)、で空自隊員たちが二人一組で行動しているんだけど、はっと気が付くと一人になって、前方のほうで物音すると警戒してたら背後から襲われるとか、もうやりたい放題らしい。
このような状況を踏まえて、基地防衛の基幹部隊として基地警備教導隊を設立しようという流れのようだ。人員の訓練、すでにある各警備小隊に対する訓練(教導)を任務とするらしいが、まだこれからの模様。
つい先ごろも基地のフェンスや有刺鉄線が切られるという事例があったけど、どうもワイヤーセンサーもないようす。FXだのなんだので揉める前にこういうところの予算も必要なんだよなぁ…。
対抗部隊を務めた陸自からは「民間警備会社の方が余程優秀」と評価される有り様で、空自も基地警備隊の練度の低さや装備不足は認識し、有事の警備は陸自に頼るつもりであるが、新防衛大綱により陸自重装備が大削減。加えて元々、防爆格納庫などを持つのは千歳など一部基地のみで、破壊工作への脆弱性は非常に大きい。
特徴
日本の三自衛隊ともそうだが、航空機のフライアブルな状態を維持する能力はきわめて高い。これは稼働率という面で反映されており、航空自衛隊の航空機稼働率は同一機種を使っている他国の空軍組織に比べても平均以上である。一説には90%程度。アメリカ空軍で80%程度。中国空軍(Su-27?)で60%だという。
無論これには理由があり、航空自衛隊の主な航空機は国内でのライセンス生産などが行われているため、国内航空機メーカーの手厚いサポートが受けられるなどの理由があったためでもある。アメリカからのFMS(対外有償軍事援助)で提供されている航空機については部品なども滞りがちで整備率が落ちる傾向にあるともいわれている。
航空兵力のレベルを見極める指針でもあるパイロットの錬度についても航空自衛隊での年間平均飛行時間は200時間程度といわれ高いレベルにあるといわれている。ただし、別の話として180~160時間という話もある。(ちなみにアメリカ空軍が240時間、NATO諸国空軍では180時間、韓国空軍が130時間、中国空軍(Su-27訓練部隊のみ?)で120時間だという話があるが、この手の時間数は諸外国でもあまり明らかにされていない)装備の面などに違いがあれど、訓練などにおける飛行時間がパイロットの質を保証すると考えれば、航空自衛隊のパイロットたちのレベルは一定平均以上はキープされていると考えられるだろう。
その他航空自衛隊の特徴としては最近は穏やかになったものの、各飛行隊独自の特殊カラーリングやマーキングで、ノーズアートと呼ばれる機首部分にイラストを描くことがある。これは部隊の記念イベント(たとえば平均飛行時間突破、配備航空機退役など)や、戦技競技会などで行われ、隊員達が戦闘機にイラストを描くというものだった。盛んだったころ、漫画家やデザイナーにデザインを発注していたので、なんというか、リアルで痛戦闘機をやっていたというか。昨今では実戦にそぐわないとしてこういうマーキングはあまり行われない傾向にあるようだ。(因みに描いたことのある作家は、『F.S.S.』の永野護氏、『新世紀エヴァンゲリオン』の貞本義行氏、『エリア88』の新谷かおる氏など。今にして思うと大らかな時代だったなぁ…)
創作作品での描写
他の自衛隊と比べ映画での民間協力は比較的少ないとも言われる。
特撮映画などでは、神出鬼没の怪獣達に迅速に対応して火力投射を行うパフォーマンスを披露するが、よせばいいのにわざわざ怪獣の懐に飛び込み叩き落される・・。演出のせいとはいえこれではあまりにひどいがさすがにシン・ゴジラではF-2は上空からスマートに爆撃したのみでした。
また、UFOのように飛び回る亀や人喰い鳥や巨大蛾が出現したときは活躍するが、マッハ単位で飛行するくせにプロペラ機の曲芸飛行のように運動する怪獣相手では分が悪いか、あまり強かったことはない。
と思ったら、99年には後方から飛んでくる超音波メスを全て避けきるという離れ業をやってのけている。まあぶっちゃけ墜落したくない航空自衛隊がスタッフに頼んだんだけど、かっこいいからいいと思います。
あとたまに勘違いされるが、ゴジラを海上で凍結したVTOL機は、航空自衛隊ではなく陸上自衛隊の所属。あのシリーズでは基本的にいいところを見せさせて貰えない。
上記のような特撮映画以外の協力した実写映画作品としては、F-86、F-104時代の『今日もわれ大空にあり』、トップガン人気にあてこんで作られたF-15などが出てくる『ベストガイ』、航空救難隊を題材にした『空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-』がある。
エースコンバットシリーズを初めとするゲーム作品では、自衛隊自体が防衛を主眼としていることもあって、あまり前には出てこない。自衛隊が出動するとなれば日本が戦争に巻き込まれる物語にならなくてはならないが、そういう作品は風当たりが強いため、殆ど作られていない。
空飛ぶ広報室
だがそんな航空自衛隊にビッグチャンスが訪れる!なんと空自の広報室を舞台とした有川浩原作の小説、「空飛ぶ広報室」がTBSによりドラマ化されたのである。この作品は人生ドン詰まりの美人ディレクター「稲葉リカ」とパイロットの夢を絶たれた航空自衛官「空井大祐」とその仲間たちとの交流を描いた物語である。つまり主役は航空自衛官!その舞台は航空自衛隊航空幕僚監部広報室!
さらに登場人物のキャストも主演の新垣結衣を筆頭に綾野剛、要潤、柴田恭平、生瀬勝久、などの豪華俳優が多数出演。さらにさらにその放送時間は日曜9時のゴールデンタイムである!お分かり頂けるだろうか?自衛官が主役で自衛隊が舞台のドラマがゴールデンタイムに放送されるのである。十年前なら考えられない事である。それだけ世間が自衛隊の存在を認めてくれているという事であろうか・・・(泣)
まさに自衛隊史上初かもしれないこのビッグチャンスを逃す訳にはいかないと空自の中の人、というか航空自衛隊はこのドラマ製作を全面バックアップ!初回冒頭からF-15主力戦闘機での圧巻のドッグファイト訓練を(一部CGも含まれるが)新規撮影で行うなど、初回からぶっちぎりの全力投球である。
また、主力戦闘機のF-15やF-4爺、対空ミサイルパトリオットPAC-3などのメジャー装備はもちろん、T-4、C-1、CH-47などのちょっとマイナーな装備まで出演。ロケは防衛省・市ヶ谷駐屯地や百里基地や入間基地など実際の空自基地を使用して行われており、衛兵や整備士やパイロットなどバックに写っている隊員は全て本物の隊員である。さらに主役の1人である稲葉リカが自衛隊関連の知識に疎い(だとしてもものすごい地雷の踏みっぷりだったが)ことから、自衛隊の役割、自衛隊の階級、航空自衛隊の任務、駐屯地と基地の違い、はたまた自衛官の恋愛事情などの様々な疑問を、広報室の面々が彼女に説明するという形で分かり易く解説してくれる。また、劇中の室長が行ったようなかけひきが実際に行われているかは定かでないが、毎回何かしらの航空機のカットが使われている。
まさにその名に恥じない航空自衛隊広報ドラマとなっている!
ただでさえ空自の制服を着たイケメンが毎回登場する上にこれだけのことをすれば、広報効果は大幅にUPすること間違いなし!来年度の航空学生はトップガンが公開された時ばりの志願人数があることだろう!
詳細は空飛ぶ広報室を参照!
は?ベストガイ?何のコトデスカ?
陸海自「空自はいつも予算も人気も人員も全部持っていきやがる・・・」
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