花村元司(はなむらもとじ)とは、昭和時代の強豪プロ将棋棋士である。木村義雄十四世名人門下。静岡県浜松市出身。現役中に67歳で病没した。段位は九段。
A級16期で、60歳にA級に昇級するという最高齢A級昇級記録を持つ。棋戦優勝3回。タイトルも名人戦を含め、九段戦2回、王位戦の4回挑戦したが、全て阻まれ、無冠の帝王といわれてしまった。
弟子に深浦康市九段、森下卓九段を筆頭に、窪田義行七段、吉田利勝、池田修一、野本虎次、武者野勝巳がいる。特に森下はその才能を見込んで手取り足取り定跡を教えたが、奇しくも師匠と同じく無冠の帝王となってしまった。その呪われたかのような門下の、初タイトルという悲願は、弟弟子の深浦康市が叶えている。
概要
元々は真剣師として、賭け将棋で生活してきたという異例の経歴を持つ。そして、升田幸三に角香交じりの駒落ちで勝ち越したことで、異例のプロ編入試験が実施され、プロ入りした(なお、真剣師からプロ入りを打診された人物といえば、後の小池重明もそうであるが、彼は素行不良が原因で、却下されている)。
棋風は完全に自由奔放で、かつ定跡に囚われないものであり、独特の嗅覚を持っていた。そのため「妖刀使い」という異名が付けられている。また、鬼気迫る形相で対局に挑んでいたことから「東海の鬼」とも呼ばれ、恐れられた。しかし、大山康晴は天敵であり、彼の奇襲を全く寄せ付けず、通算43勝9敗と全くの鴨にしている。そのため、彼は弟子たちに対しては、奇襲ばかりしていた自分とは裏腹に、定跡を重視するように指南している。
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