芸術選奨(げいじゅつせんしょう)とは、文化庁が主催する芸術の各分野に対する顕彰制度。
概要
1946年に始まった文化庁芸術祭で、1947年から参加公演・参加作品の中で優れたものを「文部科学大臣賞」として顕彰したのが始まり。1950年に芸術祭から分離して「芸能選奨」という独立した賞となり、1956年に現在の「芸術選奨」という名前になった。
毎年3月発表。各年度において、演劇・音楽・文学・映画・美術など、芸術の各分野において優れた業績を残した者に「文部科学大臣賞」が、またその分野の優れた新鋭には「文部科学大臣新人賞」(第18回から)が贈られる。
70年以上続いているだけあって部門も時代とともに追加されたり消えたり対象範囲が変わったりしており、第70回(2019年度)時点では「演劇」「音楽」「舞踊」「文学」「美術」「映画」「放送」「大衆芸能」「芸術振興」「メディア芸術」「評論その他」の11部門がある。過去には「古典芸術」部門(能楽・人形浄瑠璃などが対象、第54回から演劇部門に統合)、「レコード」部門(第3回~第5回まで)があった。各部門の対象範囲も時代によって変わっているようだがよくわからない。
パッと見で対象がわかりにくい部門について補足しておくと、第18回(1967年度)から追加された「大衆芸能部門」は落語・ポピュラー音楽・漫才など、第59回(2008年度)から追加された「メディア芸術部門」は漫画・アニメ・ゲーム・現代アートなどが対象。
個人のみならず、劇団や楽団などの団体に贈賞されることもある。同じ部門を2回獲ることはできないが、複数の部門で別々に受賞することは可能。
大百科に記事のある受賞者
演劇部門・文部科学大臣賞(第1回~)
- 第5回(1954年度):十七代目中村勘三郎(「朝顔日記」その他)
- 第27回(1976年度):浅利慶太(「ジーザス・クライスト=スーパースター」の演出)
- 第32回(1981年度):森光子(「放浪記」)
- 第36回(1985年度):七代目尾上菊五郎(「伽羅先代萩」「鬼一法眼三略巻」など)
- 第40回(1989年度):三代目市川猿之助(「リュウオー〈龍王〉」の企画・演出および「黒塚」の演技)
- 第42回(1991年度):加藤剛(「わが愛」三部作)
- 第53回(2002年度):市村正親(「海の上のピアニスト」「モーツァルト!」など)
- 第58回(2007年度):三谷幸喜(「コンフィダント・絆」作・演出)
- 第61回(2010年度):津嘉山正種(「黄昏」)
- 第70回(2019年度):内野聖陽(「最貧前線」「化粧二題」)
- 第73回(2022年度):尾上菊之助(「義経千本桜」舞踊「土蜘」「盛綱陣屋」など)
- 第74回(2023年度):山西惇(「エンジェルス・イン・アメリカ」「闇に咲く花」など)
演劇部門・文部科学大臣新人賞(第18回~)
- 第24回(1973年度):北大路欣也(「スルース(探偵)」「フェードル」)
- 第27回(1976年度):三代目市川猿之助(「雙生隅田川」「小笠原騒動」など)
- 第28回(1977年度):二代目中村吉右衛門(「隅田川花御所染」「怪談蚊喰鳥」「海援隊」など)
- 第51回(2000年度):七代目市川新之助(「助六由縁江戸桜」「源氏物語」)
- 第56回(2005年度):五代目尾上菊之助(「NINAGAWA十二夜」「児雷也豪傑譚話」)
- 第58回(2007年度):唐沢寿明(「コリオレイナス」)
- 第59回(2008年度):二代目市川亀治郎(「祇園祭礼信仰記 金閣寺」「色彩間苅豆」)
- 第69回(2018年度):蒼井優(「アンチゴーヌ」「スカイライト」)
- 第74回(2023年度):中村勘九郎(「大江山酒呑童子」「金閣寺」「新門辰五郎」など)
音楽部門・文部科学大臣賞(第1回~)
文学部門・文部科学大臣賞(第1回~)
- 第21回(1970年度):石原慎太郎(『化石の森』)
- 第40回(1989年度):藤沢周平(『市塵』)
- 第44回(1993年度):宮城谷昌光(『重耳』)
- 第46回(1995年度):瀬戸内寂聴(『白道』)
- 第52回(2001年度):宮部みゆき(『模倣犯』)
- 第61回(2010年度):篠田節子(『スターバト・マーテル』)
文学部門・文部科学大臣新人賞(第18回~)
美術部門・文部科学大臣賞(第1回~)
レコード部門・文部科学大臣賞(第3回~第5回)
映画部門・文部科学大臣賞(第4回~)
- 第4回(1953年度):宮川一夫(「雨月物語」「千羽鶴」「祇園囃子」の撮影)
- 第18回(1967年度):三船敏郎(「上意討ち」「グランプリ」など)
- 第21回(1970年度):倍賞千恵子(「家族」)
- 第39回(1988年度):宮崎駿(「となりのトトロ」)
- 第42回(1991年度):高畑勲(「おもひでぽろぽろ」)
- 第48回(1997年度):役所広司(「うなぎ」「失楽園」「バウンス ko GALS」「CURE」)
- 第49回(1998年度):北野武(「HANA-BI」など)
- 第53回(2002年度):真田広之(「たそがれ清兵衛」「助太刀屋助六」)
- 第59回(2008年度):小泉今日子(「グーグーだって猫である」「トウキョウソナタ」)
- 第64回(2013年度):是枝裕和(「そして父になる」)
- 第64回(2013年度):鈴木敏夫(「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」のプロデュース)
- 第67回(2016年度):庵野秀明(「シン・ゴジラ」)
- 第67回(2016年度):片渕須直(「この世界の片隅に」)
- 第74回(2023年度):岩井俊二(「キリエのうた」)
- 第74回(2023年度):佐藤浩市(「春に散る」「愛にイナズマ」など)
映画部門・文部科学大臣新人賞(第18回~)
- 第34回(1983年度):森田芳光(「家族ゲーム」)
- 第37回(1986年度):斉藤由貴(「恋する女たち」など)
- 第38回(1987年度):大森一樹(「トットチャンネル」「〈さよなら〉の女たち」など)
- 第42回(1991年度):竹中直人(「無能の人」)
- 第46回(1995年度):岩井俊二(「Love Letter」)
- 第59回(2008年度):蒼井優(「百万円と苦虫女」)
- 第68回(2017年度):菅田将暉(「あゝ、荒野」など)
- 第74回(2023年度):池松壮亮(「せかいのおきく」「白鍵と黒鍵の間に」「シン・仮面ライダー」など)
放送部門・文部科学大臣賞(第18回~)
- 第39回(1988年度):市川森一(「明日」「もどり橋」「伝言」など)
- 第56回(2005年度):爆笑問題(「爆笑問題のススメ」など)
- 第67回(2016年度):宮藤官九郎(「ゆとりですがなにか」)
- 第74回(2023年度):野木亜紀子(「フェンス」)
- 第75回(2024年度):阿部サダヲ(「不適切にもほどがある!」)
放送部門・文部科学大臣新人賞(第18回~)
- 第31回(1980年度):市川森一(「港町純情シネマ」「五・一五事件秘話・チャップリン暗殺計画」など)
- 第53回(2002年度):宮藤官九郎(「木更津キャッツアイ」など)
- 第54回(2003年度):小泉今日子(「センセイの鞄」「すいか」「マンハッタンラブストーリー」など)
大衆芸能部門・文部科学大臣賞(第18回~)
- 第18回(1967年度):六代目三遊亭圓生(新作「江戸の夢」など)
- 第29回(1978年度):森繁久彌(「赤ひげ診療譚」「屋根の上のヴァイオリン弾き」)
- 第30回(1979年度):桂米朝(「一文笛」「地獄八景亡者戯」など)
- 第41回(1990年度):藤田まこと(ミュージカル「その男 ゾルバ」)
- 第51回(2000年度):古今亭志ん朝(「愛宕山」「三枚起請」)
- 第53回(2002年度):朝丘雪路(「人生ふたりづれ」など)
- 第55回(2004年度):桂歌丸(「続きもの人情噺」「真景累ヶ淵」)
- 第55回(2004年度):都はるみ(「新歌謡」都はるみコンサート)
- 第56回(2005年度):桂三枝(「妻の旅行」「背なで老いてる唐獅子牡丹」など)
- 第56回(2005年度):中島みゆき(「中島みゆきコンサートツアー2005」)
- 第58回(2007年度):立川志の輔(「志の輔らくご」など)
- 第58回(2007年度):細野晴臣(YMOの復活、「細野晴臣と地球の仲間たち」など)
- 第59回(2008年度):小田和正(「KAZUMASA ODA TOUR 2008 “今日もどこかで”」など)
- 第59回(2008年度):桂文珍(「十夜連続独演会」など)
- 第60回(2009年度):坂本龍一(『out of noise』の演奏)
- 第61回(2010年度):加山雄三(「若大将50年!アリーナコンサート」など)
- 第62回(2011年度):由紀さおり(アルバム「1969」)
- 第63回(2012年度):谷村新司(「40周年特別記念コンサート」およびアルバム「NINE」)
- 第65回(2014年度):山下達郎(「山下達郎 Maniac Tour ~PERFORMANCE 2014~」)
- 第66回(2015年度):松本隆(コンサート「風街レジェンド2015」など)
- 第67回(2016年度):鈴木雅之(アルバム「dolce」など)
- 第68回(2017年度):石川さゆり(「45周年記念リサイタル」など)
- 第69回(2018年度):笑福亭鶴瓶(「笑福亭鶴瓶落語会」など)
- 第69回(2018年度):竹内まりや(映画 「souvenir the movie」など)
- 第72回(2021年度):桂南光(「らくだ」など)
- 第72回(2021年度):佐野元春(『THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』など)
- 第73回(2022年度):鈴木慶一(「It's the moooonriders」など)
- 第74回(2023年度):藤井フミヤ(公演「40th Anniversary Tour 2023-2024」など)
- 第75回(2024年度):柳家喬太郎(「喬太郎企画ネタ尽きました、お客様決めてください」など)
大衆芸能部門・文部科学大臣新人賞(第18回~)
- 第19回(1968年度):金原亭馬生(「宿屋の富」「鰍沢」など)
- 第22回(1971年度):古今亭志ん朝(「今戸の狐」「宮戸川」)
- 第25回(1974年度):木の実ナナ(「天保十二年のシェイクスピア」「ショー・ガールNO1・NO2」)
- 第33回(1982年度):桂枝雀(「鷺とり」「口入れ屋」「くっしゃみ講釈」)
- 第41回(1990年度):坂本冬美(「能登はいらんかいね」など)
- 第46回(1995年度):堺正章(「おしゃべり伝六一番手柄」)
- 第48回(1997年度):久石譲(「もののけ姫」のサウンドトラック)
- 第52回(2001年度):桂吉朝(「七段目」「百年目」)
- 第55回(2004年度):東儀秀樹(「東儀秀樹プロデュース~SUPER ASIA アジアで出会った新しい風~」 の開催など)
- 第58回(2007年度):林家たい平(「林家たい平独演会」など)
- 第59回(2008年度):椎名林檎(「生林檎博'08~10周年記念祭」など)
- 第61回(2010年度):平原綾香(「my Classics2」)
- 第64回(2013年度):水樹奈々(「NANA MIZUKI LIVE CIRCUS 2013」 など)
- 第67回(2016年度):ナイツ(漫才師)(「ナイツ独演会」など)
- 第69回(2018年度):宇多田ヒカル(アルバム「初恋」など)
- 第71回(2020年度):米津玄師(「STRAY SHEEP」など)
- 第72回(2021年度):藤井風(「きらり」「燃えよ」など)
- 第73回(2022年度):東京03(「ヤな覚悟」など)
- 第74回(2023年度):ねづっち(「ねづっちのイロイロしてみる60分」など)
- 第75回(2024年度):坂本頼光(寄席定席における活弁の芸など)
メディア芸術部門・文部科学大臣賞(第59回~)
- 第61回(2010年度):宮本茂(「スーパーマリオギャラクシー2」など)
- 第64回(2013年度):諸星大二郎(「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」など)
- 第67回(2016年度):秋本治(「こちら葛飾区亀有公園前派出所」)
- 第69回(2018年度):荒木飛呂彦(「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」など)
- 第71回(2020年度):湯浅政明(「映像研には手を出すな!」)
- 第72回(2021年度):小島秀夫(「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」)
- 第73回(2022年度):新海誠(映画「すずめの戸締まり」)
- 第74回(2023年度):井上雄彦(映画「THE FIRST SLAM DUNK」など)
- 第74回(2023年度):田村由美(漫画「ミステリと言う勿れ」など)
- 第75回(2024年度):青山剛昌(「名探偵コナン」)
- 第75回(2024年度):桜井政博(「桜井政博のゲーム作るには」)
メディア芸術部門・文部科学大臣新人賞(第59回~)
- 第59回(2008年度):井上雄彦(「井上雄彦最後のマンガ展」)
- 第60回(2009年度):細田守(「サマーウォーズ」)
- 第62回(2011年度):長井龍雪(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」)
- 第63回(2012年度):沖浦啓之(「ももへの手紙」)
- 第65回(2014年度):岸本斉史(「NARUTO」)
- 第70回(2019年度):東村アキコ(「偽装不倫」など)
- 第71回(2020年度):吾峠呼世晴(「鬼滅の刃」)
- 第75回(2024年度):押山清高(映画「ルックバック」)
関連リンク
関連項目
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- 0pt


