概要
もともと航空自衛隊百里基地とセットで存在していた百里飛行場を民間共用として利用することになり、それにともなって茨城空港と名付けられたものである。
茨城県としては東京国際空港(羽田)、成田国際空港ではカバーしきれない格安航空会社(LCC)やローカル線、チャーター便の発着を担う「首都圏第三空港」の目論見があったとされている。そのため新空港の名前候補には「東京北空港」などというものも存在していた。
2010年3月12日に空港は開港するが、定期路線がアシアナ航空の国際線のみ、4月にスカイマークが就航するもわずか4ヶ月で運休し、その直後再就航するなどといった先行きを不安視させる動きが早々と生じていた。
2011年3月11日の東日本大震災を契機にアシアナ航空は無期限運休に突入した。
LCCの誘致では鉄道等交通機関が整っている成田空港と競合関係にあり、また国内線を唯一飛ばしていたスカイマークが2015年に経営破綻したことで減便に動くことが表明されたが、現在でも新千歳空港、神戸空港、福岡空港、那覇空港への便が運航されている。一方、国際線は新規就航路線があっても短期間で取りやめになることが多く、現在は上海浦東国際空港便のみとなっている。
当空港は民間空港としては現状なお安定したとは言いがたい状況であるのは
・最寄りの常磐線の駅/常磐道のICから遠い立地
・成田空港のLCCハブ空港としての存在感の増加
が影響していると考えられる。
東関東道のICならまだ近いということもあり、首都圏の第3空港としてではなく茨城県・栃木県と他地方を結ぶ空港とした方が活路が見いだせるかもしれない。茨城県内には日立製作所、鹿島臨海工業地帯、筑波研究学園都市があるわけだし。
なお成田空港との共通点として、基地反対派の存在により用地買収が十分にできず、誘導路に「くの字」のカーブが生じている箇所があることが挙げられる。
また、2011年の大晦日に放送されたガキ使の「絶対に笑ってはいけない空港24時」では当空港が使われた。
施設
設備は空港としては小規模にまとめられており、動線が短いバリアフリーな設計とアピールされている。
1階がロビー、2階が土産店やレストランとなっており、また滑走路を一望できるデッキも設けられている。
空港の中には売店としてセイコーマート(以下「セコマ」)が入居している。元々はサンクス→ファミリーマートで、ファミマ閉店後に居抜き出店した結果、今のようになった。因みに、セコマ空港内に出店するのは本場の北海道を含めて初。また、空港の外には既に「茨城空港前店」が出店しており、近距離に2店出店する形となる。勿論ホットシェフも販売しているが、空港のセコマは調理スペースがないので、「茨城空港前店」で調理したものを運んで販売している。
空港の正面には3600台分の駐車場が設けられており、駐車料金は無料。これが茨城空港の最大の売りと言っても過言ではない。
ターミナルの南側は公園となっており、飛行機の離着陸を眺められる他、自衛隊機の展示も行われている。
空港周辺にある商業施設としてはトヨタレンタカーと前述のセイコーマート、「空のえき そ・ら・ら」なる道の駅的な場所くらいとなっている。
交通
元々が陸の孤島と呼ばれたような立地であり、比較的近くを通っていた鹿島鉄道線も開港直前に廃線となっている為、道路からアクセスする事となる。道路自体は空港に託けて整備が進められており、開港前と比べると相当アクセスは改善されてはいる。つくばエクスプレスを茨城空港まで延伸しようという構想も持ち上がっているが現状での実現性はお察しください。
- 公共交通機関
- 周辺の鉄道駅から向かう場合、常磐線「石岡駅」「水戸駅」、鹿島臨海鉄道線「新鉾田駅」、つくばエクスプレス「つくば駅」からバスを利用する事となる。
高速バスとしては「東京駅」や「宇都宮駅」からの路線が存在する。 - 高速道路
- 最寄りのインターチェンジとしては東関東道「茨城空港北IC」がある。ただし東関東道の当該区間自体が北関東道から枝分かれ的に整備されたに留まっており、成田方面からの潮来ICまではまだ繋がっていない為、ルート選定にやや難がある。
常磐道を利用する場合、茨城空港アクセス道路の全線開通により「石岡小美玉SIC」から一直線で到達出来るようになった。新しい道路だけあって線形もよく混雑も避けられる快走路となっている。
常磐道の他のルートとしては「千代田石岡IC」があるが、石岡市街地を国道6号や国道355号で経由する為に渋滞に巻き込まれがち。ただしこちらもバイパスの整備が進められつつある。
「岩間IC」経由でも新道の設置によりスムーズなルートが構築出来るようになったが、道路の規格は劣る。
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関連項目
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