概要
中年男と小学生の一夏の旅を描くロードムービー。
菊次郎とは、北野の父の名前である。
北野にとって8作目の監督作品で、初のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。
「あの夏、いちばん静かな海。」と同様、それまでの表立った激しく冷たい暴力性が鳴りを潜めている。
北野映画の中では最も、というよりは唯一、温かみのあるヒューマン・ドラマとなっており、北野のフィルモグラフィの中でも異色の作品とも言える。
この一転した作風を「露骨な賞取り狙い」と批判する向きもあり、実際にカンヌでは15分以上のスタンディングオベーションで絶賛された。が、結果的には無冠に終わっている(後に北野は、『座頭市』で監督賞を受賞する)。
今作においても久石譲が音楽を担当しているが、中でも『Summer』は、北野映画の音楽のみならず、久石の作品群においても最も知名度のある1曲といってよいほど有名である。
キャッチコピーは、「たくさん遊んで、すこーし泣いて」。
物語
小学3年生の少年・正男は、学校で友達が出来ないまま、一人ぼっちだった。
家には祖母がいるが、母親は遠くにいるときかされるだけで、写真でしか見たことがなかった。
夏休み、正男は貯金を抱えて家を飛び出す。母に会いに行くためだった。
それを見た近所のおばさんは心配して、毎日ブラブラしている自分の夫を子守りに同行させる。
こうして、無職の中年男と、一人ぼっちの少年の、奇妙な旅が始まった。
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