華厳宗単語

1件

ケゴンシュウ

1.3千文字の記事

掲示板へ

記事編集

華厳宗とは華厳経を根本経典として、依文とする宗派である。開創時においては宗派に偏らず学問を修める大学であった。

概要

華厳宗については、Wikipediaを参照

華厳宗と言えば、奈良の大仏が有名である。
大仏建造に当たり、2年前に国分寺・国分尼寺の創建、大般若経の写経があった。
当時は凶作や飢饉・疫病が蔓延して地震まであった。

国民は希望を失っていた。

時の帝、聖武天皇は国民に対して大規模公共事業を行った。

勿論、宗教的・呪術的な側面も否めないが、雇用の確保や、国分寺の創設など地域における精神的な安定を考えると、結構妥当な公共事業ではないだろうか。
　　現代で言えば、国立図書館・国立美術館・国立博物館を造るのとそう変わりない様に思える。

歴史書の記述(趣意)

聖武天皇の詔(みことのり)

朕、薄徳を以て忝くも大位を承け、志を兼済に存じ勤めて人物を撫す。

卒土の浜すでに仁恕に霑(うるお)うといえども普天の下未だに法恩に浴せず。

誠に三宝の威霊に頼りて乾坤相泰(けんこんあいやす)んじ、万代の福業を修めて、動植物ことごとく栄えんことを欲す。

ここに天平15年10月15日を以て菩薩(みちをもとめるもの)の大願を発し、盧舎那仏の金銅像一躯を造り奉る。

国の銅を尽くして像を作り泰山を持って堂を構え、広く法界に及ぼして朕が知識成し遂に同じく利益を蒙りて共に菩提を致さしむ。

夫(そ)れ天下の富を有(も)てる者は朕なり、天下の勢い有(も)てるものも朕なり、

この富と勢いをもってこの尊像を造る。

現代語訳(趣意)

聖武天皇の詔（みことのり）

私(わたくし)は、志ある人の中でもとるに足らない方ですが、偉大なご先祖様やもろもろの賢聖に申し訳なくも皇位を継承して「国民の皆様を幸福にしなければ」との思いを常に志してきました。

それは皇位を継承して以来、勤めて人や物を撫で、慰めてきた所です。

そして、ようやく国民の皆様を私の在位中(生きている間)にどうにか口腔を潤すことが出来ましたが、まだ、全国民を万象(法)の恩恵に浴させておりません。

そこで、私のような少しの志の者は、本当に三宝(神と人との間に居る、行い良しとされる仏・法・僧)の威霊(ことごとくのもの)にお頼りし、国民の皆様に対して安定的な平和と皆様の幸福を願うことによって、この世のすべての生命が皆栄える事を望みます。

天平15年10月15日ここに、菩薩(みちをもとめるもの)の大きな願いを発表し、毘盧遮那仏の像を一体造ることにしました。

国中の銅を使い尽くして像を作り、大きな山を削ってお堂を構え、広く全宇宙にその能(よ)い力を行き渡らせて、私(わたくし)と国民の皆様の知識として、その智慧を供え養いたい所です。国民の皆様と共に全宇宙に存在する生きとし生けるものへの利益によって、みなさまと一緒にさとりを求めようと思っております。

日本の国を代表してその富を持っているのは、私(わたくし)です

日本の国の権勢を代表して持っているのも私(わたくし)です。

この、日本の富と権勢を私(わたくし)が代表して、毘盧遮那仏の尊像を造ります。