落鉄とは、馬の蹄鉄が外れることである。現代では競走馬の蹄鉄が外れることでこの用語が使用されることが多いため、ここでは競馬での使われ方を中心に解説していく。
概要
馬は蹄というものを持つ奇蹄類の動物である。この蹄というものは人間の中指にあたる部分の先端が発達し、馬の肢端を保護しているのであるが、家畜化されてしまった馬はこの蹄が弱く、強い衝撃が加わってしまうと蹄が摩耗してしまう。そこで馬の蹄を保護するために作り出されたのが蹄鉄と呼ばれる”U”字型の器具である[1]。
蹄鉄の起源ははっきりと分かっていないが、中世以降ヨーロッパでは馬に装着されるようになった。とくに近世のイギリスでは蹄鉄が馬にとって最も重視される器具であるという認識が広がり、それが近代競馬の発展に繋がっていく。馬は中近世ヨーロッパ、アメリカでは兵器でもあったため、産業革命にともない蹄鉄も量産化されていった[2]。
※余談ではあるが、古代の日本でも蹄の保護は重要視されていたため、馬の蹄を炙って硬くする、馬沓と呼ばれる繊維質の保護布を履かせるなどの工夫がなされていた。
落鉄の話に戻るが、蹄を保護するための蹄鉄が外れることは競走馬にとってマイナスな事しかないのは事実である。過去にはイソノルーブル落鉄事件や、出走中に落鉄したことで物議を醸したレースも存在する[3]。落鉄したことは騎手にも伝わるようで、やや滑るような感触を覚えるという。また外れた蹄鉄が後ろを走る競走馬の騎手に当たり、骨折するといった事も起こっている[4]。
では落鉄はレースに影響するのかという議論については結論からいうと、レース結果に影響しないというJRA競走馬総合研究所による検証結果が出ていて、『優駿』2012年11月号にも掲載されている[5]。一方で元装蹄師の西内荘氏は、蹄鉄は外れてしまったらいい方だが、外れずに不安定なままくっついているとレースに影響をすると語っている[6]。
また落鉄をしないように装蹄すればよいのではという意見が見られるが、これも西内氏曰く、蹄鉄に強い衝撃が加わったとき落鉄をしてくれなければより蹄が悪化する場合もあるという。装蹄師はこのあたりの加減も考慮して日々装蹄していることを理解していただきたい。
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関連項目
脚注
- *JRA 競馬用語辞典より
- *https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/2019/06/post-6c8b.html 2023年5月29日閲覧
- *近年ではサトノダイヤモンドとマカヒキの2016年東京優駿(日本ダービー)、シュヴァルグランとキタサンブラックの2017年ジャパンカップが例に挙げられる
- *2022年 7月2日 福島1R 障害3歳上未勝利 五十嵐雄祐騎手
- *https://company.jra.jp/equinst/magazine/pdf/Y-2012-11.pdf 2023年5月29日閲覧
- *関連項目「競馬のおはなし」より
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