蒼崎橙子とは、『空の境界』に登場する人物である。CV:本田貴子(劇場版)・井上喜久子(ドラマCD)
概要
『魔法使いの夜』の主人公・蒼崎青子の姉で、魔術協会から封印指定を受けている最高位の人形師。
『空の境界』では表向きは建築デザイナーとして建設デザイン会社兼人形工房”伽藍の堂”を設立している。黒桐幹也もその従業員である。ただし、デザインに関わるのは橙子がやりたいと思った仕事だけであり、実際には何でも請け負い業者になっている。営業実態はかなり適当で、そもそも事務所自体に魔術による人払いの結界が施されており、通常ならば人が来ることさえない。従業員に給料が支払われないこともしばしばである。
が、同作7章「殺人考察(後)」の後に行方不明となる。その後の足取りは不明だが、冬木市で起きた第五次聖杯戦争において彼女と思しき人形師がわずかながら助力をしている。詳しくは後述。彼女が去った後の“伽藍の堂”は両義家が金融方面の事務所として継続使用している事が第8章「未来福音・序」にて明らかになった。
昏睡から目覚めた両儀式のカウンセリングや魔眼の使い方の指導をしたり、兄にくっついて事務所に入り浸るようになった黒桐鮮花の魔術の師匠にもなっている。
眼鏡の付け外しで人格をスイッチできる。ただし、二重人格というわけではなく、いわゆる表向きの顔、裏向きの顔といったものである。また、ヘビースモーカーでもあり常にタバコをくわえている。
魔術師として
本来は祖父から「魔法・青」を受け継ぐ次期魔法使いであるはずだったが、妹の青子との継承者争いに敗れてロンドンに出奔。ルーン魔術にその才能を発揮し、魔術協会の総本山のひとつである時計塔で名を馳せる。その後、人形師としての活動も開始するが、その優秀さゆえに封印指定をもらい魔術協会からも逃亡。『空の境界』時点では日本に潜伏中である。
「本人と寸分違わぬ」人形を作り上げており、何らかの理由で活動中の個体が活動を停止するとスペアが活動を開始する。このためか、今活動中の自分がオリジナルなのかどうかすら自分自身でも分かっていない。
魔術協会から「赤」系統の称号をもらっているが本人はこの称号を嫌っており、橙子の事を「傷んだ赤色(スカー・レッド)」と呼んだ者は「例外なくぶち殺している」らしい。なので橙子の事をこう呼ばないように注意しなければならない。
別作品での蒼崎橙子
『月姫』の遠野志貴が愛用している眼鏡は元々橙子のものである。お気に入りの眼鏡を奪われた腹いせに青子名義で買い物に勤しんでいる。が、そんな事していたら魔術協会に居場所を知られてしまいますよ、と誰か忠告したほうがいいかと・・・
『Fate/stay night』でもはっきりとした名前までは出ないが、彼女を連想させる人形師の存在がほのめかされている。また、前日譚となる『Fate/Zero』では全身麻痺となってしまったケイネス・エルメロイ・アーチボルトに代わりの身体を提供した人形師の存在がほのめかされている(ドラマCD版・書籍版のみ。アニメでは尺の都合で当該シーンがカットされている)。
『Fate/EXTRA』にもゲストとして登場。
オールスターアニメ『カーニバルファンタズム』にも、最終話にて式・鮮花と共に登場(ただし声なし)。志貴を柱の陰からタシーロしている妹・青子を見て呆れている。この世界の蒼崎姉妹は普通そうで安心しました。
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』ではなんと封印指定が解除されていることが判明。作品中では第五次聖杯戦争開始前の時間軸なので、この後に再指定されてなければ『Fate/stay night』以降でも封印指定はされていないことになる。七段階に分けられた魔術師としての階位のうち最高位「冠位」[1]持ちであることが判明し、時計塔の面々からも注目されている。また、ケイネスに義体を提供したことも本人の口から語られた。さらに『空の境界』での戦闘法から一歩進んだ戦闘スタイルを見せ、エルメロイ教室の若き俊英たちを手玉に取った。
『2015年の時計塔』では友人の誘いに応じて再び時計塔を訪れている。封印指定として永久保存されることはなくなったようだが、客分として手元においておきたい勢力は多いようで、時計塔に囲われてしまうことが嫌な本人はやはり普段は外部を逃げ回っている。
デザインの変遷について
空の境界
『空の境界』の蒼崎橙子には、水色のショートカットと赤のポニーテールというまったく違う二つのデザインが存在している。また、後者デザインのほうが胸なども強調されている(ように見える)。
これは劇場版制作を機に他のキャラはそのままだったのに橙子のみがリデザインされたためである。なぜそうなったのかは、後述の原作者たちからの扱いを参照。
Fate/EXTRA
『空の境界』劇場版公開よりも後に発売された本作品だが、ゲスト出演した橙子は旧デザインが使用されていた。
魔法使いの夜
『空の境界』から時系列的には過去に当たり、橙子がまだ10代だった頃の話である『魔法使いの夜』のデザインは1997年のイラストではオレンジ色の髪に眼鏡有りだったが、キャラクターマテリアルでは黒のロング・眼鏡なし・制服と、これまたまったく違う橙子となっている。
なお、劇場版『空の境界』での学生時代の橙子は赤のロング・メガネ有り・礼園女学院の制服となっており、劇場版で一新されたデザインをキャラクターマテリアル版にフィードバックした姿をしている。アニメ『プリズマイリヤ Zwei』においてもこのデザインで登場した(姉妹の話をしている最中のイメージ映像として)。
そしてPCゲーム『魔法使いの夜』においてデザインは更に変わり、赤のショートで眼鏡有りのお姉さんといった容姿に変更された。おっぱいも劇場版仕様。また、元々は青子より二歳年上だったのが、この作品において四歳年上に変更されている。
原作者たちからの扱い
元々『空の境界』は『魔法使いの夜』での橙子の扱いを可哀想に思った奈須きのこが橙子を活躍させる為に作ったものでもある。
『魔法使いの夜』がとんでもなく大好きな武内崇が橙子を最初にイラストにした際、青子や有珠の事もありきつめにしていたのだが、『空の境界』を読み続けて行くうちに「何かいい奴じゃね?」と思ったようで、劇場版をきっかけに周りはしなくてもいいと言ったのにイラストをデザインし直している。なお、この件に関しても青子は文句を言っている。
いわばTYPE-MOONの中核をなす二人から愛されているキャラクターであるといえる。
関連動画
お絵カキコ
関連項目
脚注
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