藤堂高吉単語

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藤堂高吉（とうどう・たかよし　1579～1670）とは、安土桃山時代から江戸時代にかけての武将である。

概要

丹羽長秀の三男。幼名は仙丸（せんまる）。はじめ豊臣秀長、その次に藤堂高虎の養子となるも、そのどちらの跡継ぎになることのできなかった運の悪い人。名張藤堂家初代当主。

生涯

秀長から高虎の養子に

清洲会議の後、羽柴秀吉が丹羽長秀を取り込むため、仙丸は秀吉の弟・羽柴秀長の養子として迎えられた。

実子のいない秀長の後継になるはずであったが、後に秀吉が甥である豊臣秀保（豊臣秀次の弟）を秀長の跡継ぎに指名した事で、仙丸の存在は宙に浮いてしまう。そこで秀長の家臣であり、実子のなかった藤堂高虎が仙丸を引き取って養子とし、藤堂高吉と名乗ることになった。

一方、豊臣秀保は後に若くして亡くなり、大和豊臣家は断絶する。

藤堂家では

朝鮮出兵や関ヶ原の戦いで若年ながら活躍し、伊予に2万石を領した。ところが関ヶ原の戦いの後に、高虎に待望の実子・藤堂高次が誕生。高吉は再び後継者の座から降ろされてしまった。以後は藤堂家の一門・家臣として仕える。

やっぱり赤の他人である養子より、血の繋がった我が子の方がかわいいのが人間の性。徐々に高虎は高吉を疎んじるようになり、 高吉は参勤交代でハブられたり、些細な騒動を理由に蟄居させられたりした。1608年、高虎は伊勢・津に移封されるが、今治周辺の領地2万石が飛地として残されたので、高吉は今治城代に任命されて伊予に置いていかれた。
殺生関白のように粛清されなかっただけマシかもしれない…。

大坂の陣にも参戦し、夏の陣では長宗我部盛親と交戦した。

高虎が1630年に亡くなった後は、後継者となった高次に仕える。しかし高次にもこれまた冷遇され、高虎の葬儀には「おめーの席ねぇから！」と出席させてもらえなかった。

1632年、徳川家康の異父弟・（久松）松平定勝の子・松平定房が今治に移封となり、高吉が城代として統治していた2万石分の領地は津藩と同じ伊勢国内に与えられる。 しかし、高次の命により山の向こうの伊賀国・名張に領地替えとなった（これも冷遇策とも）。以後、高吉の系統は名張藤堂家1万5千石として続く。当初持っていた2万石のうち5千石は、藤堂本家の命令で高吉の次男たちに分け与えられたのだが、これまた名張家の力を削ぐ為の嫌がらせとも言われる。どんだけ酷い扱いなんだ。

その後の名張藤堂家

こうした対立関係が響いているのかは不明だが、以後の名張藤堂家は藤堂氏の通字である「高」ではなく、丹羽氏の通字である「長」を代々名乗っている。

名張家と本家との対立は、暴れん坊将軍江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の時代もなお続いていた。当時の名張家5代当主・藤堂長熙（高吉の曾孫）は、祖先である丹羽家を通して幕府に働きかけることで、本家から独立した大名になろうと考える。しかし、その動きはあっさりと本家にバレてしまい、本家の追及（というか圧力）により家臣3人が責任を取って自害、長熙は隠居して4歳の息子に家督を譲る羽目になった。

これ以降の名張家は本家からの徹底的な監視と圧力を受け続ける。家臣の旅行、他家への使者の派遣、他家からの使者を迎える際、常に本家の許可が必要になってしまった。ほか、名張家では慣例的に当主に対して「殿様」と呼称していたのだが、これも禁止。

…と散々な有様ではあったが、8代目は本家当主の娘を妻に迎えた（圧力かもしれないが）。これで9代目は本家藤堂氏の血を引く事になり、ようやく関係は改善に向かっていった。9代目は後継男子がいなかったので本家から婿養子を迎えて、以降は「高」の通字を用いる事になる。時既に幕末である。

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補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける藤堂高吉の能力一覧。

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関連項目

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• 藤堂高虎
• 豊臣秀吉
• 豊臣秀保
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