藤本渚(ふじもと なぎさ)とは、将棋棋士である。2005年7月18日生まれ。香川県高松市出身。井上慶太九段門下。棋士番号333。現役最年少棋士(2024年3月現在)。
棋歴
6歳で将棋を始め、小学1年生の冬にはアマ三段となる。小学2年生となってからは高松市内にある水田将棋会館に通うようになり、アマチュア竜王戦香川県予選で優勝経験がある席主から指南を受けた。小学3年生の時には弱冠8歳でアマチュア竜王戦香川県予選を優勝し、同大会史上最年少の都道府県代表となっている。翌2015年には奨励会試験を受けて不合格となったことを機に研修会に入会。この頃に井上慶太九段門下となっている。その後2015年の秋から2016年の春にかけて香川県のアマチュア王座(連覇)、アマチュア王位を獲得し、再度アマチュア竜王戦の香川県代表となるなど、県下のアマチュア棋戦で活躍。これで弾みをつけたのか、2016年(小学5年生時)の奨励会試験では見事合格している。
奨励会入会後は本人曰く「2級と初段で足踏みをした」とのことだが、それでも中学1年生で初段入品、高校1年生で三段昇段と全体としては順調なペースで昇級・昇段していき、プロ入り前最後の鬼門こと三段リーグも僅か2期で突破。高校2年生・17歳で2022年10月1日付の四段昇段(プロ入り)を決めた。これによって伊藤匠に代わり、現役最年少の棋士となる。藤井聡太が中学生棋士となって6年、ようやく現れた下の世代のプロ棋士である。[1]
2023年度には新人王戦、加古川清流戦という2大若手棋戦で決勝に進出。新人王戦決勝では兄弟子の上野裕寿四段相手に最終局で逆転負けを喫し、惜しくも優勝を逃すも、加古川清流戦では見事優勝。自身初の棋戦優勝を果たした。初参加となった順位戦では9勝1敗でC級1組昇級を決めた。
第65期王位戦では初参加ながら予選決勝で兄弟子の菅井八段を撃破し、挑戦者決定リーグ入りを果たしている。
棋風・人物
あどけない顔に似合わずゴリッゴリの力戦派居飛車党であり、相掛かりを得意としている。最新形の研究に定評のある若手棋士相手の対局でも気づけば力将棋に引きずり込み、五分以上の勝負に持ち込んでいることが多い腕力自慢。四段昇段後のインタビューでは矢倉と雁木は「ちょっと」で角換わりと横歩取りは「定跡を全く知らないので指せない」と答えている。もっともプロデビュー後は「ちょっと」のはずだった雁木を採用しての勝ちも目立つため、今後は戦法のレパートリーが増えることも考えられる。
目標とする棋士は羽生善治であり、「羽生九段のように衰えを知らない棋士になりたい」と語っている。
井上門下の兄弟子にあたる菅井竜也の後援会「竜棋会」の名誉会員であり、その菅井からは「すごく気持ちの入った将棋を指す」との評価を受けている。
コバケンこと小林健二以来となる47年ぶり2人目の香川県出身のプロ棋士。井上慶太は藤本の入門時に小林に確認を取ったという。
音楽は父親の影響でMr.Childrenの曲をよく聴いていたといい、奨励会から高松へ帰る車内で好んで流していたとか。3学年上のスピッツファンとの熱戦を期待したい。
昇段履歴
関連リンク
関連項目
脚注
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