虚構新聞とは、UK氏が主宰・運営するジョークサイトである。2004年3月開設。
名前の通り、掲載されている記事はほぼ全てジョーク・架空のものであるのが特徴。
かつては広告だけ本物を使用していたが、現在はそれすらも(一部ではあるが)虚構にすり替わった模様。
概要
元々は「楠木坂コーヒーハウス」という個人サイトを運営していたUK氏がエイプリルフール企画として嘘ニュースを掲載したものが始まりとされている。エイプリルフールが過ぎた後も企画は継続され、当初は先述のサイト内にサブページとして作られていたが2008年頃に専用の独自ドメインを取得し、先述の個人サイトから分離独立した。
独立後のサイトデザインはUK氏の住む滋賀県で刊行される京都新聞をベースにしたもので、その後も朝日、読売、毎日、産経など主要新聞社のWebサイトをそれぞれ参考にしながら改編が行われ、現在のサイト構成へ至っている。
記事の「嘘」
虚構新聞に掲載される嘘ニュースは「一見ありそうで実は無い」にこだわっており、「本当っぽいけど、よく見ると明らかに嘘であることが分かる」記事を作ることに重きを置いている。記事のタイトルのすぐ横に背景と同じ色で「※これは嘘ニュースです」と書かれており、外部へコピペしようとして文章を選択すると嘘であることが分かる仕組みになっている。
しかし近年はTwitterなどのマイクロブログの台頭により、記事タイトルとURLのみが拡散された結果、実際のニュースだと誤解してしまう(釣られてしまう)ユーザーが多く出ている。うそはうそであると見抜ける人でないと(ry
また、あまりに精巧すぎたのか、過去にWall Street Journalが「日本での報道」として実際に記事へ引用してしまう事態が起きた。この記事は後に修正されている。→当該記事 \ 事の顛末を記した2chニュース速報板のスレッド
嘘から出たまこと
先述の通り「ありそうで無い」ことを忠実に執筆した結果、嘘ニュースの記事が現実に具現化してしまうこともある。
代表例としては
- ど根性スイカ (2006年6月19日)
「ど根性大根」のパロディであったが、後に和歌山県で第1号が発見され、その後も大阪府、佐賀県、京都府で同様の報告があった。 - クラゲから色素抽出 透過率99%以上 (2006年7月31日)
2011年になって日本電気硝子が実際に透過率99.5%の「見えないガラス」の開発に成功した。 - 音楽配信の雄、リスモくん死去 5歳 (2011年9月23日)
元々はiPhoneがauからも発売されることになった経緯を受けての記事であったが、後にauから「LISMO Music Wave」のサービスや「Android by au」のキャッチコピーの使用が全て終了することが発表された。 - 体罰被害申告サイト「体罰.in」公開 匿名でも通報可能(2013年2月18日)
こちらも「予告in」のパロディだったが、元ネタの作者によって本当に作成された。(お詫び記事) - 北朝鮮、一方的に「戦争勝利」を宣言 挑発ライン越える(2013年4月8日)
体罰.inから2か月弱。FNNニュースにて「金正恩第1書記が2週間ぶり公の場に 北朝鮮は事実上の勝利宣言」との報道がされた。今回もお詫び記事が出たが、「反省してまーす。」「うっせぇな」と、反省の色を見せなかった(半ば当然ではあるが)。 - 森永チョコ、144個入り「グロス」発売へ(2013年7月4日)
二度あることは三度ある。勝利宣言から3ヶ月。『おっとっと、イルカの製造を中止(2013年6月24日)』を見ていた森永のツイッターアカウントが『ダースもネタに』とツイートしたため、森永の『ダース』のパロディとして執筆された。ところが、7月9日に森永のツイッターアカウントが『グロス』を限定発売することを発表してしまい、わずか数日で事実となってしまった。本物の『グロス』は7月10日に12個限定で発売されることになっており、全額実費負担での取材および店舗で虚構新聞読者に直接謝罪と言うことになった。(お詫び記事)
また、最近では「ありそうで無い」ことを逆手に取り、実際に起きた虚構のような事件を皮肉を込めて報道するというパターンもある。
虚構新聞が「事実」を書く日
そんな虚構新聞だが、嘘ニュースではない事実を書く日もある。それは4月1日。虚構新聞にとってのエイプリルフールとは、ごく一般的な事実を書くことである。なお、そういうものには、記事のタイトルのすぐ横に背景と同じ色で「※これは本当のニュースです」「※これは嘘ニュースではありません」と書かれている。
- 2016年には、「゜」が消失したしたシャープ(関連記事)に対してのインタビュー記事を掲載。
- 2019年には、この日発表された新元号に関し、「【速報】新元号は『令和』」とtwitterに掲載。
- 新型コロナウイルスが蔓延する2020年には、科学コミュニケーターの本田隆行氏へのインタビュー記事を通じて注意喚起。
UK氏は2020年の記事へのねとらぼのインタビュー(下記参照)に「わざわざエイプリルフールに嘘をつかなくてもいいんじゃないでしょうか」と回答している。
関連商品
書籍とiPhoneアプリがそれぞれ存在する。こちらはれっきとした本物の商品である…らしい。
iPhoneアプリはこちら
App Store - 虚構新聞
メディア露出
社主(管理人)のUK氏は過去何回かインタビューを受けている。
- ASCII.jp:99%がウソ記事!?──「虚構新聞社」の社主が語る、ノンフィクションな本音|古田雄介の“顔の見えるインターネット”
- フィクションばかりを配信する謎のニュースサイト「虚構新聞」 その“真実”に迫る « 中の人直撃インタビュー « トレンド:@niftyビジネス
- 虚構新聞がエイプリルフールに“本当”記事掲載 社主「わざわざエイプリルフールに嘘をつかなくてもいいんじゃないでしょうか」:ねとらぼ
また、ITmediaにて連載企画も行われている。
虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ! - ねとらぼ
このほか、社主UK氏本人がまとめているページがあるので参考に。
広告掲載・執筆依頼 - 虚構新聞
関連チャンネル
関連項目
- 9
- 0pt