複雑骨折(ふくざつこっせつ)とは、骨がばらばらに複雑に骨折することではない。皮膚や膠原繊維(コラーゲン)、脂肪なども損傷して骨折部が露出した骨折のことである。
概要
複雑骨折という名前から冒頭の前者の意味だと思っている人も多いが、骨がばらばらになっている骨折は粉砕骨折である。複雑骨折の複雑というのは、骨折だけでなくその周囲の組織も大きな損傷を受けていること(さらに言えばそれにより感染症も合併すること)を指している。なお、このような勘違いを生むこともあることから、読んで字のごとくで医学に精通していない人でもわかりやすい開放骨折と呼ぶことが多くなってきている。
なお、骨が露出していない普通の骨折は単純骨折と呼ぶ(粉砕骨折でも骨が露出していなければ単純骨折となる)。こちらも複雑骨折と同様の理由から閉鎖骨折と呼ばれることも多い。
複雑骨折への対処・処置
複雑骨折の問題は、創部が露出していることによる大量出血のリスク及び感染症である。
単純骨折でも出血は起こるのだが、骨が露出していないので出血も内出血となり、たまってきた血液に圧迫されて出血が止まるために出血量が多くなることはない(骨盤骨折などの例を除く)。しかし、複雑骨折は露出しているために体外に血液が流れ出てしまうため、なかなか止血されずに大量出血につながってしまうのである。
また、骨は本来清潔であり、細菌が繁殖することはないのだが、露出することにより最近の感染が生じてしまう。したがって複雑骨折では同時に創部の洗浄および抗菌薬の投与を行う必要がある。
骨折が生じているので固定も必要なのだが、状態によっては感染のコントロールを優先し、安定してから固定を行うこともある。
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これといったのがないっぽい
関連項目
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