襟裳岬(えりもみさき)とは、北海道幌泉郡えりも町にある岬である。
概要
位置的には北海道の菱形部分の最南端にあたる。北海道の背骨とも呼ばれる険しい日高山脈が海に沈みこむ場所であり、海に鋭く突き出した地形が地の果てに来たことを実感させてくれる。日高山脈襟裳十勝国立公園の一部を成し、国指定の名勝「ピリカノカ」にも指定されている。
その名の由来は、「岬」を意味するアイヌ語エンルム(enrum)と言われている。
沖合で寒流と暖流がぶつかり合うことから濃霧が発生しやすく、強い海風や数多の岩礁も相まって自然環境的には厳しい土地である。一方で日本屈指のゼニガタアザラシの生息地としても知られ、運が良ければ岩場で体を休めるゼニガタアザラシの姿を見ることができる。
かつて無計画な伐採により、周辺一帯が砂漠化したことがあり、強風で飛散する砂塵により周辺住民の日常生活や漁業に悪影響を及ぼしたことから、緑化事業が行われている。
なお、2025年3月現在、襟裳岬は離島を除く日本の領土の中で最も鉄道駅から離れている地点となっている。最寄りのJR根室本線・新吉野駅からの距離(国道336号経由)は約117km。ちなみにJR日高本線の一部廃止前は様似駅が最寄りであったが、そこからでも約37km離れていた。
施設等
- 襟裳岬「風の館」
- 襟裳岬の自然環境をテーマにした科学館と、展望台が併設された建物。
目玉は風速25mの風を体験できる「えりも風体験」コーナー。ここには、ご当地萌えおこしプロジェクト「青春☆こんぶ」のキャラクター、千島霧夏と岬襟萌のパネルが置かれている。健全な男子諸君なら、風でなびくスカートを押さえる仕草にグッとくること請け合いである。 - 襟裳岬歌碑
- 「襟裳岬」というタイトルの歌の歌碑が2つ建立されている。ひとつは島倉千代子の曲、もうひとつは森進一の曲のものである。同名異曲の歌碑が複数建立されているのは珍しい。
- 御製碑
- 2006年に時の天皇・皇后両陛下が緑化事業の見学に訪れた際に詠まれた御歌を刻んだ記念碑。
- 襟裳岬灯台
- 濃霧や強風により厳しい環境にある襟裳岬周辺を航行する船舶の安全のために設置された、白亜の灯台。日本の灯台50選にも選ばれている。
- えりも岬観光センター
- 海鮮などを提供する食堂と、お土産屋が入っている。
アクセス
前述のとおり、JR日高本線の一部廃止により最寄駅から非常に距離が離れてしまっているため、公共交通機関で訪問するのは宗谷岬(日本最北端)や納沙布岬(日本最東端)以上の労力を要する。したがって、主なアクセス手段は自家用車やレンタカー等になるだろう。
襟裳岬周辺にはジェイ・アール北海道バス日勝線のえりも岬停留所があるが、道内主要都市からの直通便は存在せず、札幌・苫小牧方面からだと様似やえりも、帯広方面からだと広尾で乗り換えが必要となる。本数も4~5便/日と少ない。
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関連項目
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