![]() |
【ニコニコ大百科 : 医学記事】 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
要精密検査とは、健康診断の結果で最も悪い判定(評価)のことである。
概要
健康診断の結果、明らかに異常(病気)と思われる数値であり正常範囲(基準値)から大幅に外れているため、なるべく早く(1ヶ月以内に)病院で詳しい検査(精密検査)を受けなさいと案内する判定。検査を受けた場所(病院など)によっては要治療(要医療)と呼ぶこともある。
健康診断で最も悪い判定区分であり、この評価をもらったらなる早で病院に行く必要がある(場合によっては治療も必要となる)。要精密検査の指示を無視しても特にペナルティ(罰則)は無いが、無視して悲惨な末路(脳卒中、心筋梗塞、肝硬変、末期癌、失明など)になってしまっても自業自得であり誰も責任をとってくれないので、素直に従おう。
ちなみに勘違いされがちだが、この判定をもらったからと言って必ずしも治療(薬物、手術など)が必要であるとは限らない。精密検査の結果、そこまで深刻な病気ではなかったとして経過観察で様子を見ることも少なくない。というのも健康診断は(あくまで病気の治療ではなく早期発見が目的であるため)通常の検査よりも評価が厳しくなっているからである。
要精密検査となる数値の例
実際には検査した病院によっても大きく異なる。ここであげた数値は日本人間ドック学会のものである。
血中脂質濃度
- 悪玉コレステロールことLDLコレステロール(基準値は120mg/dl未満)…180mg/dl以上
- 善玉コレステロールことHDLコレステロール(基準値は40mg/dl以上)…35mg/dl未満
- 中性脂肪(基準値は150mg/dl未満)…500mg/dl以上
- Non-HDLコレステロール(基準値は150mg/dl未満)…210mg/dl以上
糖尿病検査
- 空腹時の血糖値(基準値は100mg/dl未満)…126mg/dl以上(糖尿病の診断基準)
- 食後2時間後の血糖値(基準値は140mg/dl未満)…200mg/dl以上(糖尿病の診断基準)
- ヘモグロビンA1C(基準値は5.6%未満)…6.5%以上(糖尿病の診断基準)
血液一般項目
- 血色素量ことヘモグロビン(基準値は男性13.1〜16.3mg/dl、女性12.1〜14.5g/dl)…男性12.0g/dl以下(または18.1g/dl以上)、女性11.0g/dl以下(または16.1g/dl以上)
- WBCこと白血球数(基準値は3.1千〜8.4千個/μL)…3千個/μL以下、または10千個/μL以上
- PLTこと血小板数(基準値は15万〜35万個/μL)…10万個/μL以下、または40万個/μL以上
肝機能検査
- GOTことAST(基準値は30U/L以下)…51U/L以上
- GPTことALT(基準値は30U/L以下)…51U/L以上
- γ-GTP(基準値は50U/L以下)…101U/L以上
- B型肝炎ウイルスことHBs抗原(陰性なら正常)…陽性
- C型肝炎ウイルスことHCV抗体(陰性なら正常)…陽性
腎機能検査
- 尿酸値(基準値は7.0mg/dl以下)…9.0mg/dl以上
- 血清クレアチニン(基準値は男性1.00mg/dl以下、女性0.70mg/dl以下)…男性1.30mg/dl以上、女性1.00mg/dl以上
- 推算糸球体濾過量(基準値は60ml/分/1.73m2)…45ml/分/1.73m2未満
- 尿検査(いずれも陰性なら正常)…尿糖、尿潜血(血尿)、尿蛋白(蛋白尿)のいずれかが陽性の場合
血圧測定
心電図検査
波形、心拍数ともに異常がみられなければ正常と判定される。
逆に少しでも不整脈や心臓病(狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全など)の疑いがある場合は異常と診断される。
聴力検査
視力検査
両目とも1.0以上なら正常。逆に片方でも0.7未満なら異常と診断される。
胸部X線検査
怪しいものが何も写らなければ正常。
逆に肺結核、肺炎、肺がん、心臓病、心不全などの疑いがある場合は異常と診断される。
要経過観察
要精密検査(要治療)より1ランクマシな判定。要再検査と言うこともある。
病気と断定できる数値ではないものの基準値から外れており、今後病気に進行する可能性があるため生活習慣の改善(食事療法、運動療法など)が必要とされる。また、3ヶ月後(または半年後)に再検査を受けなさいと指示されることもある。
要精密検査ほど深刻ではないと言われることも多いが、決して油断できない判定でもある。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 1
- 0pt