見せ大谷とは、見せるだけの大谷翔平である。
概要
SMBC2016日本シリーズ第6戦。北海道日本ハムファイターズと広島東洋カープの試合中の出来事。
3勝2敗で日本一に王手をかけたファイターズは4-4の同点で迎えた8回表、2アウトからカープのリリーフエースであるジェイ・ジャクソンを攻め、3連打で満塁のチャンスを作る。ここで迎えるバッターはファイターズの4番、中田翔。
しかしその時、ネクストバッターズサークルには途中交代で5番の打順に入ったピッチャーのアンソニー・バースではなく、大谷翔平が現れたのだった。打つ気満々で素振りを始めた大谷に一気に雰囲気は盛り上がり、ここで勝負をかける、あるいは代打で出場後に展開によってはそのままリリーフなどという、様々な状況が考えられた。
しかしジャクソンのコントロールが定まらずに中田が押し出しのフォアボールを選んだ後、大谷は何食わぬ顔でベンチへと引き上げ、本来の打順の通りピッチャーのバースがバッターボックスへと入ったのだった。
「強力なバッターをネクストに代打としてちらつかせることで、ピッチャーにプレッシャーを与える」という作戦はよくあるが、栗山英樹監督はそれを実行したものと考えられた。果たしてその効果がどれほどだったかは定かではないものの、結果として中田は勝ち越しのフォアボールをもぎ取ることになる。
5-4で勝ち越したファイターズだったが、続くピッチャーバースがなんとセンター前タイムリーヒットで1点追加(バース緊急来日)、さらにパ・リーグホームラン王の6番ブランドン・レアードが勝利を決定づける満塁ホームランを放つ。この回一挙6点のビッグイニングとなり、10-4のスコアのままファイターズが日本一へと輝いた。
その結果、「大谷を見せただけで相手が動揺したのではないか」という話題がネットを中心に広まり、「見せ大谷」なる言葉が誕生した。さらには大谷がネクストに立った後の中田、バース、レアードで6点を上げていることから、全盛期の○○伝説ネタになぞらえて「ネクストに立つだけで6点を取る男」「素振りで6打点」や、投打二刀流の大谷がどちらも使っていないことから「無刀流」などという言葉まで生まれる事態となった。
なお、栗山監督は「勿論作戦、選択肢はバースしかなかったので使うつもりはゼロ。当人にも伝えていて『戻ってこい!』と言ったのに知らん顔で打とうとしてて、嫌味みたいに戻ってきた。打ちたかったんでしょうね」という趣旨の発言をしており、本当に「見せ大谷」としての作戦だったようである。ちなみにバースは割とバッティングも得意な投手であり、交流戦時の打撃練習では何本も柵越え打球を放っていた。
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関連項目
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