観察しろというのは……見るんじゃあなくて観ることだ…聞くんじゃあなく聴くことだとは、注意深く観察する事の手ほどきである。
概要を理解しろというのは…分かるんじゃあなくて解ることだ…
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part4ダイヤモンドは砕けないに登場する、空条承太郎の台詞。
杜王町の殺人鬼(吉良吉影)の証拠となるボタンがついた上着を、『靴のムカデ屋』で修理してもらっていたのをようやく見つけた空条承太郎と広瀬康一だったが、店主が注文した客の名前を読み上げようとしたところで吉良吉影のスタンド「キラークイーン」の第二の爆弾「シアーハートアタック」が口封じに襲撃する。
吉良はドアの影から手を出して上着を持ち去ろうとしているが、わざともたつかせてシアーハートアタックの爆発に承太郎と康一を巻き込もうとする。康一は証拠を持ち去られるとうっかり近づこうとするが、承太郎には演技と見破られ止められる。
シアーハートアタックは爆発して店主はこなみじんに吹き飛ばされ、吉良は上着を持ち去り裏口から逃げ去る。急いで康一も追おうとするが、再び承太郎に止められる。今追えば『犯人』の正体が見れるのにと反論するが、『注意深く観察して行動しろ』と承太郎は忠告する。
上着は持ち去られ客の名札も惜しくも見えなかったのだが承太郎は、服の大きさから身長175cm前後、職業は会社員でボタン修理程度で服を預ける事から結婚はしていない、そして上着の生地とデザインから高級ブランドとみて結構裕福で年齢は25歳から35歳と推測。下手に追跡しなくても犯人像をそうとう限定できるくらいの観察力で推理してみせた。
そして吉良を追わない理由、というより追えない理由はまだ店内のどこかに爆弾スタンド「シアーハートアタック」がいるからだ。しかし、承太郎は見てはいないのにいる『はず』というのは康一もあまり納得はしていない。用心深すぎてスタンドがいなかったら犯人をみすみす見逃してしまうからだ。
だが承太郎は、吉良が面識のある店主だけを始末して逃げる様な男だったら15年以上も殺人を続けて逃げのびれるようではない。証拠は全て消すやつだから、自分たちも始末する気だという。そして未だ「観察しろ」という事がどういうことかわかっていない康一に、承太郎は忠告する。
観察しろというのは……
見るんじゃあなくて観ることだ…
聞くんじゃあなく聴くことだ
ぼくは承太郎さんを『人生の教師』と思うべきだったのだ!(クリックで詳細を表示)
承太郎の言う通り、シアーハートアタックはまだ店内におり襲撃してきた。承太郎はスタープラチナで時を止めながら拳のラッシュを叩き込むが、破壊力の最高クラスであるスタープラチナですらシアーハートアタックは壊せないくらい頑丈で、しかもパワフルな突撃と爆破衝撃を併せ持つ。
康一は半ば興奮しながら、『スタンド』は遠隔操作なら決して強力な『パワー』では動けないから本体は10メートル以内にいるはずと承太郎に意見し、自分の『エコーズ』なら射程距離50メートルで犯人を追えると言うが、再度承太郎に犯人を追うなと返される。承太郎は自分の経験で近くで操作しているにしては動作が単純で向かって来る動きしかしない、遠隔で動いてるスタンドだと推理している。
やはり納得がいかず、軽く見られていると感じた康一は勝手にエコーズを飛ばして吉良を探すが、すでに吉良はエコーズの射程50メートルの外にいた。ありえないとさらに興奮して息を荒げる康一に、今まで承太郎を狙っていたシアーハートアタックが攻撃の対象を変更して突撃してきたのだ。承太郎の推理通り、パワフルに攻撃しているのに単純な攻撃なのは作中で初めてその概念が表れる『自動操縦』で、体温を探知して自動的に攻撃するから興奮して体温の上昇した康一に対して攻撃するようになったのだ。
承太郎が身を挺して守ったおかげで康一は助かったが、至近距離の爆発を喰らって承太郎は気を失うほどの大ダメージを受けてしまう。康一は忠告を無視してしまった自分を利口ぶってる最低のマヌケと評し、承太郎のことを『人生の教師』『厳しい教師』と理解すべきだったと本当に後悔した。
しかし、承太郎を運びながらシアーハートアタックの追跡から逃げる途中でよく観察した事で、「熱に向かって決して突撃をやめない」ところに『弱点』がある事を見つけ、エコーズACT2のしっぽ文字による『熱』で攻撃を回避した。そしてその成長はエコーズがさらなる成長を遂げる事につながるのである。
「見る」と「観る」の違い、「聞く」と「聴く」の違いとは――
- 見る
- 意識せず視界に入って来た物を受動的に「みる」。
- 観る
- そこに意識を傾けて意図的に視界に入れて能動的に「みる」。
- 聞く
- 音声が耳に自然に入っていく受動的な「きく」。
- 聴く
- 音声の出所にまで意識を向けて注意深く耳を傾ける能動的な「きく」。
同じ「みる」と「きく」でも、注意して観たり聴いたりしなければその対象の行動や長所・短所に気づかないものである。様々な特徴を持つスタンドと闘ってきた承太郎は、スタープラチナの高性能なスペックのみでなく冷静な判断力を最大の武器とした歴戦のスタンド使いの戦士であり、スタンド使いとはいえ未だ町の平和な少年である康一を死なせないために、身を守るための術を教えた名台詞と言えるだろう。
しかしこの台詞、「一見」または「一聞」しただけでは漢字が違うだけで同じ「みる」「きく」なのでその真意が伝わりにくいという点がある。特に漢字の違いが伝わらない音声ではますます伝わりにくいだろう。この点をみて、TVアニメ版では、台詞を以下のようにアレンジしたと同時に、映像内で「見る」「観る」「聞く」「聴く」を表示し、「見」ても「聞」いてもわかりやすいようにしている。
観察しろというのは……
ただ見るんじゃあなくてよく観ることだ
ただ聞くんじゃあなくしっかり聴くことだ
関連動画を視聴しろというのは…見るんじゃあなくて観ることだ…
関連商品を購入しろというのは…
ただ買うんじゃあなくて自分の物にすることだ…
関連コミュニティに加入しろというのは…
ただ入るんじゃあなくて交流を深めることだ…
関連項目も参照しろというのは…
ただ開くんじゃあなくてよく理解する事だ…
- ジョジョの奇妙な冒険
- ダイヤモンドは砕けない
- 空条承太郎
- 広瀬康一
- コッチヲ見ロ
- ジョジョの奇妙な冒険 関連項目一覧
- 日常会話に使えるジョジョの奇妙な冒険の台詞集
- ニコニコ大百科の旧基準である三十二文字制限を超えた三十三文字以上の長い記事名を持つニコニコ大百科の単語記事および生放送記事の一覧
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