角川書店とは、株式会社KADOKAWAが保有するブランド名である。
概要
雑誌、辞書、教科書、文庫など書籍の販売や、アダルトゲームをレーティングを下げ家庭向け用にして販売したりしている。また、2000年ごろよりアニメを自社を中心とした製作委員会を組織・出資し自社のライトノベル、マンガ、ゲーム作品をアニメ化している。
ライトノベルに強く、アニメなどメディアミックス率も高い。
そもそもメディアミックスを商業的に成功させ躍進した出版社である。
また、MADに割合寛容な権利者でもある(角川公認MAD参照)。
歴史
創業者は国文学者・角川源義。角川文庫の最終ページにおいて、その名前を見ることができる。元々は創業者が国文学者であったこともあり、国文学関連の書籍や角川文庫の発行がメインのお堅い出版社であった。
角川書店が一躍大手出版社として躍進したのは、源義の息子である角川春樹(兄)と角川歴彦(弟)が取り仕切るようになってからである。角川春樹は1970年代から自身の個人事務所であった角川春樹事務所(旧)を介する形で映画事業に参入。角川映画の過度な広告露出路線とメディアミックスにより映画本体と原作本を相乗効果で次々とヒットさせ、小学館、集英社、講談社と並ぶ大手出版社の仲間入りを果たした。この戦略は1970年代~80年代文化を象徴するものとして今なお語られている。一方、角川歴彦は『ザ・テレビジョン』『東京ウォーカー』などを創刊。ライトノベルの草分け的文庫レーベルの角川スニーカー文庫の創設も歴彦の功績と言われる。
1990年代に入り、春樹が手がける映画事業がことごとく不振に終わり、角川書店は多額の負債を抱えるようになる。その借金を歴彦が指揮をする雑誌やアニメ・ゲーム・ライトノベル関連部門の収益で補填する状況が続いていた。
この状況から、次第に春樹は「歴彦に角川書店が乗っ取られるのではないか」という疑念を持つようになっていく。
また、春樹の長男を角川に入社させた際の処遇の問題もあり、兄弟間での対立が決定的となった。
1992年、春樹が歴彦とつながりの深かった当時の常務を不正送金の疑いで事実上解任する。これに対し、歴彦はライバル会社・メディアワークスを設立し、主にアニメやゲーム関係の編集スタッフを引き連れて移籍させ角川本体を弱体化させる報復に出た。
「角川書店VSメディアワークス」という兄弟喧嘩が本格的に始まった矢先の1993年、春樹がコカイン密輸事件で逮捕され、角川書店の社長の座から失脚。柱を失った角川書店は、歴彦を呼び戻して会社を立て直すこととなった。
これがいわゆる「角川お家騒動」である。
復帰後は歴彦がメディアワークスと角川書店の社長を兼任する形がしばらく続いた後、2002年に正式に角川グループ入り。2008年にアスキーと合併してアスキー・メディアワークスとなって現在に至っている。
なお、この騒動の間に、有力編集者であった見城徹が幻冬舎を設立して独立。角川春樹も角川春樹事務所(新)を設立して独立。一時、コカイン密輸事件で実刑を受けていたが、今は出所して『男たちの大和』などを製作している。
2011年1月1日、角川映画株式会社を吸収合併した。大映や日本ヘラルド映画といった映画製作会社・配給会社をルーツに持つ角川映画を一体化したことにより、映像製作会社としての側面も強化された。がスタジオ部門は、2013年4月1日角川書店から映画スタジオ部門を分社し、株式会社角川大映スタジオが設立されている。
2013年3月29日に角川書店傘下であった角川シネプレックス以下のシネマコンプレックスをユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスに譲渡したが、角川シネマ新宿、角川シネマ有楽町の2館は角川書店直営の映画館として残り、角川映画作品の上映や角川グループ系作品のアニメ上映興行(舞台挨拶も含む)として活躍している。
2013年10月1日、KADOKAWAに吸収合併され、法人格としては消滅し、ブランドカンパニーとなっていた。
2015年4月1日、ブランドカンパニーを廃止し、ジャンルごとの局として再編することになり、
組織としての「角川書店」は消滅することになる。「角川書店」の名称はブランド名として残ることになった。
主なレーベル
主な作品
雑誌
子会社・兄弟会社(角川SSコミュニケーションズ、富士見書房、アスキーメディアワークス、エンターブレインなど)を含まない。
- 東京ウォーカー
- 関西ウォーカー
- ザ・テレビジョン(週刊、月刊、ザ・ハイビジョン含む)
- 娘Type
- ニュータイプロマンス(休刊)
- ザ・スニーカー(休刊)
- ザ・ビーンズ
- 月刊ニュータイプ
- 月刊コンプティーク
- ニュータイプTHELIVE特撮ニュータイプ
- Voiceニュータイプ
- マクロスエース(休刊)
漫画雑誌
- 月刊少年エース
- ヤングエース
- CIEL
- CIEL Tre Tre
- 月刊コンプエース
- 月刊ガンダムエース
- 月刊Asuka(月刊あすか)
- アルティマエース(2012年休刊)
- 4コマnanoエース(2013年休刊)
- ニュータイプエース(2013年休刊)
- サムライエース(2013年休刊)
- ケロケロエース(2013年休刊)
- ケロロランド
ゲーム
- D.C.P.S. ~ダ・カーポ~ プラスシチュエーション
- EVE new generation
- 少年陰陽師 翼よいま、天へ還れ
- らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜
- D.C.II P.S.~ダ・カーポII~ プラスシチュエーション
- 咎狗の血 True Blood
- Fate/stay night [Realta Nua]
- 暴れん坊プリンセス
- 涼宮ハルヒの激動
アニメ
主に角川書店が主導&出資したアニメ作品。いわゆる角川アニメ。
基本的には、角川書店のライトノベルやコミックで連載している作品が多いが、次いで富士見書房において連載している作品をアニメ化することが多い。アスキー・メディアワークス(旧メディアワークス)の電撃レーベルの作品をアニメ化することは、アスキー・メディアワークスが積極的に角川書店外に作品を供給しつつ自社でも出資しているため、角川書店僅少(同じようなことは富士見書房も行っているがそれほど積極的ではない)。
なお、エンターブレイン傘下のレーベル作品のアニメ化は角川書店は手がけていない。一部原作がなくメディアミックスを前提にアニメ化した『キディ・グレイド』、『キディ・ガーランド』のようなオリジナル作品もある。
なお2015年以降は旧メディアファクトリーもKADOKAWAブランドによるアニメ化となっているが、パッケージはショウゲート等の共同作品を除いてメディアファクトリーブランドのままであり、品番も別々なため、区別自体はしやすい
- フルメタル・パニック!(2001年-2002年・2003年・2005年、富士見書房作品)
- こすぷれCOMPLEX(2001年-2002年)
- ゲートキーパーズ21(2002年-2003年)
- キディ・グレイド(2002年-2003年)
- スクラップド・プリンセス(2003年)
- D・N・ANGEL(2003年)
- まぶらほ(2003年、富士見書房作品)
- クロノクルセイド(2003年)
- GIRLSブラボー first season(2004年)
- 忘却の旋律(2004年)
- トリニティ・ブラッド(2005年)
- かりん(2005年-2006年、富士見書房作品)
- Shuffle!(2005年-2006年・2008年)
- GIRLSブラボー Second season(2005年)
- Canvas2 〜虹色のスケッチ〜(2006年)
- 涼宮ハルヒの憂鬱(2006年・2009年)
- 護くんに女神の祝福を!(2006年-2007年、メディアワークス作品)
- らき☆すた(2007年)
- レンタルマギカ(2007年)
- ムシウタ(2007年)
- 純情ロマンチカ(2007年・2008年)
- 機神咆吼デモンベイン(2007年)
- 我が家のお稲荷さま。(2007年-2008年、メディアワークス作品)
- ご愁傷さま二ノ宮くん(2007年、富士見書房作品)
- H2O ~FOOTPRINTS IN THE SAND~(2008年)
- ストライクウィッチーズ(2008年・2010年)
- 喰霊-零-(2008年)
- 鋼殻のレギオス(2009年、富士見書房作品)
- 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱&にょろーん☆ちゅるやさん(2010年)
- そらのおとしもの(2009年・2010年)
- 生徒会の一存(2009年、富士見書房作品)
- キディ・ガーランド(2009年-2010年)
- おまもりひまり(2010年、富士見書房作品)
- 涼宮ハルヒの消失(2010年)
- 裏切りは僕の名前を知っている(2010年)
- ストライクウィッチーズ2(2010年)
- そらのおとしものf(フォルテ)(2010年)
- こばと。(2010年)
- FORTUNE ARTERIAL赤い約束(2011年)
- パンティストッキングwithガーターベルト(2011年)
- これはゾンビですか?(2011年)
- GOSICK(2011年)
- 日常(2011年)
- デッドマン・ワンダーランド(2011年)
- 世界一初恋(2011年)
- シュタインズ・ゲート(2011年)
- 劇場版そらのおとしもの時計じかけの哀女神(エンジェロイド)(2011年)
- いつか天魔の黒ウサギ(2011年、富士見書房作品)
- 快盗天使ツインエンジェルキュンキュンときめきパラダイス!!(2011年)
- R-15(2011年)
- ダンタリアンの書架(2011年)
- マケン姫っ!(2011年)
- 未来日記(2011年-2012年)
- 世界一初恋2期(2011年)
- ストライクウィッチーズ劇場版(2012年)
- Another(2012年)
- 氷菓(2012年)
- うぽって!!(2012年)
- これはゾンビですか?OF THE DEAD(2012年、富士見書房作品)
- えびてん 海老栖川高校天悶部(2012年)
- 生徒会の一存Lv.2(2012年、富士見書房作品)
- 問題児たちが異世界から来るそうですよ?(2013年)
- RDG レッドデータガール(2013年)
- デート・ア・ライブ(2013年、富士見書房作品)
- ブラッドラッド(2013年)
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(2013年)
- 勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職しました。(2013年)
- いなり、こんこん、恋いろは。(2014年)
- 劇場版世界一初恋(2014年)
- デート・ア・ライブII(2014年、富士見書房作品)
- 風雲維新ダイ☆ショーグン(2014年)
- 棺姫のチャイカ(2014年、富士見書房作品)
- 劇場版そらのおとしものfinal 永遠の私の鳥籠(エターナルマイマスター)(2014年)
- 東京ESP(2014年)
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤツヴァイ!(2014年)
- LOVE STAGE!!(2014年)
- ストライクウィッチーズOperation Victory Arrowシリーズ(2014-2015年)
- 甘城ブリリアントパーク(2014年)
- 棺姫のチャイカAB(2014年、富士見書房作品)
- 新妹魔王の契約者(2015年)
- TVアニメーション『艦これ -艦隊これくしょん-』(2015年)
- ISUCA(2015年)
- 長門有希ちゃんの消失(2015年)
- トリアージX(2015年、富士見書房作品)
- 純情ロマンチカ3(2015年)
- 空戦魔導士の候補生の教官(2015年、旧富士見書房BC作品)
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤツヴァイヘルツ!(2015年)
- 劇場版デート・ア・ライブ万由里ジャッジメント(2015年)
- 真妹魔王の契約者BURST(2015年)
- 対魔導35試験小隊(2015年)
- 櫻子さんの足下には死体が埋まっている(2015年)
- ビッグオーダーOVA(2015年)
- 紅殻のパンドラ(2016年)
- この素晴らしい世界に祝福を!(2016年)
- ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜(2016年)
- 文豪ストレイドッグス(2016年)
- ビッグオーダー(2016年)
映画
「角川映画」を参照。
関連人物
- 角川源義(創業者、角川書店元社長)
- 角川春樹(角川書店元社長)
- 角川歴彦(角川書店元社長、角川メディアオフィス元社長、KADOKAWA取締役会長)
- 井上伸一郎(KADOKAWA代表取締役、元角川書店代表取締役社長、元月刊少年エース編集長、元月刊ニュータイプ編集長)
- 安田猛(KADOKAWA元常務取締役、元角川書店常務取締役、元ドラゴンマガジン編集長)
- 伊藤敦(角川書店アニメプロデューサー)
- 蜂屋誠一(角川書店映像宣伝部映像宣伝課プロデューサー、元アニメプロデューサー、元アスミック・エース所属)
- 今本尚志(角川書店アニメーション部プロデューサー、元ゴンゾ所属)
- 千葉誠(角川書店アニメーション部プロデューサー、元ゴンゾ所属、元陸上自衛隊員)
- 五味健一郎(角川書店アニメーション部プロデューサー)
- 松木あい(角川書店アニメーション部プロデューサー、元スタジオディーン所属)
- 倉兼千晶(角川書店アニメーション部プロデューサー)
- 田村淳一郎(角川書店アニメーション部プロデューサー、元月刊少年エース、コンプティーク副編集長)
- 西山洋介(角川書店アニメーション部宣伝)
- 渡邊隆史(角川書店プロデューサー、元月刊ニュータイプ編集長)
- 高寺重徳(角川書店プロデューサー、元東映所属)
グループ会社
角川グループを参照。
削除状況
動画 | 詳細 |
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らき☆すた | 本編 (英語版含む) |
涼宮ハルヒの憂鬱 | 本編 (英語版含む) |
【美尻かがみ劇場】 がち☆すた♂![]() |
一部利用 (MAD) |
VIP knows... (雌豚ver)![]() |
替え歌 |
関連商品
関連項目
外部リンク
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