誤BANとは、サービスを提供する運営が誤って正常なアカウントを停止させる事である。
概要
本解説から少し外れるが、よく映画において「劇場版○○ - A VS B - 」のようなタイトルの作品が出ることがある。 この作品は鑑賞すると、実はそのタイトルに出ていない「C」の存在いることがわかる。この「C」は、作品においては調停役だったり共通の敵だったりと何かと重要なポジションとなりネタバレの確信となるのだが、この「C」からすれば、「A」と「B」が戦った事で、被害を受けるが多いので、ある意味、悲しい役回りと言える。
インターネットで提供されているサービスを利用する場合、多くのサイトでは会員制となっており、利用者情報である「アカウント情報」を登録する必要があり、このアカウント情報を登録する際は、長々とした規約をよく読まず、「同意しますか?」のチェックを入れ、登録ボタンをして利用が開始される。
当然、この長々とした規約に反する行為を行った場合、「BAN」即ち、「アカウント停止措置」が行われる。
元々、サービス設計者の想定する通りの動き(性善に基づいた考え)となるため「アカウント停止措置」が行われることはほとんど無いが、残念な事に、世の中悪い事を企み実行する人間は山のようにいる。
結果として、「 運営 VS 悪人 」と言う、どこぞの劇場版が公開されるようなタイトルでの争いが毎日起こっている。
さて、「 運営 VS 悪人 」と言う対立によって、その損な役回りの「C」の存在が判明する。
それは、普段利用しサービス設計者の思い通りに運用する「正常なアカウント」である。この「正常なアカウント」は、晴れの日も雨の日もサービスにログインして、いつも通り画像の閲覧や動画の閲覧、文字を書いたり、意見を言ったりと何一つ不自由なく利用できる良きアカウントである。
―しかし、そんな「正常なアカウント」に異変が起こる。―
その日も、「いつも通り利用しよう」とログインしたところ、サービスが利用出来ないばかりか、ログインした直後に身に覚えがない「不正行為によりアカウントを停止しました」という、味も素っ気もない文章が表示され、一瞬、「何が起こったのか」とあっけにとられてしまう。
「正常なアカウント」は、当然、違反した行為に身に覚えがなく不思議に思う。
ふと、いつも使う電子メールサービスを確認すると「アカウントを停止しました」という件名とともに、本文に「こちらは~サービスです。不正行為が確認されましたので、アカウントを停止いたしました。」という内容が書かれたメールが、そのサービスを登録時に利用したメールアドレス宛に送られており、ここで初めて何が起こっているのかを把握する。
「正常なアカウント」は、全くと言って良いほど心当たりがないので、そのメール本文についている「問い合わせ先」や、ログインした先の「問い合わせ」のリンクなどから、『不服申し立て』と言う扱いで、運営に停止の理由を確認することになる。
そんな『不服申し立て』を行ってから、数時間もしくは数日経過して運営からメールが届く。
そのメールの本文には、「悪人アカウントの情報と同じような情報だったので予防措置として行われた」と一文と、それなりの謝罪のテンプレート文が書かれており、誤って処理された事が判明する。
そのメールを読んだ、「正常なアカウント」は、無事を取り戻し、これまでの様にサービスにログインしていつも通り画像の閲覧や動画の閲覧、文字を書いたり、意見を言ったりと何一つ不自由なく利用できる様になりましたとさ、めでたしめでたし
…
とはならない。
残念な事に、「正常なアカウント」は、「何で自分が被害を受けたんだ。」と疑心暗鬼になり運営への不満が発生する。
また、この事態に陥る「正常なアカウント」は、運命のいたずらか、はたまた、その使命を帯びているのか不明だが、 『SNSにおけるインフルエンサー』、『そのサービスで有名な人(上位・キー)』、『サービスを運営する重役』だったりと、なにかとサービスの運営にとっては「重要なポジション」を務めている事が多い。
そして、「重要なポジション」を務めているアカウントに限って、別のインターネットサービスやソーシャルネットワーキングサービスなどを利用して「アカウントが停止された」の一文とともに、画像などを添付し公表してしまい、悪人を除いた「運営 VS 正常なアカウント」が行われ、「野次馬」という新たな「D」の存在を作りだす。
その結果として、別作品がスタートし物語は3作目を迎えてしまう。
皮肉にも、「運営が対応に追われる」という盛り上がりを迎えるほか、「全ユーザーに補償を行う」として沈静化をはかる完結編の流れや、「サービスを終了する」という終焉とともにエンディングを迎える事もしばしばである。
このように、「運営が、誤って正常なアカウントを停止する」事を「誤BAN」と言う。
近年は、AI技術や、挙動の監視を自動巡回ソフトウェア等で、判断が規約に対してより正確な判定を下したり、明らかに急激にアクセスが増え『炎上』を思わせる場合などに対してサービスを守る「防御機能」の動作をした結果、過剰に「誤BAN」されると言う事例も増えてきている。
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関連項目
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