株式会社講談社 (Kodansha Ltd.) とは日本の大手出版社である。
概要
1909年、「大日本雄辯會」(だいにっぽんゆうべんかい)として創業。当初は愛称として「講談社」が併用されていた。1958年に現在の「講談社」が正式社名となる。
第二次世界大戦戦前から日本初の100万部発行雑誌「キング」を発行するなど出版事業を展開していた一方、栄養飲料「どりこの」なる食品事業にも手を出していたというのはあまり知られていない。
出版業界において、集英社、KADOKAWAと並ぶ最大手出版社として現在も君臨している。
創業より現在まで歴代の社長は代々野間家から就任しており、いわゆる同族経営を行っている。
傘下企業として、戦前から歴史を持つキングレコード、戦後まもなくに設立された光文社、2010年に設立された星海社、2016年にグループ入りした一迅社がある。
沿革
- 1909年(明治42年)11月:野間清治が東京府東京市本郷区駒込坂下町48番地(現:文京区千駄木3丁目)で「大日本雄辯會」を設立
- 1910年2月:大日本雄弁会編集、発行所・大日本図書(株)の雑誌『雄弁』を創刊
- 1911年9月:大日本雄弁会編集、発行所・昭文堂の単行本『明治雄弁集』(前編)を刊行
- 1911年(明治44年)11月:講談社を起こし雑誌『講談倶楽部』を創刊。雑誌『雄弁』を大日本雄弁会発行に移管
- 1914年10月:雑誌『少年倶楽部』を創刊
- 1916年9月:雑誌『面白倶楽部』創刊
- 1920年9月:雑誌『現代』『婦人くらぶ』を創刊。
- 1921年6月:東京市小石川区音羽町3丁目19番地の土地・家屋(旧山田顕義伯爵邸)を購入
- 1922年12月:雑誌『少女倶楽部』創刊
- 1924年11月:雑誌『キング』を創刊
- 1925年11月:雑誌『幼年倶楽部』創刊
- 1925年1月:社名を「大日本雄弁会講談社」と改称
- 1928年2月:小売書店「文精堂」を買収(1943年閉鎖)
- 1931年(昭和6年)1月:レコード部(現:キングレコード)を設置。第一回新譜(「マドロス小唄」他)を発売
- 1934年3月:野間鉱業部を新設(1945年8月閉鎖)
- 1934年7月:東京市小石川区音羽町3丁目19番地に本社社屋竣工
- 1936年12月:『講談社の絵本』(「四十七士」「乃木大将」「岩見重太郎」「漫画傑作集」)刊行開始。
- 1938年10月:野間清治の死去に伴い清治と左衛の息子の野間恒が、2代目社長に就任
- 1938年11月:野間恒の死去に伴い清治の妻の野間左衛が、3代目社長に就任
- 1938年(昭和13年)12月1日:「株式会社大日本雄弁会講談社」を設立
- 1944年1月:大日本蓄音器(株)を合併
- 1944年:第一書房、婦女界社、料理の友社、陸軍の友社、大道書房など29社を買収。
- 1945年5月:札幌出張所(札幌講談社)を開設
- 1945年10月:(株)日本報道社を定款変更し、(株)光文社を設立
- 1945年11月:野間省一、4代目社長に就任
- 1946年1月:GHQにより戦争責任を問われ野間省一らが役員を辞任、尾張真之介が代表取締役に就任
- 1946年4月:社団法人有隣会の出版部門として世界社を設立
- 1946年7月:豊国印刷(株)を設立。
- 1946年10月:雑誌『群像』創刊
- 1947年5月:講談社のレコード部を継承したキング音響(株)を設立
- 1949年6月:野間省一が社長に復帰
- 1952年4月:第一紙業(株)を設立
- 1954年2月:(株)第一通信社を設立
- 1954年12月:雑誌『ぼくら』『なかよし』創刊
- 1955年3月:大日本園芸(株)を設立
- 1955年8月:雑誌『若い女性』創刊
- 1956年4月:日本商事(株)を設立
- 1956年6月:東都書房を発足
- 1956年8月:学習雑誌『たのしい一年生』創刊
- 1956年12月:学習雑誌『たのしい二年生』『たのしい三年生』創刊
- 1958年3月:学習雑誌『たのしい四年生』創刊
- 1958年(昭和33年)12月1日:社名を「株式会社講談社」に改称
- 1959年3月:学習雑誌『たのしい五年生』、漫画雑誌『週刊少年マガジン』、週刊誌『週刊現代』創刊
- 1959年10月:(株)豊国写真製版所を設立
- 1960年3月:学習雑誌『たのしい六年生』創刊
- 1961年3月:(株)音羽サービスセンター(のちの講談社ビジネスパートナーズ)を設立
- 1962年12月:少女週刊誌『週刊少女フレンド』、雑誌『小説現代』創刊
- 1963年7月:講談社インターナショナル(株)を設立
- 1963年9月:女性週刊誌『ヤングレディ』創刊。『ブルーバックス』刊行開始
- 1964年2月:第一図書(株)を設立
- 1964年4月:『講談社現代新書』刊行開始
- 1964年5月:音羽建物(株)を設立
- 1964年9月:音羽交通(株)(のちの音羽商事)を設立
- 1965年3月:雑誌『別冊少女フレンド』創刊
- 1966年5月:講談社インターナショナルUSAを設立
- 1966年11月:第一食堂(株)を設立
- 1967年5月:『講談社コミックス(KC)』刊行開始
- 1967年6月:雑誌『月刊陸上競技』創刊
- 1968年2月:(株)講談社出版研究所を設立
- 1968年3月:講談社出版販売(株)を設立
- 1968年9月:(株)講談社フェーマススクールズを設立
- 1969年11月:雑誌『週刊ぼくらマガジン』創刊
- 1970年9月:(株)講談社サイエンティフィクを設立
- 1970年10月:豊国オフセット(株)を設立
- 1970年12月:(株)第一出版センターを設立
- 1971年7月:『講談社文庫』刊行開始
- 1971年11月:雑誌『テレビマガジン』創刊
- 1972年8月:雑誌『おともだち』創刊
- 1972年11月:(株)ペック(現:講談社エディトリアル)を設立
- 1974年4月:(株)マイヘルス社を設立(その後独立、2023年倒産)
- 1974年5月:(株)東京ジャーナルセンターを設立
- 1974年9月:雑誌『壮快』創刊。(株)ジムコを設立
- 1975年1月:音羽商事(株)を設立
- 1975年5月:「別冊少年マガジン」を『月刊少年マガジン』と改題。(株)蕉雨園事業部を設立
- 1975年8月:雑誌『mimi』創刊
- 1975年9月:(株)日刊現代を設立
- 1975年10月:日刊誌『日刊ゲンダイ』創刊
- 1976年1月:PR誌「本」創刊
- 1976年4月:(株)予防健康社(のちの予防健康出版社)を設立
- 1976年6月:『講談社学術文庫』刊行開始
- 1977年10月:(株)三推社(現:講談社ビーシー)を設立
- 1977年11月:雑誌『ベストカーガイド』(現:ベストカー)創刊
- 1979年5月:雑誌『Hot-Dog PRESS』創刊
- 1979年11月:(株)講談社パルを設立
- 1980年6月:雑誌『ヤングマガジン』創刊
- 1980年10月:雑誌『BE IN LOVE』(現:BE・LOVE)創刊
- 1980年11月:『青い鳥文庫』刊行開始
- 1981年2月:野間惟道、5代目社長に就任
- 1981年8月:雑誌『with』創刊
- 1981年10月:雑誌『コミックボンボン』創刊
- 1981年:(株)スコラを設立(1988年7月独立、1999年営業停止)
- 1982年3月:雑誌『スコラ』創刊
- 1982年5月:『講談社ノベルス』刊行開始
- 1982年8月:科学雑誌『Quark』、漫画雑誌『comicモーニング』創刊
- 1983年5月:雑誌『ViVi』創刊
- 1984年8月:女性コミック誌『Me』創刊
- 1984年11月:写真誌『FRIDAY』創刊
- 1985年9月:雑誌『NHKのおかあさんといっしょ』創刊
- 1986年12月:漫画雑誌『アフタヌーン』創刊
- 1987年6月:野間惟道の死去に伴い、惟道の妻の野間佐和子が6代目社長に就任
- 1987年9月:雑誌『MINE』創刊
- 1988年1月:『講談社文芸文庫』刊行開始
- 1988年3月:雑誌『DAYS JAPAN』創刊
- 1988年:(株)短歌研究社を完全子会社化
- 1991年6月:講談社総研、メガドライブ用ゲームソフト『ブルーアルマナック』を発売
- 1991年9月:雑誌『FRaU』創刊
- 1992年3月:女性コミック誌『Kiss』創刊
- 1993年9月『講談社+α文庫』刊行開始
- 1994年9月:雑誌『げんき』創刊
- 1996年7月:少女マンガ誌『デザート』創刊
- 1998年3月:雑誌『VOCE』創刊
- 2000年2月:『講談社+α新書』刊行開始
- 2005年5月:漫画雑誌『月刊少年シリウス』創刊
- 2009年9月:漫画雑誌『別冊少年マガジン』創刊
- 2010年4月:(株)星海社を設立
- 2011年3月:野間佐和子の死去に伴い、惟道と佐和子の息子の野間省伸が7代目社長に就任
- 2011年12月:『講談社ラノベ文庫』刊行開始
- 2015年4月:(株)講談社学芸クリエイトを設立
- 2015年7月:マンガアプリ『マガジンポケット』開始
- 2016年11月:(株)一迅社を完全子会社化
- 2017年6月:『Kラノベブックス』刊行開始
- 2017年10月:(株)ポリゴン・ピクチュアズとの合弁会社(株)講談社VRラボを設立
- 2018年3月:マンガアプリ&WEB『コミックDAYS』開始
- 2018年4月:マンガ投稿サイト『DAYS NEO』開始
- 2018年8月:講談社×ピクシブ発のマンガアプリ『Palcy』正式開始
- 2020年2月:KODANSHAtech(同)を設立
- 2022年4月:(株)KPSホールディングスが豊國印刷(株)、第一紙業(株)、(株)講談社ビジネスパートナーズの事業を継承し、会社分割により(株)KPSフルフィルメント、(株)KPSシステムズ、(株)KPSソリューションズ、(株)KPSプロダクツを設立
- 2024年5月:(株)ワニブックスを完全子会社化
主な雑誌
- 週刊少年マガジン(毎週水曜日発売)
- 別冊少年マガジン(毎月9日発売)
- 月刊少年マガジン(毎月6日発売)
- 月刊少年シリウス(毎月26日発売)
- ヤングマガジン(毎週火曜日発売)
- モーニング(毎週木曜日発売)
- アフタヌーン(毎月25日発売)
- なかよし(毎月3日発売)
- 別冊フレンド(毎月13日発売)
- デザート(毎月24日発売)
- Kiss(毎月25日発売)
- BE・LOVE(毎月1日発売)
- 群像(毎月7日発売)
- 小説現代(毎月22日発売)
- 週刊現代(毎週月曜日発売)
- FRIDAY(毎週金曜日発売)
- げんき(1・4・7・10月の末日発売)
- おともだち(1・3・5・7・10月の1日発売)
- たのしい幼稚園(1・2・3・6・8・11月の1日発売)
- テレビマガジン(2・5・8・11月の末日発売)
- ViVi(毎月23日発売)
- VOCE(ヴォーチェ)(毎月22日発売)
- ベストカー(発行:講談社、講談社ビーシー、毎月10・26日発売)
- おとなの週末(発行:講談社、講談社ビーシー、毎月15日発売)
電子コミック誌
書籍レーベル
講談社グループ
講談社グループ(KODANSHA GROUP)は、講談社を中心とした日本の企業グループである。
東京都文京区音羽から「音羽グループ」と出版業界では呼ばれている。
社名 | 事業内容 | 備考 |
---|---|---|
講談社 | 総合出版社 | |
光文社 | 総合出版社 |
講談社の子会社 |
KPSホールディングス | KPSグループの持株会社 | |
キングレコード | ⾳楽・映像ソフト及びデジタルコンテンツ等の企画、制作、販売 | |
日刊現代 | デイリーマガジン「日刊ゲンダイ」の発行等 | |
講談社エディトリアル | 生活実用書および一般書籍の編集事業、委託出版(自費出版、カスタム出版)事業 | |
講談社サイエンティフィク | 自然科学書の編集 | |
講談社ビーシー | 雑誌、書籍等の出版(講談社と共同発行)、編集業務 | |
星海社 | 出版物の発行、Webサイトの企画および制作、イベント事業 | |
短歌研究社 | 短歌総合誌「短歌研究」・書籍の出版 | |
一迅社 | 漫画雑誌・単行本、女性向け小説、ゲーム・アニメ関連の書籍の発行 | |
ワニブックス | 書籍、雑誌、写真集の出版 | |
第一通信社 | 広告代理店 | |
音羽建物 | 不動産の所有・賃貸・保守管理業務、土地建物の調査・保全・売買、食堂の経営及び管理業務の委託、建築工事、造園工事、植栽管理、花鉢・観葉植物・園芸用品の販売 | |
KODANSHAtech | デジタルメディアの研究・ 開発 | |
講談社VRラボ | バーチャルリアリティコンテンツ、映像、ゲーム、音声、音楽等の デジタルコンテンツの企画、制作、製造、卸、貸与、販売、版権事業及び輸出入、 キャラクター商品の企画、開発及び著作権、意匠権、商標権の管理、使用許諾、 譲渡並びにこれらの仲介及び代理業ほか | ポリゴン・ピクチュアズとの合弁会社 |
(株)コンテンツデータマーケティング | コンテンツビジネス基盤の企画・開発・運営 | |
講談社ヒューマン・ネットワーク | ||
講談社ビジコ | 講談社グループの経理 | |
講談社IP | メディアビジネス事業、ライツビジネス事業、メディア運営支援、宣伝・プロモーション事業 | 第一通信社の子会社 |
KPSフルフィルメント | 出版流通業務、古紙化業務、その他物品の管理・発送業務 | KPSホールディングスの子会社 |
KPSプロダクツ | コンテンツデータ制作(コミックス・書籍・雑誌)、印刷・製本、コンテンツ制作支援(校閲・装丁デザイン・翻訳・動画・オーディオブック)、出版用紙の安定的供給(用紙調達)、アプリやWebサイトの運営業務・SNS配信サポート、データアーカイブ業務 | |
KPSソリューションズ | 出版関連業務受託、業務改善提案・BPR、バックオフィス業務、各チャネル対応の販売業務、高スキル人材での業務支援 | |
KPSシステムズ | システム開発・保守・運用業務、個人情報管理業務 | |
KODANSHA USA, INC. | 講談社のアメリカ法人 | |
KODANSHA USA PUBLISHING, LLC. | 講談社のアメリカ法人 | |
KODANSHA EUROPE LTD. | 講談社のイギリス法人 | |
講談社(北京)文化有限公司 | 講談社の中国法人 | |
台湾講談社媒体有限公司 | 講談社の台湾法人 | |
颶風社 | 中国法人 | 新经典文化股份有限公司との合弁会社 |
主な作品
漫画作品
- のらくろ(田河水泡)
- 巨人の星(原作: 梶原一騎、漫画: 川崎のぼる)
- あしたのジョー(原作:高森朝雄、漫画:ちばてつや)
- 釣りキチ三平(矢口高雄)
- AKIRA(大友克洋)
- 島耕作シリーズ(弘兼憲史)
- BE-BOP-HIGHSCHOOL(きうちかずひろ)
- バリバリ伝説(しげの秀一)
- クッキングパパ(うえやまとち)
- 3×3EYES(高田裕三)
- 沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)
- ああっ女神さまっ(藤島康介)
- DEAR BOYS(八神ひろき)
- はじめの一歩(森川ジョージ)
- 攻殻機動隊(士郎正宗)
- 寄生獣(岩明均)
- カメレオン(加瀬あつし)
- シュート! (大島司)
- 疾風伝説 特攻の拓(原作:佐木飛朗斗、漫画:所十三)
- 美少女戦士セーラームーン(武内直子)
- 金田一少年の事件簿(漫画:さとうふみや、原作:天樹征丸、原作:金成陽三郎)
- 行け!稲中卓球部(古谷実)
- 頭文字D(しげの秀一)
- カードキャプターさくら(CLAMP)
- GTO(藤沢とおる)
- バガボンド(井上雄彦)
- のだめカンタービレ(二ノ宮知子)
- 魔法先生ネギま!(赤松健)
- ダイヤのA(寺嶋裕二)
- FAIRY TAIL(真島ヒロ)
- 宇宙兄弟(小山宙哉)
- 進撃の巨人(諫山創)
- 七つの大罪(鈴木央)
- ザ・ファブル(南勝久)
- はたらく細胞(清水茜)
- 東京卍リベンジャーズ(和久井健)
- ブルーロック(原作:金城宗幸、漫画:ノ村優介)
コミカライズ作品
絵本作品
- 100万回生きたねこ(佐野洋子)
- もったいないばあさん(真珠まりこ)
文芸作品
削除状況
動画 | 侵害権利 | 対象物 |
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ネギま OAD![]() |
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ニコニコ漫画公式
外部リンク
WEBコミック
関連項目
- 出版社一覧
- 静止画ダウンロード違法化法案
- 動画を削除した権利者一覧
- 文化放送
- ビートたけし
1986年に弟子集団のたけし軍団と共に写真週刊誌「フライデー」編集部を襲撃して逮捕されるという「フライデー襲撃事件」を起こした。 - 講談社問題
親記事
子記事
兄弟記事
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