警察とは一般的には、街をパトロールする地域警察、事件の捜査を行う刑事警察、テロや過激派に対応する警備警察などを擁する機関を意味する。だが権力としての警察を付与されている組織は、所謂「警察」だけではない。
世界的に見ればさらに様々な組織があり、警察と言うカテゴリに入る組織は幅広い。
インターネット上では、とりあえず悪そうな言動にとにかく注意する者たちを指して警察と称することがある。→○○警察
警察の歴史
古代
偉い人に言われた兵隊さんなんかが、悪い人を取り締まっていた。今日の警察に相当する仕事や権力は存在していたが、運営主体となる組織に関しては現代の警察とは異なる。
日本においては中国(唐など)の律令制度を参考に弾正台、検非違使庁が設置された。検非違使は後の町奉行所に近い役割を持っており、警察権だけでなく民政分野も担っていた。検非違使は弾正台の権限を奪いながら強化されていき、その強い権限を背景に京の様々な者(エイリアン含む)に睨みを効かせていたと言う。腰のインナーホルスターにコルトガバメントを収めたジーン・ハックマンが、悪党や、時には市長や検事もぶん殴って悪党を追い詰めるようなものである。
中世
偉い人に言われた(ry。ただこの頃から欧州では都市で市民が発達し、市民の評議に基づいて治安政策が取られることもあった。また市民による自警団が作られることも珍しくなく、全部が全部偉い人頼みというわけでもない。
日本においては鎌倉幕府以降、奉行所が整備されていく。現代の解釈においては、鎌倉幕府は良い国を作る気はなかったようだが。
近世~近代
日本の近世となる江戸時代。江戸には南北の町奉行所が、日本の各藩においても同様の奉行所が整備されており、警察機能は発展した社会に応じた形となっていた。
またこの頃の日本ではすでに、後述する文民と武官の区別がついていた。役方(文民)と番方(武官)である。町奉行は役方であるから、これに属する与力と同心も役方となる。彼らは抜刀することは極力避け、さすまたなど現代でも使われる捕縛具を用い逮捕を行っていた。一方の番方となるのは火付盗賊改方で、些かであっても逆らうものには積極的に抜刀して斬っていった。よって双方の仲は悪かったようだ。犯人の逮捕に熱心な市警察官(マット・デイモン)と、銃をやたらぶっ放す鬼の連邦特別捜査官(ジーン・ハックマン)のようなものであろう。
市民革命を経て先んじて近代となったヨーロッパでは、後に世界的に大きな影響を与える改革が始まった。18世紀後半~19世紀にかけてロンドンで警察改革が行われ、1829年にロンドン警視庁(スコットランドヤード)が設置されたのだ。それ以前のロンドンの治安維持と言えば、市民に雇われた夜警、要は用心棒が担っていた。用心棒の常としてゴロツキも多数おり、市民の評判はかなり悪かった。また彼らに与えられる給金も僅かであり、それがさらに腐敗の温床ともなった。
そこで内務大臣ロバート・ピールは「安全、安心の街づくり」を掲げて、本格的な警察を整備することにしたのだ。用心棒は専業の警察官となり、自立して生活するだけの十分な俸給を得、制服を着用し、パトロールや捜査の仕事に従事するようになる。このことからローバトの愛称であるボビーを取った「ボビーズ」、あるいは「ピーラー」というあだ名で警官は呼ばれるようになった。90年代半ばの日本におけるアムラーやシノラーみたいなものである。
日本では西洋文明を受け入れ近代化に取り組み、その一環として川路利良の下で近代警察が整備されていく。明治期の行政機構再編を経て1庁3府44県が設置されたのだが、いずれにも内務省所管の警察が設置されるようになる。この近代警察の導入に際し、欧米から入ってきた「POLICE」の概念を警察として訳したのは日本である。警察と言う言葉はPOLICEを意味するものとして漢字圏に広まり、現在でも台湾や香港、中国などで一般的に使われている。中文wikiの警察の項目によると、おっしょさんが書いた本に警察と言う言葉は出てきていたそうだが、現代的な意味での「警察」という言葉が生まれた背景は明治維新となる。
話は前後するが、西南の役には警視隊が派遣された。当時の警察官は士族出身者が多く、田原坂の戦いでは剣術を巧みに使う西郷軍に対し、牙突を用いて対抗した。これが武士による最後の戦いであり、以後の日本の戦いは全て近代兵力によるものとなった。
アメリカでは、郡保安官(County Sheriff)を補佐する目的で作られていた市民自警団を母体とし、市警察が設置され始める。1838年にボストン市警察が設置されたのを皮切りに、1844年にニューヨーク市警察が、1853年にロサンゼルス市警察が、それぞれ設置されていった。これらの警察は19世紀から20世紀にかけて近代化・高度化されていった。また郡保安官の司法権を代理し実務に従事する保安官助手(Deputy Sheriff)の運用に関しても、時代を経るにつれ市警察と同様に洗練化されていくことになる。
フランスやイタリアなどの国家憲兵隊は市井における警察活動において、やはり近代警察としての性質を備えていくようになる。
そんな警察の近代化が進められていた1930年、ジーン・ハックマンが生まれた。
現代
現代においては世界各地で警察が整備されており、文民・武官問わず様々な組織が冒頭に述べた基本的任務を担っている。
日本においては内務省がGHQによりパーにされ、警察の民主化方針に基づいて国家地方警察と地方自治体警察(市町村警察)が設置された。だが如何せん戦後の混乱期、金は無いは治安は悪くなるはで上手くいかず、国家機関の警察庁と都道府県警察からなる現在の体制に改まり今日まで続いている。
先進国は現代的な警察が整備されている一方で、発展途上国や後進国における警察機能は先進国ほどには近代化されておらず、武装民兵に毛の生えたようなのが治安維持活動に従事していることも珍しくない。こういった地域において国連平和維持活動が行われる場合には、PKO文民警察による助言指導が実施されることがある。各国から集められた文民警察官が、現地の警察に仕事のやり方を教えてあげるというもの。日本もカンボジアや東ティモールなどに警察官を派遣したが、カンボジアにおいてはポル・ポト派の攻撃を受けて殉職者を出している。
文民警察と武官警察(軍警察・憲兵)
警察と言えば文民だと日本人は思いがちだが、今まで述べたように武官の警察も数多組織されている。武官警察の代表は憲兵隊であるが、その憲兵隊も軍所管の範囲に司法権が限定される野戦憲兵と、野戦憲兵に加えてお巡りさんの仕事をしている国家憲兵に大別される。自衛隊の警務隊は野戦憲兵になる。
野戦憲兵は別にして、文民警察と国家憲兵のいずれを設置するか/しないかは各国の歴史や社会発展の経緯によっている。フランスやイタリアのように国家憲兵と文民警察の両方を設置している場合もある。日本の戦前の憲兵はフランスを参考にしたので、市井に対しても法執行権を有する国家憲兵であった。
各国国内にあっては、これらの別はそれぞれ主権の範囲内の事柄であり、どう区別をつけるかはその国次第である。だが国際的な治安維持活動等においては、武官と文民の違いは大きく影響する。
武官警察はハーグ陸戦協定における交戦者の資格を有しているので、平和維持軍や多国籍軍による直接的な治安維持活動に従事する場合も多い。例えばコソボ自治州における治安維持活動では、国家憲兵隊からなる治安維持部隊が編成されている。ハーグ陸戦協定に基づかなくてはならない為、各国憲兵隊は戦闘員として制服を着用し任務についており、各国国内で行うような刑事活動は展開先では行わない。私服になり武器を隠匿した時点で、交戦者としての資格を失うからである。
一方で文民警察官は各国の主権下でその権限を行使するものであるから、国際貢献においては先述の様に助言や指導を担っている。
警察官の階級
警察官も時に集団で治安維持にあたることから、遅くとも近代以降は階級が定められ、階級に応じた職責が与えられるのは世界共通である。但し国によって運営手法が異なることから階級は各国でバラバラであり、或いは同じ国でも設置主体が異なる警察では階級制度が異なることもあり、一概に定まった序列比較は出来ないのが恒である。
警視総監 |
警視監 |
警視長 |
警視正 |
警視 |
警部 |
警部補 |
巡査部長 |
巡査 (巡査長たる巡査) |
左に記したのは日本の警察官の階級である。都道府県の警察官採用試験で採用されたものは全員巡査から始まり、試験や実績に応じて階級が上がっていく。財務やサイバー犯罪などの特別捜査官として採用されたものは、それまでの勤務経験に応じて階級が定められる。5年なら巡査部長とか、10年なら警部補とか。正確なのは忘れた。国家公務員採用試験を受け警察庁に採用されたものは、国家Ⅱ種では巡査部長、国家Ⅰ種では警部補から始まる。警察法の定めにより、警視正以上の警察官は全員が国家公務員となる。
巡査長は階級章は存在するものの、法律上は巡査長たる巡査となり、巡査の一種である。企業などにおける、なんだか良く分からない「主任」と同じようなものと言えるだろう。
なお警察内部においては階級とは別に役職も存在する。警察署の場合「巡査部長≒主任、警部補≒係長、警部≒課長」となっており、民間企業のそれと照らし合わせてもだいたい合ってるが、小規模県警察本部(鳥取県警察など)→大規模都道府県警察本部(警視庁や大阪府警察など)→警察庁と所属する機関が上に上がると役職も上にズレていく。警察庁にもなると課長になるのは警視長クラスであり、課長とは言うものの民間企業で言えば会社役員かその一歩手前という程のお偉いさんが就く役職に相当することとなる。
英和辞書に載っている警察官の階級対訳は、この日本の警察官の階級制度に当てはめたものである。但し職責まで比較した対訳ではないので、そこにズレが生じるのは止むを得ないところ。一例を挙げると、「刑事コロンボ」に関しては「コロンボの階級が警部と訳されているが、Lieutenantなので警部補が正しい」と言った主旨の主張が見られるが、警部と言う訳も必ずしも間違いとは言えない。
まず、ロサンゼルス市警察(LAPD)のLieutenantは二階級に細分され、警部と訳されるCaptainは三階級に細分されている。いずれも数字が大きいほうが偉い。LAPDの所轄署長はCaptain IIIが多く、たまにCaptain IIやCaptain Iが見られる。ここを考えると、Captainは日本の警察における警視正や警視に近い職責を負っていると言えるだろう。Lieutenantはその下にあって、警察署の各部門の責任者、つまり日本の所轄課長に近い。日本の所轄課長は警部であるから、Lieutenantを警部と訳すのが不適当とは言い切れないわけだ。ソースはここ見て。
このようにコロンボの階級一つであれこれ薀蓄垂れることができるのだから、世界各国の警察の階級の翻訳と比較が難しいことがご理解いただけると思う。流石に巡査は迷わないけど。尚、軍隊でも似たような問題は抱えている。軍隊は多国籍軍で共同行動を取ることも多い事から、NATOでは共通の階級符号が使われている。リンク先にあるOF-1とかOF-2というのがそれであり、下士官以下はOR-○となっている。
警察が使う装備
各国でままみられる代表的な装備を挙げる
警察官の装備
車両など
警察に所縁のある有名人
- 若本規夫
-
宮川大助・花子の花子
- 元大阪府警交通巡視員で、城東警察署に勤務していた。2010年に同署の一日署長を務め、「37年ぶりの大出世」と言われた
。
- 元大阪府警交通巡視員で、城東警察署に勤務していた。2010年に同署の一日署長を務め、「37年ぶりの大出世」と言われた
- 故・水野晴郎
- 佐々淳行
- 亀井静香
- 平沢勝栄
- 国松孝次
-
ミルコ・クロコップ
- 格闘家。母国クロアチアで警察官をしていた経歴を有する。お前は何を言っているんだ?
- スティーブン・セガール
- ロニー・コールマン
- ジミー佐古田
警察がまともに動いてくれない!
日本は海外に比べると賄賂も通じず、よくも悪くも真面目なおまわりさんも多い。
…が、残念だが屑のような警察官(上層部も含む)もいる。リアル「こいつおまわりさんです」。
- 担当が不良警官のため何もしない
- いい加減な態度を取る、決めつけ、加害者擁護。
-
被害届・告訴状を突っぱねる、受理しない、受け取るも勝手に破棄、「取り下げ」に改竄する。
- 受理しない場合は、なぜ受理しないのか正当な理由を言わない。
- 実際に被害を受けた後にしらばっくれる
- 勝手に加害者側へ連絡先や被害者を特定しうる情報を知らせる
- 告訴状を受け取ったけど1ミリも捜査しない
…といった場合は上層部の「監察」へ連絡してやること。(警察内の警察。不祥事・服務規定違反など内部罰則を犯した警察官への質疑を行うため、特に嫌がられる。警視庁・各都道府県警察本部に設置されている)
不審な場合、録音のほか、担当警察官の氏名所属も聞いておこう。(氏名さえ分かれば何とかなるし、隠さず丁寧に答えるようならまともな警察官の可能性もある)理由が支離滅裂だったり、拘束理由がいい加減だったり、全く名乗らないのであれば、相手が警察官だろうが臆せず警察を呼べばよい。(偽物の可能性があるから問題ない)拘束や違反内容に異論があれば、罰金ものだろうが異議申し立てが可能。(明らかに非がある・違反している場合はあきらめろ)
店側に発端があったとしても、悪質なクレーマーによって業務を妨害されている、支障が出ている場合も警察の出動を要請できる。民事不介入ではない。(→クレーマーの項目も参照)
被害を受けて申告する場合は被害届ではなく、告訴状で出すこと。(後述)
警察の対応がいい加減だった例は、桶川ストーカー殺人事件など。(書類改竄も含める)
- 被害届:被害者が提出する、被害事実の報告(本人が殺害された・死亡した場合は出せない)
- 告訴状:被害者や親族・後見人が提出する被害事実の報告、捜査~裁判・処罰を求める内容。
- 告発状:(犯人以外の)誰でも提出できる告訴状みたいな感じ
※言うまでもないが、嘘の告訴告発は犯罪である。(虚偽告訴罪)
「警察に断られた…どうすればいいんだ…」と早々に判断しないように。
※少しお金はかかるが、不安なら弁護士を連れて県警本部へ行く手もある。
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