財政再建単語

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財政再建とは、庭や企業地方公共団体政府において、支出過多となっている財政状況を変化させ、支出と収入を均衡化させることをいう。

本項では、日本国政府の財政再建について述べる。
  

概要

日本国政府の予算は、歳出の額が税収を大きく上回る状況が続いている。税収をえる分は国債を発行しており、その国債発行額の合計が2018年には874兆円に到達した。

このため「財政再建をするべきだ」というが、平成30年間で強まることになった。税収と政策経費をべたものをプライマリーバランスというのだが、「プライマリーバランス黒字化すべきだ」と言い始め、そのために増税と歳出削減に励むようになった。

財政再建のために増税と歳出削減をして緊縮財政にもっていくのだが、増税したり歳出削減したりするとデフレの圧が強まり、不気になる。

このため、「財政再建はデフレとなり気を悪くするので、反対だ」というも発生する。また「不換銀行券建ての国債は、政府の影を強く受ける中央銀行通貨発行権を行使することで返済できるので、政府にとって極めて軽い負債だ。国債は悪ではない。財政再建は不要である」という意見も頻発する。

財政再建論者と財政再建不要論者の論争は、令和時代になってもなお続いている。

両者の特徴はまさに対照的なので、表にしてまとめておく。
 

財政再建論者 財政再建不要論者
国債は悪 不換銀行券建て国債は、悪ではない
プライマリーバランス黒字化しよう プライマリーバランスなど意味のい数値だ
増税を志向 減税を志向
歳出削減を志向、緊縮財政を 歳出増加を志向、財政出動して積極財政を

 
財政再建を導くような経済思想・政治思想の一覧は次の通りとなっている。 

 

財政再建論者の特徴その1 政府と民間企業の同一視

財政再建を唱える論者にはいくつかの特徴がある。本項では、憲法学的な観点から財政再建論者を分析する。
 

「政府は民間企業と同じ利益追求団体である」という思想を持つ

政府というのは民間企業と同じ存在で、貸借対照表バランスシート)の純資産損益計算書の利益を増やすことをすべき存在であり、債務額が資産額を上回る債務過という状態を避けねばならない」と考える思想がある。

そうした思想に染まっていると、国債という債務が増加していく様を見て「これは大問題だ」と考えて、緊縮財政をして財政再建しよう、とするようになる。そして、国債に対する恐怖心も増幅し、国債恐怖症を併発するようになる。さらに、「生活の向上のために国債を発行しよう』というのは、『甘い誘惑』というもので、そんな誘惑に乗せられず、債務の削減すなわち国債発行額の削減をすべきである」と論ずる。


一方、財政再建不要論者は、「政府というのは民間企業とは全く異なる団体で、貸借対照表バランスシート)の純資産損益計算書の利益を増やすことをさなくてよく、そんなことより民の生活準の向上をすべき存在である。国債を発行して政府支出を拡大し、生活の向上を図るべきだ」と考える。さらには憲法前文exitの「政は民に福利をもたらす」の部分や憲法第25条第2項を持ち出し、「政府生活の向上をひたすらすことは、憲法前文や憲法第25条第2項で定められており、極めて正当的なことだと論ずる。


両者の考え方は、まさに正反対である。両者の対立は、経済学的な対立と言うより、憲法学的な対立になっている。
 

「国政は国民に福利をもたらす」という文章を憲法から削除したがる

日本国憲法の前文exitには「政は民に福利をもたらす」という文章が書かれている。その文章と緊縮財政はとても相性が悪い。このため緊縮財政を支持する政治は、憲法正して「政は民に福利をもたらす」という文章を削除しようとする傾向がある。

自由民主党という政党があり、平成の30年間の大部分で日本の政権を握り続けて緊縮財政を推し進めてきた。この自由民主党2012年自由民主党憲法改正草案を発表したのだが、その案の前文には「政は民に福利をもたらす」という文章が存在しない。
 

財政再建論者の特徴その2 日本国債が自国不換銀行券建て国債ではないように扱う

財政再建を唱える論者にはいくつかの特徴がある。本項では、経済学的な観点から財政再建論者を分析する。

日本国債はすべて自不換銀行券建て国債であり、「日本政府の強い影を受ける日本銀行が発行する不換銀行券を支払う」と日本政府約束するものである。自不換銀行券建て国債は、中央銀行限の通貨発行権を行使して返済することができるので、財政破綻の可性が全く存在しない[1]

しかし、日本国債がすべて自不換銀行券建て国債であることを認めると財政再建の妨げになる。このため財政再建の支持者は、日本国債が自不換銀行券建て国債ではないように扱う傾向がある。
 

「投資家に国債が売り浴びせられると政府が困ってしまう」という思想を持つ

財政再建論者の中には、「プライマリーバランス黒字標を維持して国債発行額を減らすという姿勢を見せないと、市場関係者によって国債を売り浴びせられ、国債の価格が急下落し、国債利が急上昇し、国債市場が大混乱に陥ってしまう」という思想を持つものがいる。

2020年4月13日衆議院決算行政監視委員会において、麻生太郎総理兼財務大臣は、「(プライマリーバランス黒字標)を放棄するという考えはありません。(中略) 日本が返す気がないとなれば、途端に日本国債を売り浴びせられるというようなことにもなりかねませんので」と答弁している(議事録十二ページexit

プライマリーバランス黒字標を堅持して緊縮財政を続けないと、投資の手によって日本国債を売り浴びせられて日本政府が困ってしまう、という意味の答弁をしている。

実際の日本国債は自不換銀行券建て国債であるので、投資の手によって日本国債を売り浴びせられても、日銀がすべて買い取ることができ、日本政府は全く困らない。日銀不換銀行券としての通貨限に発行することができる。

日本国債が自兌換銀行券建て国債なら、投資の手によって日本国債を売り浴びせられたときに、日本銀行が全て買い取ることができない可性があり、日本政府が困ってしまう可性が発生する。日銀は、兌換銀行券限に発行することができないからである。
 

「国債を発行するとクラウディングアウトが起こる」との思想を持つ

財政再建論者の思想的な柱というと、クラウディングアウトである。

クラウディングアウトを簡単にいうと、「国債を発行すると、民間企業向けの融資をするための資が減少し、民間企業向けの融資の利が上がり、民間企業向けの投資が減ってしまう。ゆえに国債発行した上の積極財政は、駄で効である」というものである。

クラウディングアウトを発展させたマンルフレミングモデルという理論も、財政再建論者にとってお気に入りの思想である。マンルフレミングモデルを簡単に言うと「国債を発行すると利が上がり、通貨高になって輸出が鈍り、貿易収支が赤字になってしまう。ゆえに国債発行した上の積極財政は、駄で効である」というものである。

実際の日本国債は自不換銀行券建て国債であるので、政府日本国債を売り出すときに日銀好きなように不換銀行券を発行するので、民間企業向けの融資の利が高くならないように誘導することができ、クラウディングアウトが起こらない。

日本国債が自兌換銀行券建て国債なら、政府日本国債を売り出すときに日銀好きなように兌換銀行券を発行することができないので、民間企業向けの融資の利が高くならないように誘導することができなくなる可性があり、クラウディングアウトが起こる可性がある。
 

「国債を発行して行う積極財政は持続可能性が低い」との思想を持つ

財政再建論者の口癖の1つは持続可能性(サステナビリティ sustainability)である。

国債というものは民間貯蓄を借りているものである。民間貯蓄には限りがあるので、国債発行で経済発展しようというのは全く持続可能性がない。持続可能性を維持するためにも、消費税を上げて国債発行を減らすべきである」というのが、財政再建論者の口上である。

財務省計局の阪田渉次長は、2019年6月3日参議院決算委員会において、「民間貯蓄によって国債が消化されてきた」という思想を披露している(議事録四ページexit)。


実際の日本国債は自不換銀行券建て国債であるので、政府日本国債を売り出すときに日銀好きなように不換銀行券を発行して買いオペすることができ、民間貯蓄を意図的に増やすことができる。不換銀行券を発行する中央銀行には限の通貨発行権があるので、自不換銀行券建て国債持続可能性はとても高い。

日本国債が自兌換銀行券建て国債なら、政府日本国債を売り出すときに日銀好きなように兌換銀行券を発行することができず、民間貯蓄を意図的に増やすことができない。兌換銀行券を発行する中央銀行通貨発行権を大きく制限されているので、自兌換銀行券建て国債持続可能性はとても低い。
 

「中央銀行の独立性を維持すべき」と主張する

財政再建論者は、中央銀行独立性を重視する。「中央銀行政府の意向を全くみ取らない状態が、本来あるべき姿だ。政府中央銀行に影を及ぼすことを認めると、ハイパーインフレに突き進む」などと論じ、「中央銀行独立性の維持は極めて重要だ」と論じる。

中央銀行政府の意向をみ取るべきである、とする論理に対しては「暴論」という言葉を投げかけて一蹴する傾向がある。NHKの大ベテラン記者である野口修司exitは、「自不換銀行券建て国債中央銀行が買い取ることができるので財政破綻しない」という摘に対して「下の暴論」と表現していた。また、「中央銀行独立性は、そんなに重要ではない」というアメリカ経済学者摘に対して「かなり過」と表現していた(記事exit)。

日本銀行日本政府から全に独立させ、日本銀行日本政府の影が全く及ばない状態にすれば、日本国債は「自不換銀行券建て国債」というよりは「他不換銀行券建て国債」に近い状態になっていき、日本国債が債務不履行になって財政破綻する可性が高まっていく。

実際の日本には日銀法第4条exitという法律が制定されている。日本銀行の行う融政策は、日本政府経済政策の基本方針と整合的なものでなくてはならない、と定めており、日本銀行政府の強い影を受ける存在であることを明言している。
 

財政再建支持者に対するテンプレ回答

財政再建の支持者は、自不換銀行券建て国債を「自不換銀行券建て国債ではないもの」であるかのように扱いつつ、財政再建の正当性をする傾向がある。

それに対し、財政再建不要論者は次のようなテンプレ回答で応じることができる。
 

日本銀行兌換銀行券を発行し、その兌換銀行券を支払うことを日本政府国債の券面で約束しているのなら、「~」は正しい。

ところが現実は、日本銀行不換銀行券を発行し、その不換銀行券を支払うことを日本政府国債の券面で約束しているので、「~」は正しくない。


「~」には、「国債クラウディングアウトが起こる」とか「国債には持続可能性い」とか「日本政府の円建て国債が増えて円建て財政赤字が増えることは財政の深刻な悪化である」とか「日本政府の円建て国債は子孫が税金で返済するしかないので子孫にツケを回すことになり子孫を苦しめる」とか「自分の財布から出費するのと同じ気持ちで政府の支出を考えなければならない」とか「政府の財政は一般庭の計簿と同じである」といったような、財政再建支持者が好む言い回しを入れる。そうするだけで、財政再建支持者に対する回答を簡単に作成することができる。
 

政府財政を支える安定的な財源 消費税と自国不換銀行券建て国債

政府の財政を支える安定的な財というと、消費税と、自国不換銀行券建て国債である。

この2つとも、安定的であることに定評がある消費税はどれだけ不気になろうが一定の税収をもたらすし、自不換銀行券建て国債日銀法第4条exitに基づいた日銀の献身的な支援がいつでも得られるので必ず市場に売却できる。

消費税と自不換銀行券建て国債は、安定財界の東西横綱といえる。

消費税と自不換銀行券建て国債は、安定財である点で同じものだが、経済に与える影という点で逆の性質を持っている。消費税国家経済民間部門からを吸い上げるので、デフレが強い。一方、自不換銀行券建て国債は、国家経済民間部門の黒字を増やすので、インフレが高い。

また、消費税と自不換銀行券建て国債は、安定財である点で同じものだが、抱える支持者は正反対である。緊縮財政の支持者は消費税を非常に好み、積極財政の支持者は自不換銀行券建て国債を強く推す。

2つを較すると、次のようになる。

消費税 自国不換銀行券建て国債
としての安定性
デフレ ×
インフレ ×
支持者 緊縮財政支持者 積極財政支持者

 

財政再建を志向する人たち

財務省主計局

財務省のなかで支配的な権を持っているのは、主計局exitである。

財務省計局というのは財政再建が大好きであり、財政再建を是(の大方針)ならぬ「局是(局の大方針)」としている。財政再建を旗印に掲げていると、財務省計局としては権も増えるし、とても仕事をしやすくなるのである。

財務省計局は財務省のなかで支配的な存在なので、計局の局是がそのまま財務省全体の「省是(省の大方針)」となる。

ヶ関の各省庁というのは、外から見るとどれも同じように見えるが、はっきりと2種類に分けることができる。財務省と、財務省以外の省庁である。

財務省計局は、財務省以外の各省庁に対して、絶大な権を持っている。財務省以外の各省庁が「予算を付けてください」とお願いしてくるのに対し、財務省計局は凄まじい勢いで勉強して理論武装し、そのお願いに対して理屈でもって欠点を摘して、お願いを撤回させるのである。

財務省計局においては「他省庁のお願いを叩き潰して予算を減らすほど、出世できる」と言われるが、その噂もあながち間違っていない。

財務省計局というのはお財布の紐を引き締める係の役所で、財務省以外の各省庁はお財布の紐を必死こいて緩めようとする係の役所である。まあ、お財布の紐をきっちり引き締める立場の人がいないと放漫財政になってしまうから、財務省計局のやりかたも間違っていないと言える。


財務省計局が他省庁のお願いを却下するときは、そのお願いに関して猛勉強を重ね(難しい国家試験を通ってきた人たちなのだから勉強は得意である)、「その計画では、人的資や日時のであります。おのためになりません」と言うのがお決まりのパターンなのだが、そういう猛勉強をサボる方法がある。それが、財政再建である。

「財政再建のため、予算を付けられません。歳出削減が必要なのであります」と一言言うだけで、他省庁のお願いを却下することができる。お勉強をする労を省くことができ、財務省計局にとってまったくもって好ましい状況になる。

財政再建という魔法の一言で、他省庁の予算を削減することができ、財務省計局の権一気に増大する。このため、財政再建は財務省計局の局益となり、財務省の省益となる。

財務省出身者が財政再建を説き、財務省以外の省庁から出てきた人が財政再建不要論を説く、というのはよく見られるである。
 

財界

民間企業の経営者たちは、財政再建をする傾向が強い。

経団連日本商工会議所、経済同友会の3団体を経済三団体と言い、民間企業社長会長が多く集まっている。その経済三団体は常に財政再建をしていて、しかも財務省と全く同じ論調になっている。

これはなぜかというと、民間企業財務省に頭が上がらないからである。民間企業財務省批判したり財務省の省益を損ねたりすると、税務調で報復される。財務省とその下の国税庁・税務署を恐れるため、財務省の財政再建論に全面的な賛同をしている。

民間企業の経営者にとって税務調ほど恐ろしいものはない。「税務署の調に入られ、中をひっくり返されてすべてをことごとく調べられた」という話はよく聞かれることである。

税務署を怒らせないため、東一部上場の一流企業社長会長が直々に税務署の署長へ挨拶にうかがう、という話もよく聞かれる。

このあたりの事情を言した文章があるので、引用しておきたい。谷沢永一exitが、1997年11月出版のこの本exit_nicoichibaっている。
 

数年前までは、中小企業の経営者の集まりで私が大蔵省の批判をしますと、皆さんを伏せられたものでした。官僚のトラブルマスコミで伝えられるようになって、このごろは安らかに聴いていますが、以前は本当に怯えていました。国税庁にも税務署に対しても怯えている。講演の催者から予(あらかじ)め、官僚批判だけはやめてくれという申し入れがあることもしくなかった。どうも沢は然と大蔵批判をやっているらしい、危ない男であるらしいと。そういうことを自分たちが聞いたという実績を残したくない。聞くだけでも怖い。沢と同類と思われると税金で報復される、と心配されていた。  

『拝啓 韓国、中国、ロシア、アメリカ合衆国殿―日本に「戦争責任」なし』256ページexit_nicoichiba


民間企業社長というのは、従業員を養っていかねばならない立場であり、冒険をすることができない。財務省の言いなりになり、ひたすら安泰を願うというのは、理もないことである。
 

従業員の賃下げを狙う企業経営者

企業の経営者にもいろんな人がいるが、その一部に、「従業員の賃下げをすることで利益を稼ぎだそうとする企業経営者」がいる。そういう企業経営者は、政府地方自治体の緊縮財政を支持する傾向にある。


大企業というのは、就職市場において政府地方自治体と競合しており、高学歴の熟練労働者を奪い合っている。

高学歴学生は、「政府地方自治体に就職するか、それとも民間の名門大企業に就職するか」と悩むことが多い。

政府地方自治体が積極財政となり、高学歴公務員の給与を引き上げると、就職市場で競合する大企業高学歴従業員の給与を引き上げざるを得ない。「高学歴従業員の給与を引き上げないと、政府地方自治体高学歴人材をすべて奪われてしまう」と焦るからである。

政府地方自治体が緊縮財政となり、高学歴公務員の給与を一杯引き下げると、就職市場で競合する大企業高学歴従業員の給与を引き下げることができる。「高学歴従業員の給与を引き下げても、政府地方自治体高学歴人材を奪われずにすむ」と安心するからである。


また、中小企業や一部の大企業は、就職市場において政府地方自治体と競合しており、低学歴の非熟練労働者を奪い合っている。

政府地方自治体が積極財政となり、低学歴の非熟練労働者を積極的に雇い入れてある程度の優しい労働環境で働かせるようになると、つまり就業保証プログラムJob Guarantee Program JGP)を実施するのと似た状況になると、就職市場で競合する企業は「君たちのような低学歴の非熟練労働者は他に行き場所がない。労働環境が悪くてもしろ。を引き下げられても文句を言うな」という態度で労働者に接することができなくなる。低学歴の非熟練労働者に対しても、政府地方自治体提供する賃準にまで賃上げせざるを得なくなる。

政府地方自治体が緊縮財政となり、低学歴の非熟練労働者を積極的に雇い入れてある程度の優しい労働環境で働かせることをとりやめると、就職市場で競合する企業は「君たちのような低学歴の非熟練労働者は他に行き場所がない。労働環境が悪くてもしろ。を引き下げられても文句を言うな」という態度で労働者に接することができるようになり、低学歴の非熟練労働者に対して限に賃下げすることが可になる。


2003年12月ごろの経団連は「従業員の賃下げをすることで利益を稼ぎだそうとする企業経営者」が多かったようで、2003年12月16日表した2004年版経営労働政策委員会報告exitにおいて「適正な人件費準の管理」「賃準の適正化」「高止まりの賃準を、際競争を保てるような適正な賃準へ」といった表現をちりばめている。

従業員の賃下げをすることで利益を稼ぎだそうとする企業経営者」は、「従業員の賃上げをすることで優秀な人材が増えやすくなり日本際競争が長期的に高まる」という考え方をするのがとても苦手である。
 

グローバリズム(市場原理主義)支持者

グローバリズム市場原理主義)を支持する者は、財政再建を支持することが多い。

グローバリズムとは、国家規制を緩和して、ヒト・モノ・カネの移動を自由化することにより競争原理を導入し、ビジネスチャンスを広げる思想のことをいう。自由貿易を極大化させるために「小さな政府」を理想視しており、政府支出の削減を望み、緊縮財政をこよなくする。

市場原理主義者の典例というと竹中平蔵である。竹中平蔵小泉政権に入閣して、プライマリーバランス黒字化をした。その結果として2001年骨太の方針exitに「プライマリーバランス黒字化」が入ることになった。講演でも、「プライマリーバランス黒字化しなければならない、そのため緊縮財政が必要だ」とひたすら訴えるのである。

竹中平蔵に限らず、海外においても、グローバリズム市場原理主義)の支持者が、緊縮財政を唱えて「小さな政府」を志向する例が本当に多く見られる。


自由貿易の極大化は、政府の権弱体化させて規制緩和しないと実現しない。そのためには、緊縮財政にして政府の各省庁へ与える予算を削減すればいい。極端な話、予算を一杯減らせば規制業務を担当する部署の人数が減って、規制したくても規制できなくなり、規制緩和が進むのである。

自由貿易と規制緩和と緊縮財政、この3つは常にっている。そのことを三橋貴明は「グローバリズムトリニティ三位一体」と名付けている。

トリニティとか三位一体などという表現は、ちょっとお洒落すぎて人々の心にかないかもしれない。ここは一つ、「グローバリズムの三点セット」と野暮ったい表現をしてみたい。
 

調整の仕事をするのが嫌いな国会議員

庁にとって緊縮財政というのは、要するに、仕事をやめる、仕事を放棄する、仕事を失う、ということになる。予算を削られることによって人員の削減に追い込まれ、事業計画の規模が縮小したり、あるいは事業計画自体が消滅したりする。

国会議員にとっても事情は同じで、緊縮財政になると国会議員仕事が減る。

積極財政のときは、予算をしっかり消化するために業者の手配をしなければならず、国会議員が調整をしっかり行う必要があり、国会議員仕事が増える。「予算を付けたのに、その予算を使って仕事をする民間企業が不足していて計画が進まない」という間抜けな事態になってはいけないので、共事業を引き受ける民間企業たちと大いに話し合わねばならない。緊縮財政においては、国会議員はそうした忙しさから解放されるのである。


このため、調整の仕事をするのが嫌いな国会議員、もう少しキツい言い方をすると調整の仕事サボりたがる怠け者の国会議員、そういう人が緊縮財政を支持する傾向にある。
 

緊縮財政を定める財政法第4条

緊縮財政を政府国会に対して要してくる法律というと、財政法第4条exitである。
 

財政法第4条exit の歳出は、債又は借入以外の歳入を以て、その財としなければならない。但し、共事業費、出資及び貸付の財については、国会の議決を経た額の範囲内で、債を発行し又は借入をなすことができる。


道路の建設といった共事業に関するものの財には国債を使ってよい、と定めている。これを建設国債という。

共事業以外の支出は国債でまかなってはならない、と定めている。つまり公務員の給料の支払いだったり、政府の抱える研究機関の開発予算だったり、そういう支出に対して国債を発行するのはダメで、税収の範囲内に支出を削りなさいといっている。いかにもといった感じの、緊縮財政志向の法律である。
 

財政法第4条を骨抜きにする国会

財政法第4条を守っていては政府予算が組めないので、毎年、特例国債法exitという1年かぎりの法律国会で成立させ、共事業以外の支払いにあてるための国債を発行している。これを特例国債という。

要するに、財政法第4条は、毎年抜きにされているのである。

財政法第4条を抜きにする国会議員たちにも言い分があり、「財政法の上位にあたる憲法83条や第85では『どれだけ国債を発行するかは国会自由に決めてよい』と解釈できる条文になっている」というものである。

日本国憲法83条と第85は、次のようになっている。
  

日本国憲法第83条exit の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

日本国憲法第85条exit 費を支出し、又は債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

 
これらの条文から導かれるのは財政民主主義exitというものである。民の代表者である国会には、の財政を決める権限が与えられている。「国会共事業以外の支払いにあてるための国債を発行することを決議したら、その意向が通るのは当然だ」という解釈が成り立ち、財政法第4条もあっさりと視される。

ちなみに日本国憲法にはこういう条文もある。
 

日本国憲法第41条exit 国会は、権の最高機関であつて、一の立法機関である。

 
財政法第4条というのは法律なのだが、日本国憲法にはとても勝てない。第41条と第83条と第85の3つに逆らうことは不可能である。こうして、財政法第4条は毎年のように視されている。
 

平和主義者が財政法第4条を制定した

財政法が制定されたのは1947年昭和22年である。この法律の制定に関わったのが、平井治という人物である。当時、大蔵省に勤めていて計局法規課長の地位にあった。

この人は反戦平和の思想を胸に秘めていた人で、「戦争遂行には国債の発行が不可欠である。ならば、国債を発行不可能にしてしまえば、戦争をすることができなくなる」という発想のもとに、財政法第4条を立案したという。そのことは1947年出版の『財政法逐条解説exit』という本に記されている。

日本の左政党というと、反戦平和をとても熱心にする。その左政党の1つである日本社会党は、1965年に初めて特例国債法が可決成立したときに「特例国債戦争につながる」と猛反対していた。また、現在日本共産党も特例国債法を常に批判する。

反戦平和と緊縮財政はとても相性がいい、と言える。


※この項の資料・・・佐藤健志『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』40~50ページexit_nicoichibaしんぶん赤旗2008年4月24日版exit三橋貴明ブログexit
 

日本国憲法と財政政策

日本国憲法は、どのような財政政策を志向しているのか、本項で確認しておきたい。

ちなみに日本国憲法というのは、公務員全員に対して義務を課す法規であり、その影の大きさは財政法をはるかに上回る。
 

日本国憲法第99条exit 天皇又は摂政及び務大臣、国会議員裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 

 
務大臣は行政府の人事権を握る人のことで、国会議員は立法府の構成員で、裁判官法府の構成員である。つまり、行政・立法・法の三権に関わる公務員は、全員憲法を尊重し擁護せねばならない。
 

前文で「政府は国民に福利をもたらすべし」と書く

日本国憲法の前文exitというのは、各条文の前にある文章で、同憲法の趣旨について記している。

そこには、「政府民に福利をもたらすべし」という文章が明確に記されている。
 

日本国憲法前文exit そもそも政は、民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は民に由来し、その権民の代表者がこれを行使し、その福利は民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法法令及び詔勅を排除する。

 
民が政の福利を享受する、と書いてある。これはもちろん、政府に対して「民に福利をもたらすような財政政策をせよ」と命じていることになる。

ちなみに、「政府民に福利をもたらすべし」という文章は、インフレしいときに緊縮財政を導入するときの根拠になり得る。年間インフレ率が10以上になるギャロッピング・インフレのときは、緊縮財政をしてインフレを押さえ込むことが民に福利をもたらすことになる。

ゆえに、「政府民に福利をもたらすべし」という文章は、「いついかなる場合でも積極財政をせよ」と政府に命じているわけではない。「インフレ率に応じて、積極財政と緊縮財政を使い分けなさい」と政府に命じている、と解釈することができるだろう。
 

憲法第25条第2項で積極財政を努力目標にする

積極財政を政府に対して要してくる法規というと、憲法第25条第2項である。
 

日本国憲法第25条第2項 は、すべての生活部面について、社会社会保障及び衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 
いかにもといった積極財政寄りの条文である。このため、積極財政の支持者にとって、憲法第25条第2項は心のよりどころである。

ただ、憲法第25条はプログラム規定exitとされており、政府に対して努標を課しただけで、実際にどれだけの政策をするかについては政府国会の裁量にまかされている。憲法第25条のニコニコ大百科記事にも、第25条をプログラム規定と扱う最高裁判決がいくつか紹介されている。

このため、憲法第25条第2項をするだけで積極財政の予算が通るわけではない。
 

債務超過を禁止する条文が存在しない

日本国憲法には、「政府貸借対照表バランスシート)が債務過になることは許されない」という考えを示す文章が出てこない。前文にも出てこないし、そういう内容の条文も存在しない。

何故そうなのかというと、「国家の存亡を左右するような重大事態が発生したら、政府は、債務を大量に発行してでも対応すべきである」という思想があるからだと思われる。

国家の存亡を左右するような重大事態というのは、要するに、他軍隊の侵略とか、反政府武装勢との内戦のことである。そういう事態に追いこまれたとき「債務過になってはいけないから国債を発行せずに済ませよう」などと寝ぼけたことを言っていると、あっという間に首都を占領され、国家が滅亡してしまう。

アメリカ合衆国歴史を振り返っても、南北戦争という内戦で国債を大量発行したし、対外戦争でも国債を大量発行した。国家危機を乗り切るためには国債発行が必須である。

国債を大量発行して政府支出を増やして国家権を維持する、という選択肢政府に与えるため、日本国憲法には「政府債務過を許さない」という条文が入っていない。
 

土下座外交と緊縮財政の共通点

1990年代日本国政府は、土下座外交exitと呼ばれる外交政策を継続的に行っていた。

そうした土下座外交と、日本における緊縮財政というのは、色々と共通点があるので、この項解説したい。
 

国民主権を無視して、外国人に気に入られようとする

日本の全公務員には、日本国憲法を尊重し擁護する義務が課せられている。その日本国憲法には、民主権が謳われており、民の信認を得られるような政治をすべしと規定している。つまり、外国人に気に入られることを政治はやめなさい、と規定している。

政治資金規正法の第22条の5exitでは、外国人からの政治を禁止している。これは、日本国憲法民主権から導かれた条文だといえる。前原誠司大臣は、これに引っかかって、2011年3月6日に外務大臣という職を辞任する羽になった。


土下座外交は、外政府の顔色をうかがい、外国人に気に入られることをす政策だった。

日本の緊縮財政は、「市場の信認を得るために財政再建します」と宣言することが常である。安倍晋三総理は、市場の信認を得るために財政再建をする、と国会で答弁している(議事録四七ページexit)。麻生太郎総理に至っては、格付け会社の評価を得ることが大事である、と答弁しているほどである(議事録四ページexit)。

当然のことながら、市場というのは大勢の外国人が入りこんでいる場所である。また、格付け会社exitの大手というと米国民間企業であるので、格付け会社の評価を得るための政治というのは外国人に気に入られることを政治ということになる。
 

罪悪感を刺激する

とにかく罪悪感を刺する、というのも共通点の1つである。反対する人の罪悪感を刺し、反対する人を「自分は迷惑を掛けている。申し訳ない」という弱気な気分にさせ、そうして自分たちのゴリ押しするという技法を体得している。

土下座外交の思想的背景自虐史観であり、「日本戦争で罪を犯し、周辺に迷惑を掛けた悪者だ」ということを、殊更(ことさら)に強調するものだった。そして、土下座外交に反対する人に対して「戦争の罪深さを理解できないことは、罪深いことだ」などと言い、またしても罪悪感を刺するのである。

日本の緊縮財政というものの思想的背景は、国債悪玉論である。「国債発行は、将来の子孫に負担を押しつけ、迷惑を掛ける、とても罪深くて悪い行いだ」という言い回しで、国債発行を罪悪視し、国債発行をするものを犯罪者扱いするのが特徴である。

1970年代の緊縮財政の旗手というと、大平正芳exitである。この人は、1975年昭和50年)の予算編成の際、大蔵大臣を務めていた。税収が不足したので、10年振りに特例国債法exitを制定して特例国債を発行することになった。このとき大平正芳大臣は「万死に値する。一生かけて償う」と発言したと伝えられている(記事exit)。もう、まるっきり、国債発行を犯罪と扱っている。


余談ながら、道徳倫理の点で責め立て、「あなたは罪を犯した悪い人だ」と糾弾し、「自分は迷惑を掛けた、申し訳ない」という自責の念を持たせ、罪悪感金縛りにする、というのは、人を支配する上でとても有効な技法である。

人というのは、やはり良心的な存在であり、道徳倫理をかなり気にする種類の生命体である。「お前は悪いことをした犯罪者だ」と直言されると、しも顔色を失い、弱気になり、ひどい場合は脚が震えてを流すことになる。人はそれだけ道徳を気にする生物である。もちろん、ごく少数の例外がいて、そういう例外はサイコパスと呼ばれるのだが、やはり道徳を気にする良心的な人の方が圧倒的に多い。

だから、人のそういう性質を利用しようとする者も現れる。信者に対して「君は悪いことをした」と吹き込む新興宗教がしばしば見受けられるが、信者罪悪感を刺して弱気にさせ、支配しやすいようにしているわけである。
 

まとめ

そういうわけで、土下座外交と緊縮財政は、なかなかよく似ている。

ゆえに、緊縮財政のことを土下座財政とか自虐財政と呼ぶのも一であるといえよう。
 

有力政治家と保守派論客

警告

この項は左右の政治対立に深く関わった保守論客のことを話題にしています

 

安倍晋三と麻生太郎の緊縮財政

安倍晋三969798内閣総理大臣と、麻生太郎第17・18・19・20代財務大臣は、2012年12月に政権を獲得してから一貫して緊縮財政の路線を突き進んできた。

選挙をするたび圧勝し、環境恵まれた彼らは、財政削減を繰り返して緊縮財政を続けてきた。そのため、政府の各部門の支出は民主党政権時代よりも少なくなったところが多くなっている。

新規国債発行額も年々減らされている(国債の記事を参照)

一般的に彼ら2人は保守政治家と見なされている。保守なら国家の基礎を作るために土建設や少子化対策を重視し積極財政の路線を進みそうなのだが、なぜかそうしない。国債発行額を減らし、財政支出を削り、消費税を増税し、一杯の緊縮財政を追求しているのである。


彼ら2人が緊縮財政を敢行するときの言いは決まり切っていて、「積極財政をすると、市場格付け会社exitからの評価が悪くなる。市場や格付け会社からの評価を上げるため、緊縮財政にする」というものである。麻生太郎総理兼財務大臣は2019年5月23日参議院財政融委員会において西田昌司議員に対してそのように答弁しているし(議事録exitの四ページ)、安倍晋三内閣総理大臣2013年5月15日参議院予算委員会において「財政再建をして市場の信認を確保する」という意味の答弁をしている(議事録exitの四七ページ

日本国政府の首である安倍麻生の御両人は、市場や格付け会社に対し、頭が上がらない。市場や格付け会社からの評価をひたすら恐れている。

市場や格付け会社は、リーマンショックという大不況の到来を全く予測できなかった。このため、リーマンショックのあとはアメリカ合衆国にも「市場や格付け会社の評価など当てにすべきではない」という態度の政治家が増えてきているのだが、安倍総理麻生総理はそういう潮流とは縁であり、市場や格付け会社の評価を全面的に信頼し、批判に受け入れているのである。
 

渡部昇一

なぜ安倍晋三麻生太郎が緊縮財政を追求するのか。

色々と原因が考えられるが、その中の最有補は渡部昇一上智大学名誉教授だろうと思われる。

渡部昇一を簡単に説明すると、上智大教授英語文法史を教えていた人である。1980年代1990年代保守の論客として活躍し、いわゆる自虐史観日本は悪かった史観)の論者と論戦を繰り返しており、「日本は悪くなかった史観」をする勢の中心的存在だった。インターネットのない時代はマスコミ情報発信がやたらと強かったのだがそれにも全く屈せず戦っていたので、保守にとってはまさに英雄と言った感じの人なのである(左の皆さんからは蝎のごとく嫌われている)。

その渡部昇一は、グローバリズム市場原理主義)の熱な信奉者なのである。彼の書いたグローバリズム賛美本は数多く、図書館に置いてあることが多い。そのうち1つは『まさしく歴史は繰りかえすexit_nicoichiba』という本で、をなくしたボーダレス世界が既に到来しており、その中を生き抜くにはユダヤ人真似をすべき、ユダヤ人には才を持つエリートが多いが国家政府に頼らない生き方をしてきたからである、持ち優遇の税制にしてユダヤ人大富豪日本帰化するようにしろ、などと書いてある。「グローバリズム素晴らしい」という段階を既に過ぎ去っており「グローバリズム歴史の必然、その中で生き抜くにはこうせよ」とするレベルの人だった。

大規模な規制緩和をしたマーガレット・サッチャーを誉め称え、大蔵省の護送船団方式(銀行業界を統制する政策)を猛批判するなど、規制緩和も賞賛していた。フリードリッヒ・ハイエクという市場原理主義の旗手といえる経済学者を絶賛し、「小さな政府せ、規制緩和せよ、福祉国家はダメだ」と論じていた。

自虐史観を論戦で破り続けて日本の名誉と尊厳と誇りを取り戻した保守英雄である渡部昇一先生が、グローバリズム市場原理主義)を肯定して『小さな政府』を奨励している。ならば、緊縮財政を続けて『小さな政府』をそう」と、安倍晋三麻生太郎は考えているものと思われる。憧れの人物の真似をしているというわけである。

渡部昇一2017年4月17日に他界した。そのとき、安倍晋三Facebookコメントし(記事exit)、葬儀にも参列している(記事exit)。

麻生太郎も葬儀に参列し、「(渡部昇一は)知性の巨匠だったと思う。左っぽい人が多かった中で、一の保守的な人だったんじゃないかな」とコメントしている(記事exit)。

安倍晋三麻生太郎の両人が心から敬し、心酔しているのだろうことがよくえる。

実際、安倍晋三麻生太郎は「渡部昇一政治家になっていたら、こうなったんじゃないか」と思えるほど渡部昇一行動が似ている。2人ともマスコミ記者を言い負かすのが大好きで、韓国中国に厳しい態度で臨み、アメリカには親和的で、市場に対して全幅の信頼を寄せ、『小さな政府』の信奉者である。

安倍晋三麻生太郎の精的支柱である渡部昇一安倍政権の緊縮財政路線の因である、というのはもちろん推論でしかないのだが、非常に説得がある。か、安倍晋三麻生太郎に質問して、確かめてみてほしい。
   

小室直樹

1980年代1990年代保守の論客として活躍しつつ緊縮財政を強くしていた人物というと、小室直樹exitの名も挙げることができる。

小室直樹も、渡部昇一と同じように保守アイドルといっていいような存在で、出す本がよく売れていて、書店の新刊コーナーにおける常連だった。

そしてこの2人ともが民尊官卑の思想の持ちで、「すべての官僚は悪い」という官僚性悪説を多数の著書で何度も繰り返し書いていた。

保守の多くから人気を集める渡部昇一小室直樹が官僚をボコボコにバッシングするのを見て、「官僚のやり方をするとかれる、民間企業のまねごとをしよう、民間企業ごっこをしよう、民間企業の経営者になりきった気分で国家運営をしよう、税収を増やして国債を減らして貸借対照表の純資産すようにしよう」という気運が保守国会議員保守官僚に広がり、保守政治の総大将である安倍晋三麻生太郎にも広がっていったというのが、平成政治史の1つの側面であると思われる。 
 

財政政策における情報戦

財政政策というのは、租税義者(財政再建を唱えるグループと、国債義者(積極財政を唱えるグループが、しく対立する分野である。

両者はあまりにもしく対立しており、その抗争の模様は、情報戦といってよいレベルに達している。お互いが、情報戦で優位に立つべく、高度で巧みな技術を駆使し、知恵をひねり出している。

高度で巧みな技術を用いた情報戦というが、要するに、蔑称を与え合っているのである。いわば、悪口合戦である。相手を悪いイメージの付いた名で呼んで、相手のイメージを悪化させ、イメージ世界勝利しようと頑っている。


租税義者たちが国債義者に与える蔑称は、以下のようなものである。  

財政悪化不健全財政、放漫財政、財政赤字赤字国債赤字支出、まみれ、異端の学説、債務拡大、負担の増大、将来世代へのツケ持続可能性欠如標達成の努放棄

 
これに対し、国債義者も負けずに反撃し、租税義者を次のような表現で呼ぶ。

緊縮財政、消極財政、支出削減国債発行削減小さな政府政府弱体化子化の放置社会持続性の欠如インフラ建設の努放棄

 
現状では、租税義者の方がすこしだけ、情報戦の分野で優位に立っていると言えるだろうか。なんと言っても、「赤字」という言葉がもたらす負のイメージは強である。

中野剛志もこのことに気付いており、この本の246~248ページexit_nicoichibaで、「赤字債務という言葉の影が強い」と摘している。

しかしながら中野剛志はそれに気付いていながら、自著で「財政赤字」「赤字支出」という表現を多用してしまっている。情報戦で勝ちたかったら、そういう表現を慎むべきだと思われるのだが・・・
 

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関連リンク

関連Wikipedia記事

関連コトバンク記事

その他

関連項目

脚注

  1. *2002年アメリカ合衆国民間格付け会社が「デフォルトの危険性あり」として日本国債の格付けを引き下げた。それに対し、日本財務省黒田財務官(2021年現在日銀総裁の座にある人物)が質問書を送っている。その中には「日・など先進国の自通貨建て国債デフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか」という文章が入っている(資料exit

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財政再建

82 ななしのよっしん
2021/09/12(日) 08:12:40 ID: H/Bgj7JHg3
財政破綻したが、民を他奴隷として売るのが普通だったらどうなってたかな
83 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 01:06:43 ID: J8NPN1LW+e
積極財政論者ってなんで
日本は借増え続けてるの視して
日本緊縮財政だとかいい続けてるの
84 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 01:12:27 ID: X/yOtgIi2R
デフレなのに増税して支出を減らしているから
85 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 01:25:16 ID: J8NPN1LW+e
はいデマ
増税してるのは事実だが
それでも借が、増え続けるのは
支出がそれ以上に増えてる以外に他ならないわけだが

こんな小学生でもわかりそうな算数も理解してないのが反緊縮

ちなみに自分は民営化新自由主義嫌いで営化推進
開発独裁論者だから、新自由主義々は聞く気ないから
86 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 01:34:44 ID: J8NPN1LW+e
中国とかは大きな政府だがの借少なくて
アメリカ日本小さな政府なのにの借多いのが皮やね

大きな政府小さな政府以前にポピュリズムと相性いいんだろな民主主義の積極財政論って
87 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 03:12:47 ID: X/yOtgIi2R
知りもしない事を適当に発言した
すまん
88 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 13:10:45 ID: VVUhTyOSu3
おい、何しれっと丸め込まれてるんだよw
だいたい中国政府債務残高なんて過去10年だけでも5倍近くにもなってんだがw
89 ななしのよっしん
2021/09/17(金) 19:48:07 ID: J8NPN1LW+e
中国GDP自体が大幅に増えてるし
額が増えるのは当たり前

日本GDP増えないのに税金や、借だけが
増え続けてるがな
90 ななしのよっしん
2021/09/18(土) 09:18:55 ID: e5MGJKN8Sq
中国GDPは当然ながら人民元で計算されていると思うんだけど、
GDPが増える=人民元お金)が増える=債務(借)が増えるって図式じゃないか?

なんでお金が増えると債務(借)が増えるのかというと、
お金の発行の仕組みはそういうものだからという説明になる
中央銀行バランスシートを見ればそれがわかると思う
91 ななしのよっしん
2021/09/18(土) 10:26:58 ID: gpkI4DUpTu
日本の歳出は98年から2018年まで20年ほとんど増えてないよ
コロナ対策で去年から急に増えてるけど
日本の借が増えた理由は基本赤字経営(それ自体は普通)の上に税収が増えてないから

日本の税収が増えない理由は法人税を減らしたのとか消費税を増税した分経済が冷え込んで税収も減ったのとか

財政健全化をは歳出が増えるのを必死で防いでるし消費税は増税してるし
増税だけじゃやってけないって財界の要望に応えて法人税は減らしてきたが、経済発展という点でいえば逆効果もいいとこ

社会保障削ってるからが借して社会に流したは多くがタンス預とか内部留保として将来に備えて眠ってる
消費税増税したから消費は冷え込んで生産も落とさざるを得ない
法人税削ったのも内部留保増えるのに貢献、経済が回らない回らない
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)

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