買いオペレーション単語

カイオペレーション

買いオペレーション買いオペ)とは、中央銀行が行う融政策の1つである。

反対売りオペレーション売りオペ)。
 

概要

中央銀行は、債券市場に参入して、民間機関を相手に国債などの有価券を売買することがある。これを市場操作という。

中央銀行民間機関から国債を買い上げることを買いオペレーション買いオペ)という。買いオペにより、民間機関が所有する日銀当座預金が増えるので、民間機関企業計に対して融資しやすい状況になり、インフレを高めてデフレ脱却する効果が期待できる。

民間銀行日銀当座預金を引き出して企業計へ貸し出しているわけではない。しかしながら日銀当座預金が増えると企業計に貸し出し可な額が一気に増えるのである。

準備預制度というものがあり、民間銀行の貸し出し可額は、日銀当座預金の額によって決まる。日銀当座預金が少ないと貸し出し可額が少なくなり、日銀当座預金が多くなると貸し出し可額が多くなる。(信用創造の記事でそのことが解説されている)


日銀2001年から2006年まで続けた「量的融緩和」や、2013年から2019年現在まで続けている「量的・質的融緩和(異次元融緩和)」は、いずれも買いオペを軸とした融政策である。
   

買いオペの問題点

銀行が貸し出しをしないことがある

買いオペをして増えるのは、民間機関中央銀行に開設している口座の中の預額(日本では、日銀当座預金という)である。

民間銀行にとって、日銀当座預金が増えれば、その分、貸し出し可額が増える。ところが、民間銀行は貸し出し可額が増えたからといっても、実際に貸し出しを増やさないことがある。世の中の企業計の消費・需要が少なく、有効な投資先が見つからないのなら、理して貸し出しを増やそうとしない。

民間銀行が、企業計に向けて融資することをしなければ、世の中に出回る通貨の量が増えず、いつまで経ってもインフレが高まらず、デフレ脱却できない、というわけである。


このことを経済学を使って表現すると「買いオペをすると確かにマネタリーベースベースマネー)が増える。しかし、マネーストックマネーサプライ)が増えるとは限らない」となる。マネタリーベースベースマネー)は中央銀行が発行した通貨の総量で、民間機関中央銀行に預ける日銀当座預金も含まれる。マネーストックマネーサプライ)は、機関以外の企業計が保有する通貨の総量で、「世の中に出回っているお金」のことである。


2013年3月日銀総裁へ就任した黒田異次元融緩和と称して大規模な買いオペを始めた。この融政策のため、日銀当座預金の合計額やマネタリーベースが一気に増えた。それなのにインフレ率は上がらず、2%インフレ標すら達成できていない。

このページexitを元にして表にするとこうなる。

日銀当座預金の合計 マネタリーベース
2012年12月 43兆円 131兆円
2019年7月 403兆円 516兆円

日銀が怒濤の勢いで買いオペをして、民間銀行日銀当座預金が増えて、民間銀行の融資可額が一気に増えても、なかなか民間銀行が貸し出しをしようとしない。日本国内の消費や需要が少なくなっており、有望な投資先が見つからないからである。そのため、世の中の企業が回らず、企業の業績は振るわず、賃は伸びず、インフレがあまりかからない。
 

市中に出回る国債が無くなったら買いオペできなくなる

民間機関国債限に持っているわけではないので、中央銀行が大規模な買いオペを続けていると、いつかそのうち買いオペできなくなる。

2019年現在安倍内閣財政再建という名の下に緊縮財政の政策を採用しており、国債発行額を減らしている。このため、中の国債が消えるときがやってくる。
  

中央銀行が国債を保有する意味

2013年3月黒田日銀総裁に就任して以降、大規模な買いオペが続いたことにより、日銀が保有する国債の量が膨大なものになった。

2019年3月末の時点で、日銀日本国債の46を保有している。日本国債の発行額合計が1,027兆円なので472兆円分の国債日銀が保有していることになる。

このことは何を意味するのか。識者の間でも意見が分かれている。
 

国債が事実上帳消しになった

日銀というのは日本国政府55出資している企業であり、政府にとって子会社である。

経済学の分野でも、政府とその子会社である中央銀行を一体のものとして扱うことがあり、その際は「統合政府」という。日本国政府日銀を親会社と子会社として扱い、連結して決算を考えると、日銀の保有する国債日本国政府にとって債務でなくなったというのと同然になる。

日銀が保有する日本国債が満期になっても日銀が償還を請せずに10年間放置すれば、請権が消滅してしまう。国債をこの世から消すことができる。ただし、この方法だと日銀の資産が全に消えてしまい、日銀が債務過になるので、日銀に対して政府が資本注入をするなど面倒なことをしなければならない。

日銀が保有する日本国債が満期になったら、それと同額の「利子・返済期限期限の永久国債事実上の政府貨幣)」を発行して日銀に直接引き受けさせることもできる。これだと日銀政府に対して請する権利がなくなるので、国債がこの世から消えたと同じ意味になる。


あるいは、日銀は「日銀乗換」をして国債継続保有することもできる。満期になった国債と全く同額の国債政府が発行し、国会の議決を受けた上で日銀が直接引き受ける「日銀乗換」は、毎年行われている。日銀乗換をしているうちは、日銀国債の元本の請権を放棄しているのと同じことになる。日本インフレ率が過度に高まったときには、売りオペをしてインフレ退治に乗り出す必要がある。売りオペ選択肢を残すためにも、日銀が大量の国債を常時保有しているのが望ましい。

日銀日本国政府にとって子会社なので、日本国政府日銀に対して、日銀保有国債の利子を請する権利を放棄させることもできる。実際には、日本国政府がいったん日銀に利子を支払い、日銀日本国政府に受け取ったのと同額のお金を「庫納付」として返還している。

日銀日本国政府にとって子会社なので、日銀保有の国債はもはや債務ではない。元本の請権も利子の請権も放棄させることができる。


・・・といった論説をいくつかの論者る姿が見られる。
  

国債が帳消しになったというのは間違い

買いオペをして日銀国債を保有したとしても、国債が消えたわけではない、民負担は必ず発生する、という論説を論者もいる。


この記事exitでは、「日本インフレになれば、日銀売りオペ国債中に放出する必要がある。売りオペでばらまいた分の国債日本国政府にとって債務となる」と論じられている。

この記事exitでは、「日本インフレになれば、日銀民間機関が持つ日銀当座預金に付利を付けなければならなくなり、債務過に陥る。日銀に資本注入する必要が出てくるがそれには強い反対が出るだろう」と論じられている。
 

関連Wikipedia記事

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