超力戦隊オーレンジャー、オーレ!
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王 |
「超力戦隊オーレンジャー」とは、1995年3月3日から1996年2月23日にかけて毎週金曜17:30~17:55にテレビ朝日系列で全48話が放映された東映製作のスーパー戦隊シリーズ第19作目の特撮ドラマである。
ストーリー、オーレ!
1999年、月に前線基地を築き上げた機械生命体の帝国「マシン帝国バラノイア」が地球への侵攻を開始した!
地球上の都市に壊滅的打撃を与えたバラノイアは侵攻の目標を日本へと向けた!
対する人類は国際空軍U・Aに属するメンバーから選び抜かれた5人の精鋭「UAOH=超力戦隊オーレンジャー」を結成。
オーレンジャーら5人は超古代文明から伝わるパワー「超力」でバラノイアに立ち向かう!
概要、オーレ!
スーパー戦隊シリーズ | |
第1作 | 秘密戦隊ゴレンジャー |
第2作 | ジャッカー電撃隊 |
第3作 | バトルフィーバーJ |
第4作 | 電子戦隊デンジマン |
第5作 | 太陽戦隊サンバルカン |
第6作 | 大戦隊ゴーグルV |
第7作 | 科学戦隊ダイナマン |
第8作 | 超電子バイオマン |
第9作 | 電撃戦隊チェンジマン |
第10作 | 超新星フラッシュマン |
第11作 | 光戦隊マスクマン |
第12作 | 超獣戦隊ライブマン |
第13作 | 高速戦隊ターボレンジャー |
第14作 | 地球戦隊ファイブマン |
第15作 | 鳥人戦隊ジェットマン |
第16作 | 恐竜戦隊ジュウレンジャー |
第17作 | 五星戦隊ダイレンジャー |
第18作 | 忍者戦隊カクレンジャー |
第19作 | 超力戦隊オーレンジャー |
第20作 | 激走戦隊カーレンジャー |
原作者の違いにより、スーパー戦隊シリーズに含まれず、東映・・・公式でも扱いがあやふやになっていた「秘密戦隊ゴレンジャー」と「ジャッカー電撃隊」が正式にシリーズに加わり、ゴレンジャーから数え、スーパー戦隊シリーズ20周年記念作品として製作された。
※「ゴレンジャー」、「ジャッカー電撃隊」は「石ノ森章太郎」原作であり、バトルフィーバーJ以降のシリーズは「八手三郎」原作である。
当作品のモチーフは「古代文明」となっており、ストーリー展開や巨大ロボ等のメカニックの意匠にふんだんに取り入れられている形となった。
スーパー戦隊シリーズ20周年という事で、これまでのスーパー戦隊における構成要素をこれでもか!という位取り入れ原点回帰を目指した作品となった。
- メンバー全員が「秘密戦隊ゴレンジャー」、「バトルフィーバーJ」、「太陽戦隊サンバルカン」、「電撃戦隊チェンジマン」を彷彿とさせる戦いのプロ、職業軍人。
- 「五星戦隊ダイレンジャー」では名乗りをそのエピソードのメインとなった戦隊メンバーが行ったり、「忍者戦隊カクレンジャー」ではレッドでは無く、ホワイトがリーダーという変則的な展開がなされたが、本作はあくまでもレッドが中心という、昔ながらのパターンに戻った。
- 6億年前の超古代文明といった、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」等を彷彿とさせるファンタジー系戦隊の要素も含まれた。
- 脚本には杉村升を筆頭に、上原正三、高久進、曽田博久、井上敏樹・・・といったメインを務めた事があるベテランが起用された。
鳴り物入りで始まったが・・・
設定、スタッフと共に豪華な顔触れで始まった「超力戦隊オーレンジャー」。序盤からのハードでシリアスなストーリーが展開されていくかに期待されたが、番組が開始された1995年は
と、社会情勢は明るいとは言い切れず、路線変更をせざるを得ない事態となってしまった。
※丸尾桃/オーピンク役を演じたさとう珠緒(当時:珠緒)は後年、路線変更の理由に”オウム真理教の事件が元で「超力」、古代文明という設定の変更を余儀なくされた”と証言している。
路線変更後のストーリー展開も困難を極め、過去のスーパー戦隊シリーズで見られたストーリーの焼き直しが散見されたり、メカニックにおいてもオーレンジャーのメカニックに”唐突に”新兵器や巨大ロボが登場したり、敵組織マシン帝国バラノイアのコミカル描写で番組の尺を稼いだりという迷走ぶりが目立ってしまった。
※尚、バラノイアのギャグ描写に関しては当初から決まっていた事項であり、「心を持たないマシンを表す=ゲーム感覚で破壊活動を行う」という恐ろしさを演出する為であった。
お祭りか、迷走か
どうしてこうなった原因としては、製作スタッフ陣の意見の食い違いや、スーパー戦隊シリーズ20周年記念における商業的展開がオーレンジャーのハードでシリアスなストーリー設定とは水と油だった・・・等の説が挙げられる。結果、スーパー戦隊シリーズ作品の平均視聴率の最低記録4.5%を記録してしまった。(ちなみにこの記録、18年後の『特命戦隊ゴーバスターズ』がさらに更新している。)
しかし、玩具等の商業展開においては大成功を収め、プロデューサーが語った所によると売り上げが「151億」という歴代スーパー戦隊で上位である数字を残している。これは番組のターゲットを大人からちびっ子向けに絞り、「わかりやすい」作品に仕上げた点が挙げられる。こうして超力戦隊オーレンジャーは
- 良く言えば「スーパー戦隊20周年記念に相応しい、お祭り騒ぎで熱くなれる作品(こまけぇこたぁいいんだよ!)」
- 悪く言えば「迷走に迷走を重ねた結果、色々な物を詰め込み過ぎた作品(ごらんの有様だよ!!!)」
と、スーパー戦隊シリーズの歴史に名を残す作品としてファンの心に残ったのであった。
しかしながら翌年のシリーズでは、それすら上回る強烈な作品が待ち受けていた・・・
超力戦隊オーレンジャー!、オーレ!
超古代文明から伝わるパワー「超力」を駆使して戦う 「国際空軍」より選び抜かれた5人が
国際空軍の直属組織UAOH(United Airforce OHranger)=超力戦隊オーレンジャーである。
※ちなみに、UAOHの読みはそのままのアルファベット読みで”ユーエーオーエイチ”である。某・猿顔の一般市民の様に”ワオー”と某・やかましい鳥の様に”ウアオー”と読まない様に。
本拠地は日本アルプスの山中にある「超力基地」。(オーレンジャー基地と呼ぶ事も。)
変身アイテムである「パワーブレス」を用いて、「超力変身!」の掛け声により、ブレスに内蔵されている強化スーツが身体に装着されて、「オーレンジャー」へと変身を遂げる。
序盤ではオーレッド以外の4人は強化スーツを着用している間は体力を消耗し、変身を解除すると疲弊してしまうというデメリットがあったが、設定が忘れ去られたのか、鍛錬を重ねていった結果なのか、この描写は無くなった。
※余談であるが、事ある毎に発する「オーレ!」は当時発足したJリーグから採られたという説がある。
共通装備・必殺武器・必殺技 | |
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オーレバズーカー |
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UAOH/超力戦隊オーレンジャー
★オーレッド/星野吾郎(ほしの ごろう) |
演:宍戸勝/スーツアクター:横山一敏 |
■オーグリーン/四日市 昌平(よっかいち しょうへい) |
演:正岡邦夫/スーツアクター:武智健二、今井靖彦 |
▼オーブルー/三田 裕司(みた ゆうじ) |
演:合田雅吏/スーツアクター:竹内康博 |
=オーイエロー/二条 樹里(にじょう じゅり) |
演:麻生あゆみ(現:穂高あゆみ)/スーツアクター:中川清人、蜂須賀祐一 |
●オーピンク/丸尾 桃(まるお もも) |
演:珠緒(現:さとう珠緒)/スーツアクター:村上利恵、中川素州 |
追加戦士 |
王キングレンジャー/リキ |
演:山口将司(※第26話では変身後の声を橋本巧が担当。) /スーツアクター:大藤直樹 |
協力者、オーレ!
- 三浦尚之(みうら なおゆき)参謀長(演:宮内洋)
- UAOH/オーレンジャーの指揮官にして参謀長。階級は大佐。
- 古代文明のパワー「超力」を発見し、オーレンジャーの強化スーツやオーレンジャーロボを初めとしたメカニックを開発した。
- 戦闘能力も高く、終盤において、一般兵士が銃で撃っても敵わなかったバラノイアのバーロ兵を素手で次々と無双していった。
- 秘密戦隊のキザなサブリーダー、力と技を受け継いだライダー、人呼んでさすらいのヒーロー、電撃隊行動隊長の白い鳥人、宇宙刑事、警視庁・特別救急警察隊の本部長だけあって、歴代スーパー戦隊シリーズの司令官ポジションの人物の中でも1,2を争うチート能力の持ち主ではなかろうか。
- 後年スーパー戦隊Vシネマ、「百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊」においても(バンク映像で)登場しており歴代レッドの巨大マシンに攻撃の指令を出している。※その際、三浦参謀長が攻撃の指令を出し、更に同じく宮内洋が演じる「ゴレンジャー」の新命明/アオレンジャー(バンク映像)が号令を出すという凄まじい映像を目の当たりにする事が出来る。
- ドリン(演:和田理沙)
- キングレンジャー/リキと共にキングピラミッダーで眠りについていた少女。「パク(声:小桜エツ子)」というペットを飼っている。
- オーレンジャーの「超力」にとって重大な鍵を握っている存在である。
- ガンマジン(声:神谷明 スーツアクター:日下秀昭)
- ※この項ではキャラとしてのガンマジンについて記載。巨大戦力としてのガンマジンは後述。
- 中盤から登場した謎の魔人。普段は鍵と共に岩状の形態で封印されているが、
-
- という呪文を唱え、備え付けの鍵で開封する事で目覚める。目覚めさせた者の願いを叶える様に動く。
- ※何故、子供達の近くに都合よくガンマジンが飛んで来るのか?何故、劇場版で子供が呪文を知っているか?と突っ込んではいけない。鍵の秘められた力が言葉に出ただけしておこう。うん。
- 鍵と岩(ガンマジン)がバラノイアの手に渡った時に一度だけオーレンジャーと戦ってしまった事があるが、基本的には破壊活動や人を傷つけたりする様な願いや、自分が気に入らない願いは聞き入れず、騙した者に対しては制裁を加える事もある。
- 言葉は「~でござる」等時代がかかっている口調で話す。状況に応じて自在に身長を伸縮させる事が可能であったり、戦闘能力も高いが、お化けや妖怪が苦手という弱点があることが劇場版で判明し、非常に情けない声を上げて縮んでしまい逃げていった。
- 妖怪軍団、インフェルシアの冥獣、外道衆相手では歯が立たない事必死であろう・・・。
- モチーフとなった物はオルメカ文明の巨石人頭像と中世ヨーロッパの従士。
海賊戦隊ゴーカイジャーにおいては、紹介すらされていない。脚本家曰く「巨大ロボ戦にはいたかもしれませんがあいつは気まぐれなので分かりません」との事。確かに言われてみればそうかもしれない。
メカニック、オーレ!
オーレンジャーのメカニック |
サンダーウィング |
ジェッターマシン |
オーレンジャーの巨大戦力 |
超力モビル |
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オーレンジャーロボ |
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レッドパンチャー |
バスターオーレンジャーロボ |
オーブロッカー |
タックルボーイ |
ガンマジン |
ガンマジンが必要に応じ、巨大化した姿である。武器は「マジンサーベル」で「マジン一刀流」という7種類の剣技を使用して戦う。
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キングピラミッダー |
キャリアフォーメーション技の呼称はされなかったが、突進しながら全武装を放つ「スーパーユニゾンファイヤー」が必殺技。 バトルフォーメーションオーレンジャーロボor超力モビルとレッドパンチャーを内部に格納した人型の戦闘形態。余りの巨大さに敵巨大マシン獣が圧倒される事に定評がある。そのデカさは、デカベースロボ・エンジンオーG12・サムライハオーすら上回る。おそらくスーパー戦隊ロボの中で一番でかい。 必殺技は高出力高威力のプラズマビーム「スーパーレジェンドビーム」。Vシネマ「オーレVSカクレンジャー」で妖怪オンブオバケに回避された以外は無敗を誇る。 |
マシン帝国バラノイア、オーレ!
本作品における敵組織。外宇宙の「バラノイア星」から人類を奴隷にする為に地球に侵攻して来た機械生命体の帝国が「マシン帝国バラノイア」である。
間違われ易いが、「パラノイア」では無く、「バラノイア」である。組織の名前の由来は「パラノイア」から来ているが、組織の名前は「バラノイア」である。(大事な事なので二回言いました)地球のみならず、他の惑星にも侵略の手を伸ばしている。
バラノイアは人間や動物等と言った有機物という物が無く、ありとあらゆる物が無機物・・・機械のみで構成されている。地球侵略に当たっては月の裏側に前線基地を築き上げ、皇帝バッカスフンドが自ら陣頭指揮を取り、巨大母艦「バラクティカ」、戦闘機「タコンパス」、侵略兵器である所謂怪人「マシン獣」を地球に送り込んで来る。
終盤においては暗黒素粒子の力によりオーレンジャーを撃破、半年間ながらも地球征服に成功してしまうという特撮史上(悪から見て)前代未聞の偉業を成し遂げている。後年ここまで成功した敵組織は、「未来戦隊タイムレンジャー」にて元々金儲けのみが目当てであり、実際に巨額の富を得る事に成功したロンダーズファミリーくらいなものである。
※各幹部の名前の由来や容姿はアチャ&コチャ、ボンバー・ザ・グレートを除き犬がモチーフとなっている。
- 皇帝バッカスフンド(声:大平透)
- 皇妃ヒステリア (声:松島みのり)
- 皇子ブルドント/皇帝カイザーブルドント(声:関智一)
- マルチーワ姫/皇妃マルチーワ(声:山田美穂)
- アチャ(声:肝付兼太)
- コチャ(声:安達忍)
- マシン獣
-
地球侵攻に送り込まれるバラノイアの侵略兵器。 名前は「バラ+モチーフとなった物体・生物」である。大きさは等身大である事が殆どであるが、最初から巨大化した状態で出現するマシン獣もいる。侵略兵器らしく、自我を持たない・・・任務に忠実なマシーンから人間以上に人間らしい性格の持ち主、果てはコミカルな性格のギャク怪人に至るまでバラエティに富んだ個体が登場した。
オーレンジャーに倒された際はアチャ&コチャによって巨大化する。アチャがコチャをムロフシハンマー投げの要領で、「アチャ~!」「コチャ~!」と交互に名を叫び、横たわるマシン獣へ向けて投げつけ、コチャがエネルギーを注ぎ込み、蘇生・巨大化させるというプロセスを踏んでいる。 - ボンバー・ザ・グレート(声:檜山修之)
参考資料:バラノイア憲法12条
主題歌、オーレ!
- OP:『オーレ!オーレンジャー』
- 作詞:八手三郎 作曲:小杉保夫 編曲:米光亮 歌:速水けんたろう
- ※スーパー戦隊シリーズのOP曲の中でも最後の歌詞が番組タイトルと同じでない上、
- 「超力戦隊」という単語が登場しない珍しい楽曲である。
- ED:『緊急発進!!オーレンジャー』(第1 - 47話)
- 作詞:八手三郎 作曲:小杉保夫 編曲:まきのさぶろう 歌:速水けんたろう
- ※イントロ部分は「ダウンタウンのごっつええ感じ」内で放映されたコント「ザ・バイオハンター」で使用されている。
- 挿入歌・最終話ED『虹色クリスタルスカイ』
- 作詞曲:KYOKO 編曲:京田誠一(コーラス編曲:永井誠) 歌:速水けんたろう
- ※本編で度々挿入歌として登場しており、「神曲」と称えるファンが多い熱い楽曲である。EDとしては最終話で使用された。
- ※他にも「緊急発進!!オーレンジャー」と同じく「ザ・バイオハンター」本編で使用されている事でも知られている。
劇場版、オーレ!
1995年4月15日に「東映スーパーヒーローフェア」の中の1作品として上映されている。同時上映は「重甲ビーファイター」、「人造人間ハカイダー」である。
スーパー戦隊Vシネマ、オーレ!
本編終了後、前作「忍者戦隊カクレンジャー」との共演が実現したVシネマ作品「オーレVSカクレンジャー」がリリースされた。(その翌年にはカーレンジャーとのクロスオーバー作品「激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー」がリリースされている。)以降、前年度の戦隊と今年度の戦隊が共演する「スーパー戦隊VSシリーズ」がVシネマ(後に劇場版へ媒体変更)で公開、好評を博している。
※戦隊同士の共演としては、厳密には1978年の映画「ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー」が始祖的存在である。
関連動画、オーレ!
公式配信
2013年3月1日より、東映特撮ニコニコおふぃしゃるにて劇場版が公式配信開始。
TVシリーズ本編は2015年2月20日より同チャンネルにて公式配信開始。毎週金曜日17:30より最新話配信、無料視聴期間は72時間(月曜日17:30まで)となる。
その他
関連チャンネル、オーレ!
関連コミュニティ、オーレ!
関連項目、オーレ!
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外部リンク、オーレ!
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