「越女」とは、趙曄「呉越春秋」に登場する中国の春秋戦国時代の越の国に現れた女剣豪である。
概要
春秋時代。越の国の王「句践」は、父の死に乗じて攻め込んできた呉の国の王「闔閭」を返り討ちにするも、闔閭の後を継いだ「夫差」が名将「伍子胥」「孫武」らを率いて襲来した際に敗れ、越は滅亡寸前にまで追い込まれた。
夫差の情けで命は助かったものの、句践は呉の国でしばらく夫差の召使いとして暮らす恥辱を受け、後に「臥薪嘗胆」の故事の由来ともなる呉への復讐の為、富国強兵に励んだ。
ある時、越の軍師「范蠡」は、誰かに師事だけわけでもなく、山や森など自然の中で自らを鍛えあげた女性剣豪の話を聞きつけると、その腕を確かめる為に腕の立つものを送り込んだ。しかし范蠡の送り込んだ強者達は全員その女性剣豪に完膚なきまでに叩きのめされた。
女性剣豪の腕を認めた范蠡は越軍の兵士を鍛えるよう依頼し、快諾した女性剣豪によって越軍はいかな戦場においても活躍できるよう様々な戦場を想定した過酷な訓練が課され、日に日にその強さに磨きをかけられていった。呉軍を打ち破るほどの強さを得た越軍に感動した句践は女性剣豪に「越女」の名をおくったという。
前記の通り、歴史書として信頼されている書物には登場せず、どちらかといえば小説に分類される呉越春秋に登場する人物の為、実在しないとされているが、腕っぷしのたつ女性キャラという事もあってか、呉越春秋以外に三国志演義の著者羅漢中の作「平妖伝」にて水滸伝にも登場する九天玄女が地上に現れた姿として登場したり、清の時代に蔡元放によって書かれた長編小説「東周列国志」に登場する他、金庸の武侠小説「越女剣」では、「阿青」という名の羊飼いの娘が白猿と遊ぶうちに無敵の剣を会得した人物として登場する。
関連動画
関連商品
関連項目
- 0
- 0pt