足し算単語

タシザン
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足し算とは、加減乗除と呼ばれる4つの演算のうち加に相当する(和とも呼ばれる)もので、数と数を足し合わせる計算のことである。

概要

足し算は、小学校低学年、人によっては保育園幼稚園、さらに前から学ぶかもしれない極めて初歩的な計算である。

しかし、「足すときに物の性質や属性視する」「同じ属性の物のみ足せる」のような、演算として抽化するための暗黙のルールがあり、すんなり理解できたりできなかったりする、実は難しい作業でもある。

最も基本的な計算は、1+1=2であろう。

現代人が10進法を採用している都合上、学ぶ順番はだいだい以下のようになっている。

足し算の対範囲を拡大したものとして、中学高校では以下を学ぶ。かっこよく和と呼んだりもする。

さらに、関数の和、集合の和、演算子の和、文字列の和、限と限の和、…、のように、数学者は色々なものをとりあえず足したくなるのである。だいたいは+記号でいいが、定義や足したいものによって微妙に違ったりするので、違いによく注意しないと、どれと、どれを、どのレベルで足し合わせて、何にしているのか、分からなくなってしまうので注意がいる。

足し算の性質

  • 結合法則。2回以上足し算する場合、どちらを先にしてもよい。
    例:(1+2)+3=1+(2+3)=1+2+3
  • 単位元の存在。足しても何も変わらない数0がある。0を自然数とするかどうかは文脈による。
    例:3+0 = 0+3 = 3
  • 交換法則。+記号の左右の数字を入れ替えてもよい。
    例:3+2 = 2+3

これらの法則は足し算が可換群であることを表す。

また、掛け算とは以下の関係を満たす。

  • 分配法則。足し算したあとに掛け算したものは、それぞれに同じものを先に掛け算してから足したものと一致する。
    例:4×(3+2) = 4×3+4×2、 = (3+2)×4 = 3×4+2×4
  • 足し算の単位元は掛け算ゼロ元になる。
    例:3×0 = 0×3 = 0

足し算の注意点

数と呼んでいるものは複数ある(でも実質的に一つとみなせる)

あらゆる数は自然数から生成することができ、自然数ペアノの公理などを適用して集合から生成される。

足し算はまず初めに自然数を対とする。自然数はいわゆる素な「モノの数」を抽化したものであるが、数学的には大きく分けて序数と基数という考え方がある。簡単に述べると以下のような物。

序数 … 集合の要素を並べて数を数え上げる作業の結果として現れる数

基数 … 集合の大きさを表す数

リンゴの数を数える場合、いち、に、さん、し、ご…と順番に数えるだろう。それぞれのリンゴには順番がつけられ、最後の一つが代表の数となる。これが序数である。また、個数が「ご」だとわかった場合、ちょうど5個のリンゴが入る袋に入れる作業をする。リンゴには順番がついておらず、全部の数「5」だけがわかっている。これが基数である。

序数と基数は異なるものであるが、それぞれに対して足し算を定義できる。しかし、少なくともリンゴを数える順番を変えて足してもいいのか、定義からは必ずしも自明ではない。序数の足し算は交換法則が成り立つか明瞭ではないので当然本来は2つを区別するべきものである。しかし、足し算は序数と基数を区別しない(しかも実は両方と完全に一致してしまう)演算である。

人間は、特に小さい子供は基本的に序数に基づいだ手順で数を数える。を使って数えたり、いちから読み上げたりする方法である。しかし、素な「数をかぞえる行為」と「集まりの大きさを測った値」、「それらを抽化した演算」を教科書で明確に区別しないまま、それぞれの考え方を自由自在に移動して式変形をしている計算式を見て、大人は「なんかわざとややこしいことをしている」感じを抱いてしまうのではないだろうか。

さくらんぼ計算に見られる批判はこの「なんか違うけど同じ」という気持ち悪さから来ていると筆者は推測している。

足す数と足される数

小学校では足す数と足される数を区別する。3+2=5の場合、足す数は2で足される数は3である。この言葉のイメージとしては+記号より←記号に近い。右にある数字を左に入れるイメージである。

つまり、足す数と足される数を区別するならば、3←2 = 5 と書いた方が教科書の想定している実際の操作に近いように思われる。また、足す数と足される数を区別するならば(3←2)←4と3←(2←4)は異なる式だから明確に区別する必要がある。しかし、足し算ではそれらを区別しなくてもよいことが保されている。

リンゴ3個にリンゴ2個を加えるのとリンゴ2個にリンゴ3個を加えることに違いがあるのか?と疑問に思うだろうが、「少なくとも序数の場合は異なるので区別する」と考えてみると足し算という演算に対する理解が深まると思う。

しかし、教科書では足す数と足される数を区別するのにすぐに交換法則が成り立つと教えてしまうので区別する意義が薄れているように思う。また、低学年が相手であるので問題文は極限まで短くなっているが、そのせいで逆に何が足す数で何が足される数か判別できない文章になってしまっているものが散見される。

右辺(結合)と左辺(分割)を等号で結ぶ

記号Kを自然数整数有理数実数のうちいずれか一つとする。

足し算演算子+はK×K→Kの写像である。f(x,y)=(x+y)=zと書けばわかるが、5を3+2に分解する作業はfの逆写像める演算になるが、f-1(z)=(x,y)を満たす組は複数存在する。3+2は一意的に5とめられるが、5は元の組の3と2に一意的に分解することはできない。

簡単に言えば、3と2を足して5にする作業と、5を3と2に分解する作業は本来は根本的に異なるものである。しかし、繰り上がり計算などでは分解する演算が当たり前のように使用されている。つまり、「数を足し合わせる作業」と「数を分割する作業」を深く説明せず同じ+記号で済ませてしまっているのである。

逆演算が確定しないという性質上、3+2=5 は (3←2) ⇒ 5 と書いた方が実態に近く、5=3+2 は 5 ➡ (3←2) と書いた方が近いように思う。

もちろん初学者には余計な記号を増やすことの方が不経済なので、一度説明して納得できれば+、=で表現した方がよいだろう。

教育現場への批判と擁護

演算自体は非常に簡単に理解でき、慣れてしまえばなんの疑問もなく行えてしまうが、算数の授業特有の問題として「2+3=5はマル、3+2=5はバツ」「1.1+0.9=2はマル、1.1+0.9=2.0はバツ」のように大人でも疑問に思う基準があったりする。もちろん教育課程でそのような採点基準にする理由はそれぞれにあるのだが、万人に納得できるものではないことなのでよく議論になる。

細かいことはいいんだよ、とりあえず作業を覚えればいいと、小さい時のちょっとした躓きが後々の大きな障になりうるから疎かにしてはいけないの差であり、子供個人個人に対してなにがより適切なのかは個人の傾向によるものなので、この溝は埋まることはなさそうだと筆者は考えている。

教師もそれを疑問に思っていながらあえて「教科書通りに」バツにしたり、堅苦しい導より柔軟に対応することが重要だからマルにしたりと教師側の対応も個人や場合によるので、一面を見て安易に教師社会を知らないバカなどと批判することは厳に慎むべきである。(どうしようもない人間がいることは否定しない)

よくある質問

Q. りんご2個とみかん3個は足したらいくつになりますか?

A. 足せません。足し算は足すものの中身が同じである必要があります。どうしても足したいなら、リンゴみかんフルーツと括って(抽化して)フルーツ2個+フルーツ3個=フルーツ5個と考えなければなりません。

Q. 砂山ひとつと砂山ひとつを合わせたら砂山ひとつになりました。これは1+1=1なのではないでしょうか。

A. 違います。砂山a1つと砂山b1つを足したら砂山c1つになりました、としていますが、a,b,c,は(に砂の量の観点から)全て「異なる砂山」ですのでこれは足し算ではありません。足し算はただ数えるだけの行為ですので、足す前の物と足した後の物は変化せず同じものでなければなりません。どうしても足し算したいなら砂の量のみに注するべきでしょう。「カレー1皿にとんかつ1皿を乗っけたらカツカレー1皿になりました。これは1+1=1ですよね?」と言われて納得できますか?

Q. どうして1+1=2なんですか?

A. そう決めたからです。正確には、1+1が2になるような演算を足し算と決めた代数(計算のルール)が一番日常の感覚で理解しやすいから算数では1+1=2になる計算を学びます。1+1が2にならない代数として、以下のようなものがあります。それぞれが通常の足し算と同様に交換法則、結合法則、分配法則が成り立ちますが、足し算の単位元が必ずしも掛け算ゼロ元とはならない場合があるなど、不思議な性質があります。

  • 二元体

0と1だけからなる世界の計算。0+0=0, 1+0=1, 0+1=1, 1+1=0。掛け算は0×0=0, 0×1=0, 1×0=0, 1×1=1。

hを正の実数としてa+b=(ah+bh)1/hとした計算。このとき、1+1=21/h。h=1のとき、通常の足し算になる。掛け算は通常の掛け算、もしくは通常の足し算を掛け算とみなすことで分配法則を満たす。

2つのうち大きい方を返す演算を足し算と決めた計算。マスロフ計算のh→の極限でもある。a+b=max(a, b)=(a, bの大きい方)、このとき1+1=1。通常の足し算を掛け算とみなすことで分配法則を満たす。

2つのうち小さい方を返す演算を足し算と決めた計算。a+b=min(a, b)=(a, bの小さい方)、このとき1+1=1。通常の足し算を掛け算とみなすことで分配法則を満たす。

これらはトロピカル代数という名前がついており、純数学興味の対としてだけでなく情報工学の分野など実用面で応用が考えられています。

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