転車台とは、車両の進む方向を回転させて変える機械である。ターンテーブルとも呼ぶが、DJが回すターンテーブルや電子レンジの中にある皿、中華料理が載っている回るテーブルとは別。
概要
列車の転車台
日本では、かつては蒸気機関車のように運転席が前方にしかなく、一方向にしか進めない列車が多かった。そのため、転車台も多くのところに設置され、1936年には435台が設置されていた。しかし、後に両方向に運転席がある列車が増えたため、転車台は徐々に使われなくなっていった。
現在は蒸気機関車を運行する鉄道や、扇形(せんけい)機関庫(扇形車庫とも。下画像参照)のあるところで主に使われている。稼働しないものや外部公開されていないものも含め、現在は全国に100台より少し多い程度の数が存在する。
臨時列車や観光列車として蒸気機関車が運行された場合、長らく運用されていなかった転車台が復活することもある。近年は転車台そのものが観光資源にもなってきており、歴史的価値の高い転車台は文化財に指定されたり、蒸気機関車の運行に伴い新しく転車台が設置されたりすることもある。
なお、転車台が無いところでも、蒸気機関車が逆機(バック運転)を行ったり別の列車に牽引されたりして戻っていくことができる場合が多い。ただし逆機の性能が前向きと比べると劣ったり、毎回牽引用の列車を持ってくると手間がかかったりするため、転車台が必要とされる。また、車庫を作るスペースが狭いという事情で、節約のため扇形車庫と転車台を設置したケースもある。
主な転車台
- 津軽中里駅(津軽鉄道/青森県)
- 1988年から長らく使用されていなかったが、クラウドファンディングと寄付金で2017年に復活した。手押し式。
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https://twitter.com/riz440languid/status/926718630762496000 - 荒屋新町駅(JR花輪線/岩手県)
- 1903年にドイツから輸入した転車台が現存している。扇形車庫もあり、中には保線用の車両が入っていて現役で使われている。
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https://twitter.com/ss1lssah/status/1173933267306729472 - 会津川口駅(JR只見線/福島県)
- 手押し式。SL会津只見号の方向転換に使われている。会津川口駅より西にある只見駅にも転車台があるが、2011年の台風で不通状態になっており、2020年4月時点では運用されていない。
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https://twitter.com/Silvia_R2021/status/735417372098453504 - 真岡駅・茂木駅(真岡鐵道/栃木県)
- 真岡鐵道は蒸気機関車で有名であり、転車台が2つある。茨城県側の終着駅である下館駅には転車台が設置されていないため、戻るときはディーゼル列車で牽引される。
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https://twitter.com/okaerinrin2/status/911583238182789120 - 鬼怒川温泉駅(東武鬼怒川線/栃木県)
- 2017年に設置された新しい転車台。駅前広場に線路を伸ばして転車台が設置されており、駅前で煙を上げて蒸気機関車が方向転換する珍しい光景を見ることができる。
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https://twitter.com/enokizu/status/1241218928300322816 - 東ゲート駅・ハートフルランド駅(太陽の恵み鉄道/東武動物公園)
- 太陽の恵み鉄道は東武動物公園内を走る列車。複線の線路で片方向にしか運転できない列車を運行しているため、線路の端にある転車台にも複線の線路が設置されている。この種類の転車台は世界的に見ても珍しく、国内ではここ以外だと神奈川県松田町の西平畑公園にしかない。
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https://twitter.com/oomatipalk/status/663002294045175808 - 鉄道博物館(埼玉県)
- 館内中央に転車台が設置されている。1日2回稼働するほか、館内の展示車両の入れ替えにも使われている。
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https://twitter.com/andan_go/status/1230880070534746113 - 千頭駅・新金谷駅(大井川鐵道大井川本線/静岡県)
- 真岡鐵道と同じく蒸気機関車で有名な鉄道で、転車台が2つある。千頭駅には1897年のイギリス製の手押し式転車台があり、年代が判明している現存する転車台では国内最古であることから、国の登録有形文化財・機械遺産に認定されている。新金谷駅のものは2011年製で、手押しとモーター両方で動かすことができる。
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https://twitter.com/shi3pu10/status/1248264124741455874 - 天竜二俣駅(天竜浜名湖鉄道/静岡県)
- 1940年に作られた転車台が現存しており、扇形車庫とともに国の登録有形文化財に指定されている。現在も現役の旅客用列車が入庫している。
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https://twitter.com/kuwataku/status/1225660740104704002 - 旧武豊港駅(愛知県)
- 日本で唯一現存する、2本の線路が直角平面交差している転車台。1998年に土砂に埋まっていたところを2人の小学生に発見され、2009年に国の登録有形文化財に指定された。
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https://twitter.com/ruly_suzme/status/1247036699634368512 - 北濃駅(長良川鉄道/岐阜県)
- 1902年のアメリカ製の転車台が現存しており、国の登録有形文化財に指定されている。もともとは岐阜駅にあったものを1934年に移設した。
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https://twitter.com/claptmania/status/1003099429484748800 - 京都鉄道博物館(京都府)
- 旧梅小路機関区から梅小路蒸気機関車館を経て引き継いだもの。扇形車庫と合わせて国の重要文化財に指定。現在は多くの蒸気機関車が保存されている。
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https://twitter.com/yakumo_m/status/753801373964132352 - 若桜駅(若桜鉄道/鳥取県)
- 1930年の川崎車両製の手押し式転車台があり、国の登録有形文化財に指定されている。蒸気機関車の復活運転が行われるときに転車台が使用される。
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https://twitter.com/betafujihara/status/716631286828310528 - 津山まなびの鉄道館(岡山県)
- 旧津山扇形車庫を改装した博物館。上記京都鉄道博物館の梅小路機関車庫に次いで現存全国2位の、17両の収容量数を誇る。
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https://twitter.com/tjokayama/status/1119511015526424576 - 新山口駅・津和野駅(JR山口線/山口県)
- SLやまぐち号の転換に使われる。新山口駅の転車台から放射状に延びる線路の先には車庫の建物はないが、他にもいくつかの現役の車両が留置されている。
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https://twitter.com/oomatipalk/status/1128677456573943813 - 旧豊後森機関庫(大分県)
- 国の登録有形文化財かつ近代化産業遺産。第二次世界大戦の機銃掃射の弾痕が残っている、九州唯一の現存する扇形機関庫。
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https://twitter.com/wug0029/status/1253293378789244928
自動車の転車台
バスの駐車場や車庫が狭い場合に設置されることがある。また、立体駐車場にも通常の自動車用に設置されていることが多い。どちらも方向転換が難しいところに置かれている。それ以外にも、モーターショーで車の様子を見やすいように回すときに、レンタル用のターンテーブルが使われることもある。
個人宅にも設置可能で、基礎工事費を抜いて最低でも80万円ほどかかる(参考)。
関連動画
関連静画
関連項目
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