「アナタノ…カエリミチハ…ナイノ……。 モウ…ナイノヨォ……!」
軽巡棲姫とは、DMMのブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する敵艦船である。
アナタノ・・・概要ハ・・・ナイノ・・・モウ・・・ナイノヨォ・・・!
初登場は、2015年11月18日から実装された期間限定海域イベント「突入!海上輸送作戦」の第2海域「コロネハイカラ沖海戦」における敵主力艦隊(ボス)の旗艦。
鼻梁から上が鬼のような角の生えた覆面に隠されているため、そのご尊顔は拝見できないが、伸びやかな肢体、左右に分けられた前髪、両腕の単装砲、台詞など、神通(艦これ)との共通点が多い。
なにより彼女が待ち受ける海域は、かつて太平洋戦争で二等巡洋艦〈神通〉が散華したコロンバンガラ沖をモティーフにしていることが明らかな、その名も「コロネハイカラ沖」。マップ上でもコロネハイカラ島はコロンバンガラ島同様、円形をしており、さらに軽巡棲姫が出現するマスは、史実で〈神通〉が戦没した地点と合致する。
そんな軽巡棲姫、いろいろと艦これでは初めての試みがなされている敵でもある。
まず、彼女は本ゲームのイベントのボスとしては初めて戦力ゲージが設定されていない。
これまでのイベントではかならずマップごとに戦力ゲージが設定されていた。このゲージはボス旗艦にダメージを与えることで減少させることができる。最後はボス旗艦を撃沈することでゲージを破壊でき、それをもって海域攻略完了としていたのだ。だが今回のイベントの主目的は、「突入!海上輸送作戦」という作戦名どおり、コロネハイカラ島の友軍に物資を輸送することであって、敵戦力の撃滅ではない。よって、輸送さえ完遂できればボスを撃沈する必要もない。そのためか、艦これのイベントでは初めて、倒さなくてもクリアできるボスとなったのである。
もっとも、彼女ひきいるボス艦隊に敗北すれば輸送は失敗になるから勝利はつかまねばならないし、旗艦たる軽巡棲姫をふくめて全艦撃沈すれば揚陸できる物資の量が増えるので倒すにこしたことはないが、クリアだけが目的なら打倒に固執しなくてもよい。敵艦隊を4隻撃沈できればA勝利がほぼ確定となるので、たとえば「昼の砲撃戦と雷撃戦で軽巡棲姫のみを残して敵随伴を全滅させたが、夜戦に突入しても彼女を倒せるかどうか怪しい、もしくは不可能であることがわかりきっている」ような場合、追撃せずさっさと撤収するという、いままでのイベントにはありえなかった事象が発生した。軽巡棲姫は装甲が最大で185と高く、神通改二の夜戦連撃か高スペック駆逐艦の魚雷カットインでも刺さらないと有効打を与えるのは難しい。さらに倒さなくてもよいシステムもあいまって、海域クリアまでついぞ彼女を撃沈したことがなかったという提督諸氏もいるのではないだろうか。私です
また、いままでのイベントのボスは、ゲージを破壊されたときに何かを悟ったような台詞をつぶやくのが通例となっていた。例をあげると・・・
- 泊地棲姫「ワタシモ・・・モドレルノカ? アオイ・・・ウミノ・・・ウエニ・・・」
- 北方棲姫「イツカ・・・タノシイウミデ・・・イツカ・・・」
- 空母棲姫「シズカナ・・・キモチニ・・・ソウカ・・・だからわたしは・・・」
などである。彼女たちの意味深長な台詞は、謎の多い深海棲艦の正体だけでなく、艦これの世界観そのものを推察する重要な情報となっているが、軽巡棲姫の場合、そもそもゲージがないため、イベントのボスとして初めて撃破時の台詞がない。
さらに、軽巡棲姫は深海棲艦としては初めて探照灯を装備している。
艦娘が装備する探照灯の効果は、夜戦での自軍の命中率向上、夜戦カットイン発生率向上、敵艦隊カットイン発生率低下、装備艦の被弾率向上と回避低下である。深海棲艦の探照灯の効果も同様であるならカットイン祭りになってしまう・・・のだが、軽巡棲姫が旗艦を務めるE2「コロネハイカラ沖海戦」のボス艦隊は、彼女をふくめて夜戦カットイン仕様の艦が存在しない。
よって実質的には、こちらのカットイン発生率が減殺されること、こちらの攻撃が倒せもしない軽巡棲姫に集中してしまい、敵艦隊の数を減らすことができず判定負けを喫してしまう可能性があるというものになっている。
彼女が再登場したさいに夜戦カットイン艦たちが夜戦マスで待ち構えている・・・などという悪夢が現実のものとならないことを祈るばかりである。
再登場
2018年冬イベント「捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」
E-5の第一段階(輸送ルート)旗艦として再登場した。プレイヤー側は遊撃部隊(7隻編成)に対し、敵旗艦は連合艦隊(12隻編成)であることに加え、空襲マスがプレイヤーを苦しめる海域であった。また、ラスダンになると駆逐古鬼が随伴するため、S勝利が難しい(が、前回と同様A勝利でも構わない)。
なお、本海域モチーフは第一次多号作戦(鈴二号作戦)であり、史実において本作戦で沈んだ軽巡は鬼怒。新たに鬼怒をモチーフとした深海棲艦を登場させる代わりに起用された模様である。今回ボイスが無くなったのもそれが理由ではないかという説がある。
※鬼怒と神通とは同郷(神戸・川崎造船所)、同艦籍(呉鎮守府)、第二水雷戦隊旗艦の先輩後輩の間柄。
2020年夏イベント「侵攻阻止!島嶼防衛強化作戦」
E-5の第1ゲージで戦力ボスとして旗艦で登場。5年前と出現位置もほぼ同じだが、今回は改修されており軽巡棲姫IIとしての登場、先制雷撃もしてくるようになった。……なのだがさほど強化されているわけではなく雷装と装甲以外は微増どまり。どのみち雷装は増えようが直撃した時点で元から危ないので大幅に増えたところで誤差であり、また多少堅いことは堅いのだが甲でも耐久340・装甲239どまり。こっちも基本的には軽量編成の通常艦隊でしか挑むことになるが、それを差し引いても完全にインフレにおいていかれており、ぶっちゃけた話をするとボスとしてみた場合はかなり弱い。むしろ甲の場合は随伴しているナ級後期型IIeliteが下手に開幕攻撃で生き残った場合に先制雷撃の数が増えてしまう方がよっぽど鬱陶しいかもしれない。
しかも神通に高倍率特効があるため、夜戦開始時点で神通が無事ならば撃破はたやすい。また史実のコロンパガラ沖夜戦に参加していた睦月型や陽炎型にも高い特効倍率があり、特に前情報でもピックアップされていた三日月は第2ゲージでも特効があるため起用しておきたい。なお雪風も補正が掛かっているが、彼女はこの海域よりはるかに難易度が高いE-6・E-7でも特効があるので複数育てているというわけでもない限り温存すること。
なお札の関係・道中が長くなる・ボスの戦力の3点から非推奨だが、実は水上打撃部隊でも戦える。道中の敵が弱いこともあり、ボスに到達するだけならこっちの方が安定する。当然ボスマスにたどり着きさえすれば軽巡旗艦で航空戦力ゼロの水雷艦隊相手では味方側が過剰戦力となってしまい、そんな相手と戦う彼女はむしろ史実のコロンバンガラ沖夜戦でさえ劣勢戦力であった日本海軍側よりも酷い状況になる。
ちなみに戦力ボスに抜擢されたことで、撃破ボイスが5年越しに実装された。
「クライ…。クラクテ……ナニモ…。ワタシ…ッ! えっ…光……!?」
関連動画・・・ナンデアルノオオオ!?
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「コロネハイカラ沖海戦」のBGMである「二水戦の航跡」「次発装填、再突入!」も収録されている。
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