軽自動車とは、至極簡単に言えば小さい自動車である。
概要
一般的にいう普通車(3ナンバー車)や小型自動車(5ナンバー車)より小さく経済的であることを目的とした自動車。日本や海外の一部の国では専用の規格が設けられ、それに適合している車両であればさまざまな税的な優遇などの恩恵に預かることが出来る。一方でそれと引き換えに車両の性能や採寸に厳しい制限を課されている。世界の中でも日本は過剰ともいえる情熱を、この手の車に注いでいる国と言えるだろう。
しかし、軽自動車だからといってガソリン車に軽油を入れると、後でとっても大変なことになるので気をつけられたし。車好きからすれば笑い話のような間違いだが、実際に間違えて大変なことになる事例は少なくない。TBSでさえ間違える(TBS 「軽自動車は軽油なのでお得」 と間違った報道)
日本の軽自動車
日本では自動車の普及と産業振興を目的とし制度が作られた。当初は360ccの排気量規制から始まったが、時代の変遷と共に規格拡大を続け、現在では660ccにまで拡大している。
日本の軽自動車は全世界的にこの手の自動車が最も発展した存在として、そのパッケージング・性能と価格の両立という面から非常に高い評価を得ている。ワンボックスから2シーターロードスター、はたまた山岳走行に特化したAWDまでのほぼフルラインナップが揃う、世界に類を見ない市場となっている。
一方で昨今の軽自動車は居住性や安全性などへの追求がされており、特に全長・全幅の寸法が制限されていることから、全高1,600mm以上のトールワゴン型軽自動車が隆盛を極めている。しかしその一方で車高が高くなった分重量は増えたもののエンジン規格が拡大するわけでもなく、その結果パワーウェイトレシオがリッターカーより劣悪になる傾向が見られる。その為に一部モデルでは実燃費がリッターカーと逆転してしまうものの、市場要求を考えればメーカーはこの潮流に乗らざるを得ないと言うジレンマが見受けられる。
しかし、ボディ剛性を高める技術の革新的向上などにより、安全性を確保しつつ軽量化に取り組む傾向が2010年代以降は目立つようになってきている。
現在(1998年以降)の日本の軽自動車の規格は以下のものである。
上記の制限を一つでも越えてしまうと所謂白ナンバー、つまり小型自動車(高さが2.0mを超える場合は普通自動車)として登録することになる。なお、軽自動車が黄色ナンバーなのは、かつては高速道路での最高速度規制が異なっていたり、利用料金も区別されていたため、警察官や料金係の人が見分けやすいようにするためだった。しかし、2021年現在ではこれらは統一されているため、必ずしも黄色ナンバーにしなければいけない理由は薄れつつある。現に、イベントを記念した白色のナンバーも期間限定ながら出てくるようになっている。
軽自動車乗り=貧乏?
一部の認識の偏った人間によって、黄色ナンバー乗り=貧乏人として蔑みの対象となっている部分も否定できない。乗る側のユーザーも少なからずコンプレックスを感じていることは、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを記念した特別な白色ナンバーが国交省で期間限定で申し込みできるようになると、大好評となったことからも証明されている。
最廉価グレードになれば2桁万円台で購入でき、各種届出や税金の優遇、そして車両自体が軽いため燃費が良いなど貧乏人好みのする要素満載なのは事実。だが軽乗用車の最上位車種に関しては、所謂リッターカー・コンパクトカーと呼ばれる小型乗用車の最廉価グレードより高い場合も珍しくなく、軽自動車の価格面の優位性は取得価格よりもむしろ優遇税制などからくるランニングコストの安さの方がより顕著に現れるといえる。またダイムラー(スマート)の「smart fortwo」やケータハムの「セブン130」「セブン160(ケータハム・セブン160の馬力は2016年7月現在、国内で販売されている軽自動車で唯一規制対象外の80psとなっている。)」といった外国の軽自動車は、日本のCセグメント車の初級〜上級クラスの価格帯となり、必ずしも貧乏人の象徴とは言えない。
価格が安いということは弄り易いということでもある。車体価格が安く、チューニングパーツのサイズも小さく済むので総コストが低く抑えられ財布にやさしい、というわけである。しかし明らかにやりすぎな車も多数あるのも事実。
悲しいことではあるが、日本の軽自動車の先駆者で360の生みの親であったスバル(富士重工業)の軽自動車が自社開発からダイハツ工業のOEMとなってしまった。
主なメーカー・車名
()内はボディーの形状。カスタム車(エアロ仕様車)は省略。
黒背景黄文字は貨物車仕様(4ナンバー)あり、もしくはあった。
スズキ
-
スズキ・アルト (ハッチバック)
- スズキ・アルトラパン (ハッチバック)
- スズキ・アルトエコ (ハッチバック)
- スズキ・エブリイ (1BOX)
- スズキ・MRワゴン (トールワゴン)
- スズキ・カプチーノ (オープンカー)
- スズキ・キャラ (クーペ) - マツダ・オートザムAZ-1のOEM車。
- スズキ・キャリイ (トラック)
- スズキ・Kei (ハッチバック)
- スズキ・ジムニー (SUV)
- スズキ・スペーシア (トールワゴン)
- スズキ・ハスラー (SUV)
- スズキ・パレット (トールワゴン)
- スズキ・ワゴンR (トールワゴン)
ダイハツ
- ダイハツ・アトレー (1BOX)
- ダイハツ・ウェイク (トールワゴン)
- ダイハツ・キャスト (トールワゴン/SUV)
- ダイハツ・コペン (オープンカー)
- ダイハツ・ソニカ (ハッチバック)
- ダイハツ・タント (トールワゴン)
- ダイハツ・テリオスキッド (SUV)
- ダイハツ・ハイゼット カーゴ (1BOX)
- ダイハツ・ハイゼット キャディー (トールワゴン)
- ダイハツ・ハイゼット トラック (トラック)
- ダイハツ・ミゼットⅡ (トラック)
-
ダイハツ・ミラ (ハッチバック)
- ダイハツ・ミラジーノ (ハッチバック)
- ダイハツ・ミラココア (ハッチバック)
- ダイハツ・ミライース (ハッチバック)
- ダイハツ・ムーヴ (トールワゴン)
- ダイハツ・ムーヴラテ (トールワゴン)
- ダイハツ・ムーヴコンテ (トールワゴン)
- ダイハツ・ムーヴキャンバス (トールワゴン)
ホンダ
- ホンダ・アクティ (トラック/1BOX)
- ホンダ・S660 (オープンカー)
- ホンダ・N-BOX (トールワゴン)
- ホンダ・N-WGN (トールワゴン)
- ホンダ・N-ONE (トールワゴン) - LOWDOWNモデルはセミトールワゴンに分類される。
- ホンダ・That's (トールワゴン)
- ホンダ・ストリート (1BOX)
- ホンダ・ゼスト (トールワゴン)
- ホンダ・Z (SUV)
- ホンダ・トゥデイ (ハッチバック)
- ホンダ・バモス (1BOX)
- ホンダ・ビート (オープンカー)
- ホンダ・ライフ (トールワゴン)
スバル
- スバル・R1 / スバル・R2 (ハッチバック)
- スバル・ヴィヴィオ (ハッチバック)
- スバル・サンバー トラック (トラック) - 7代目からはダイハツ・ハイゼットトラックのOEM車。
- スバル・サンバー バン (1BOX) - 7代目からはダイハツ・ハイゼットカーゴのOEM車。
-
スバル・プレオ (セミトールワゴン→ハッチバック) - 2代目からはダイハツ・ミラのOEM車。
- スバル・プレオプラス (ハッチバック) - ダイハツ・ミライースのOEM車。
- スバル・シフォン (トールワゴン) - ダイハツ・タントのOEM車。
- スバル・ステラ (トールワゴン) - 2代目からはダイハツ・ムーヴのOEM車。
- スバル・ルクラ (トールワゴン) - ダイハツ・タントエクゼのOEM車。
- スバル・レックス (ハッチバック)
- スバル・360 (ハッチバック)
マツダ
- マツダ・オートザムAZ-1 (クーペ) - 日本唯一のガルウィングドアを採用した軽自動車。
- マツダ・AZ-オフロード (SUV) - スズキ・ジムニーのOEM車。
- マツダ・AZ-ワゴン (トールワゴン) - スズキ・ワゴンR(〜4代目)のOEM車。
- マツダ・キャロル (ハッチバック) - 4代目からはスズキ・アルトのOEM車。3代目までは自社生産していた。
- マツダ・スピアーノ (ハッチバック) - スズキ・アルトラパンのOEM車。
- マツダ・スクラム (トラック) - スズキ・キャリイのOEM車。
- マツダ・スクラムワゴン (1BOX) - スズキ・エブリイ / スズキ・エブリイワゴンのOEM車。
- マツダ・フレア (トールワゴン) - スズキ・ワゴンR(5代目〜)のOEM車。
- マツダ・フレアクロスオーバー (SUV) - スズキ・ハスラーのOEM車。
- マツダ・フレアワゴン (トールワゴン) - スズキ・パレットのOEM車。2代目からはスズキ・スペーシアのOEM車。
- マツダ・ラピュタ (ハッチバック) - スズキ・KeiのOEM車。
日産
- 日産・オッティ (セミトールワゴン) - 三菱・eKワゴン(〜2代目)のOEM車。
- 日産・キックス (SUV) - 三菱・パジェロミニのOEM車。
- 日産・NV100クリッパー (トラック/1BOX) - 三菱・ミニキャブのOEM車。2代目からはスズキ・キャリイ/スズキ・エブリイのOEM車。
- 日産・NV100クリッパー リオ (1BOX) - 三菱・タウンボックスのOEM車。2代目からはスズキ・エブリイワゴンのOEM車。
- 日産・デイズ (トールワゴン) - 三菱・eKワゴン(3代目〜)の姉妹車。
- 日産・デイズルークス (トールワゴン) - 三菱・eKスペースの姉妹車。
- 日産・ピノ (ハッチバック) - スズキ・アルトのOEM車。
- 日産・モコ (トールワゴン) - スズキ・MRワゴンのOEM車。
- 日産・ルークス (トールワゴン) - スズキ・パレットのOEM車。
三菱
- 三菱・i (トールワゴン)
- 三菱・eKスペース (トールワゴン) - 日産・デイズルークスの姉妹車。
- 三菱・eKワゴン (セミトールワゴン→トールワゴン) - 3代目からは日産・デイズの姉妹車。
- 三菱・タウンボックス (1BOX) - 2代目からはスズキ・エブリイワゴンのOEM車。
- 三菱・トッポ (トールワゴン)
- 三菱・パジェロミニ (SUV)
- 三菱・ミニカ (ハッチバック)
- 三菱・ミニキャブ (1BOX) - 7代目からはスズキ・エブリイのOEM車。
- 三菱・ミニキャブ トラック (トラック) - 7代目からはスズキ・キャリイのOEM車。
トヨタ
- トヨタ・ピクシスエポック (ハッチバック) - ダイハツ・ミライースのOEM車。
- トヨタ・ピクシススペース (トールワゴン) - ダイハツ・ムーヴコンテのOEM車。
- トヨタ・ピクシスジョイ (トールワゴン/SUV) - ダイハツ・キャストのOEM車。
- トヨタ・ピクシストラック (トラック) - ダイハツ・ハイゼットトラックのOEM車。
- トヨタ・ピクシスバン (1BOX) - ダイハツ・ハイゼットカーゴのOEM車。
- トヨタ・ピクシスメガ (トールワゴン) - ダイハツ・ウェイクのOEM車。
smart(ダイムラー)
ケータハム
関連動画
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関連項目
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E8%BB%BD%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A